ツツイ美容外科　筒井 康文 院長 | ドクターズインタビュー

お悩みに応じて施術内容をカスタマイズ。治療の組み合わせが相乗効果を生む

― コンビネーション治療とはどのような治療法ですか？

2種類以上の治療を組み合わせる治療法のことです。各治療を同時に行う、または数週間後に行います。治療の組み合わせ方に決まりはなく、保有する治療器や提供している治療メニューによって異なるため、クリニックの特色が出る治療法といえますね。

― 単体の治療と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか？

最大のメリットは、治療効果の高さです。2つの治療の相乗効果で、“ワンランク上”を目指すことができます。学会での症例報告が増加して効果が認知されるようになったことで、近年取り入れるクリニックも増えました。
とは言え、2つの治療を行うことになるので、費用が高くなることはデメリットかもしれません。またコンビネーション治療だからという理由で生じるリスクは基本的にありませんが、それぞれの治療に伴う副作用や合併症は同じです。例えばヒアルロン酸注入であれば、軽度の腫れや術後の内出血、注射による感染症をはじめ複数のリスクがあり、組み合わせる他の治療にもそれぞれリスクがあります。そのため、治療前には必ず詳しい説明を受けましょう。

― 具体的な組み合わせ例を教えてください。

例えば「VOVリフト（糸リフト）」と「ショッピングリフト」は、新しい組み合わせのコンビネーション治療です。「VOVリフト」は、コグ（丸みのあるトゲ）のついた特殊な糸を皮下組織にひっかけて、たるみをしっかりと引き上げる治療。もう一方の「ショッピングリフト」は、髪の毛よりも細い特殊な糸を両頬に40～100本ほど挿入し、肌質を改善して肌を引き締める治療です。いずれも糸は1～2年の時間をかけて吸収されますが、その間、皮下でコラーゲンの生成を促し続けます。「VOVリフト」で線状にしっかりとたるみを引き上げ、面でハリを出す「ショッピングリフト」で補強する。このコンビネーションが、若々しい印象を与える自然なリフトアップを可能にします。

他にも「ピコレーザー」と「アクアシュアH2（水素ピーリング）」は、人気の組み合わせです。シミやニキビ跡、くすみなどの肌質改善の治療に適した「ピコレーザー」、そして古い角質や皮脂汚れを取り除く「アクアシュアH2」。この組み合わせでは、「ピコレーザー」の前処置として「アクアシュアH2」を行うことで、レーザー治療の効果を高めることが可能です。
ここでは2つの例を挙げましたが、お悩みに合わせて様々な組み合わせをご提案できます。この幅広さもコンビネーション治療の特長ですね。

きめ細かなカウンセリングと肌診断で、一人ひとりに合わせた治療法を提案

― コンビネーション治療は、どのような方におすすめの治療ですか？

より高い効果を求める患者様に対して、お悩みや予算に合わせた最適な組み合わせをご提案しています。先ほどもお話したとおり、コンビネーション治療はお悩みに合わせて組み合わせることができるため、ニキビ跡やシミ、くすみ、たるみ、しわなど、さまざまなお悩みに応えることが可能です。
ご相談に来られるのは、頬、フェイスライン、目元のたるみや肌質にお悩みを抱えている患者様が多いですね。ここ数年はとくに、エイジングケアを希望される30代以降の患者様が増えています。

― 治療法はどのように決めるのでしょうか？

一人ひとりに合った治療法を提供するためには、カウンセリングと肌診断が非常に重要です。
カウンセリングでは、はじめに看護師がお悩みやご希望を詳しくお聞きし、患者様への理解を深めます。さらに肌診断器を用いて肌の状態を解析し、それらの情報を基に医師が治療方針を判断しています。
どんなお悩みの治療法にも複数の選択肢があり、組み合わせ方もひとつではありません。幅広い治療法の中から選んでいただけるため、施術内容や治療のリスク、経過などを丁寧に説明し、症例をお見せしながら納得のいく治療法をご提案します。
ご希望の治療法を決めて来られる方も多いですが、コンビネーション治療にするかどうかは、肌の状態や治療への適応、生活習慣やお求めのレベル、予算なども含めて総合的に判断しています。そのため、単体の治療でも十分に効果が得られる場合にはその旨をお伝えして、コンビネーション治療をおすすめしないこともありますね。