北千住静脈瘤クリニック 入谷 哲司 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.046

血管外科

接着剤で静脈を閉塞。下肢静脈瘤の新たな治療法「グルー治療」
接着剤で静脈を閉塞。下肢静脈瘤の新たな治療法「グルー治療」
北千住静脈瘤クリニック
  • 入谷 哲司 院長
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JR常磐線「北千住駅」西口から徒歩約3分の「北千住静脈瘤クリニック」。同クリニック院長の入谷哲司先生が最近力を入れているのが、2019年12月に保険適用となった新たな治療法「グルー治療」である。グルー治療は、血液の逆流を起こしている下肢静脈にカテーテルを挿入し、医療用の接着剤を挿入。皮膚の上から圧迫することで静脈を閉塞する治療法だ。最近の主流である「血管内焼灼術」よりも適用の範囲はやや狭いものの、麻酔の量を抑えられる点や、運動制限がない点など、さまざまなメリットがある。入谷院長に「グルー治療」の特徴や、手術の具体的な手順、治療時間などについて伺った。(取材日 2021年3月19日)

「グルー治療」の特徴とは。従来の治療法と比べた4つのメリット

― そもそも下肢静脈瘤とはどのような病気なのでしょうか。

足から心臓に向かう静脈には、血液の逆流を防ぐための弁がついているのですが、この弁が壊れたり、動きが悪くなったりすると、心臓に帰っていくべき血液が逆流し、下肢の静脈に老廃物とともに滞留してしまいます。その結果、ふくらはぎなど下肢の血管がコブのように膨らみ、足のだるさや痛み、むくみ、こむら返りといった症状が現れたり、さらに悪化すると強いかゆみや痛みを伴う皮膚炎や皮膚潰瘍に至ったりするケースもある。これが下肢静脈瘤の基本的な特徴です。

― 新たな治療法「グルー治療」の特徴について聞かせてください。

従来は「ストリッピング治療」といいまして、皮膚を切開し、逆流を起こしている静脈そのものを切除して引き抜く治療法や、硬化剤という薬物を静脈に注入し、炎症を起こすことによって下肢静脈瘤を潰す「硬化療法」などが適用されてきましたが、最近は静脈内にカテーテルを挿入し、血管内の壁に高周波・レーザーを当てて焼灼し、閉塞する「血管内焼灼術」が主流となっています。これに対して「グルー治療」は、静脈にカテーテルを挿入するところまでは血管内焼灼術と共通なのですが、血管壁を焼灼するのではなく、下肢静脈専用の瞬間接着剤を注入することによって、逆流を起こしている静脈を閉塞します。日本では2019年12月に保険適用となった新しい治療法です。

― グルー治療にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

「①麻酔が少なくて済む」「②弾性ストッキングを着用しなくてもよい」「③痛みが少ない」「④手術当日から運動を含めた日常生活を送ることができる」の4点が挙げられます。①の麻酔に関しては、血管内焼灼術ではカテーテル挿入部分に加えて、血管の数か所に局所麻酔を行う必要がありますが、グルー治療ではカテーテル挿入部分だけで大丈夫です。また、②に関しては、血管内焼灼術の場合には、熱によって血液が凝固して血栓ができるリスクがあり弾性ストッキングの着用が不可欠ですが、グルー治療の場合にはその必要がありません。ご高齢の患者様など、弾性ストッキングを履くのが辛いという方には大きなメリットといえるでしょう。

― ③の痛み、④の運動についてはいかがでしょうか。

③の痛みについて申し上げますと、血管内焼灼術を受けた後は、痛み止めを飲むほどではありませんが、ビリビリ・ヒリヒリという軽い痛みを感じられる患者様が少なくありません。一方、グルー治療の場合には、痛みを感じるのはカテーテル挿入部分に局所麻酔を行うときだけで、術後の痛みは基本的にありません。④に関しては、血管内焼灼術の実施から一週間は血栓の発生を防ぐため、飛行機への搭乗や激しい運動は控えてもらっています。この点、グルー治療の場合には運動制限はなく、手術当日から普段通りの生活を送っていただけます。

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北千住静脈瘤クリニック

場所
東京都足立区千住3丁目33 三鈴ビル2F MAP
電話
03-5284-6686
診察領域
心臓血管外科、形成外科、美容外科、美容皮膚科、予防接種
専門医
形成外科専門医
専門外来
下肢静脈瘤専門外来

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