街の頼れるドクターたちvol.029
足の静脈には血液の逆流を防ぐための弁が付いているのですが、さまざまな要因によってこの弁の動きが悪くなることで、心臓に帰っていくはずの血液が静脈に留まってしまう。その結果、血管が膨らんでコブができる。これが「下肢静脈瘤」の基本的な特徴です。決して命に関わる病気ではありませんが、症状が悪化すると、強いかゆみ・痛みを伴う皮膚炎や皮膚潰瘍につながり、やけどの痕のような見た目になってしまうケースも少なくありません。実際、10年弱にわたって皮膚科に通い続けたものの良くならず、足首のあたりに10センチ四方の潰瘍ができてから当院に来院された患者様もいらっしゃいました。特に発症しやすいのは、立ち仕事をしている時間が長い方、妊娠・出産を2回以上経験されている方、中高年の女性ですが、明確な症状として表れていないケースを含め、日本人の実に半分が下肢静脈瘤を抱えているともいわれています。その意味でも、エコー検査の受診をおすすめしています。
症状によって適切な治療法を選択します。ひとことで下肢静脈瘤といっても、静脈が浮き出てコブのように膨らむ「大伏在静脈瘤」や「小伏在静脈瘤」、細い静脈が網目状に膨らんで発症する「クモの巣状静脈瘤」、より細い静脈が拡張する「網目状静脈瘤」など、さまざまな種類があります。「伏在型静脈瘤」の場合には、逆流を起こしている静脈にカテーテルを挿入し、内側から熱を加えて静脈壁を焼灼する「血管内カテーテル治療」、「クモの巣状静脈瘤」「網目状静脈瘤」の場合には、硬化剤を注入して静脈をつぶす「硬化療法」を用いた治療を行います。いずれの治療法も30分程度で完了、日帰りで治療が可能ですし、一般的に1か月から2か月程度で症状は改善します。また、患者様の希望によっては、下肢静脈瘤の進行予防のために「弾性ストッキング」の着用をすすめたり、漢方薬を処方したりするケースもあります。
北千住静脈瘤クリニック
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