早期介入で未来を守り、患者様の生涯と向き合う慢性腎臓病治療
自覚症状に乏しい慢性腎臓病は早期介入で進行を緩やかに。地域のクリニックとしての信頼で治療を支えます。
- こじま内科クリニック 東京都八王子市
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- 小島 糾 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.194
腎臓内科
目次
腎臓には血液を濾過する重要な役割がありますが、その機能が低下する病気です。脱水症状などで一時的に起こる急性腎障害とは異なり、血液検査でeGFR(推算糸球体濾過量)の数値が60を下回る、尿検査で蛋白尿が指摘されるなどの異常が3か月以上続く場合に慢性腎臓病と診断されます。
腎臓の機能は年齢とともに低下するため、高齢になるほど有病率が高くなります。腎機能の低下は生活習慣病と深い関連があり、人工透析導入の主原因は、第1位が糖尿病、第2位が高血圧と言われています。また腎炎が原因となるケースも多く見られますが、こちらは世代を問わず発症するのが特徴です。
人工透析を必要とする一歩手前くらいにならないと、自覚症状はほとんどありません。当院の患者様も、受診のきっかけは健康診断という方が多いです。初めて来院された際はまず病歴を丁寧に伺い、原因検索を行います。例えば高血圧や糖尿病の既往があるか、それは何年くらい前からか、どんな治療を行っているのか。一定の割合で遺伝性の腎臓病もありますので、家族歴もお聴きします。その後、血液検査や尿検査、超音波検査で診断を確定していきます。腎臓に関しては尿から得られる情報も多く、痛みを伴う侵襲的な検査は少ないので、安心して受診いただきたいですね。
腎臓の機能は、一度失われると基本的には元に戻りません。慢性腎臓病は月単位、年単位でゆっくり進行しますが、適切な薬剤や生活習慣の改善などにより、いかに進行のスピードを抑えられるかが治療の鍵になります。機能低下の推移を線グラフでイメージするなら、早期から介入して「傾きを緩やかにする」ことが大切です。例えば、腎臓を保護する薬を早期から服用し始めることで、その恩恵をより長く享受できるようになります。ただし腎炎が疑われる場合は、生活習慣病とアプローチがまったく異なり、根治を目指したより積極的な治療が必要です。組織を採取して顕微鏡で観察する腎生検が必要なケースもありますので、その際は基幹病院をご紹介します。
治療の中心は、原因となる生活習慣病のコントロールです。糖尿病の血糖管理を強化したり、血圧を下げる薬を処方したりします。腎臓の機能維持に影響する、蛋白尿を抑える薬を処方することもあります。
腎臓は悪くなっても自覚症状が出にくい臓器なので、治療を頑張ってもご自身では効果が見えにくいといえます。一方で検査によって数値化、定量化できる項目も多いので、モチベーションの維持には結果の「見える化」が大事だと考えています。「服薬によって数値がこれだけ改善しましたよ」「これだけ機能が維持できていますよ」と、専門用語をなるべく用いることなく、丁寧にフィードバックすることを心がけています。
天寿を全うするまで人工透析が必要ない状態を維持するのがひとつの目標ですが、腎臓は少しずつ機能が低下していく臓器でもあります。仮に腎臓の機能が廃絶してしまっても、それを代替する透析という治療法が確立されており、何十年も歴史があることはポジティブな側面だと思います。私は大学病院で、透析を続けながら元気に趣味を楽しむ方や、海外旅行に出かける方も多く診てきました。週3回の透析では同じ患者様が顔を合わせるので、仲良く談笑されていたりもします。そういった前向きな事例もお伝えしていますが、もちろんそれぞれの価値観に基づき、透析を希望しない方もいらっしゃいます。その場合はどのような形で生活したいか、踏み込んでお話をしていきます。
腎移植や人工透析が必要となった場合は基幹病院をご紹介しますが、私は今でも東京医科大学八王子医療センターで診察を行っているので、引き続きそちらで治療を担当することもできます。知らない医師に引き継がれることに抵抗がある方も、場所を変えて私が外来を続けるようなイメージでいられるでしょう。地域のクリニックでは長い時間をかけて医師との信頼関係が生まれ、カルテに残らないような患者様の細かい背景も知っているものです。主治医を変えず、シームレスに高度医療に移行できるのは当院の強みだと考えています。
実は、私が腎臓内科医を志した理由もそこにあります。腎臓内科の最大の使命は人工透析に至らないようにすることですが、もしそれが叶わなくても透析という確立された代替療法があり、しっかり治療していけば一人の患者様の生活をずっと近くで支えられる。そんな言葉を先輩医師から聞き、大きなやりがいだと感じたからなのです。
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自覚症状に乏しい慢性腎臓病は早期介入で進行を緩やかに。地域のクリニックとしての信頼で治療を支えます。
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