全身の健康状態を映し出す脂肪肝。指摘を受けたら早めに受診を
肥満でなくても脂肪肝の可能性はあります。背景に全身疾患が見つかることもあり、状態の把握は重要です。
- 御徒町おひさま内科 東京都台東区台東
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- 榎奥 健一郎 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.197
内科
目次
ASTやALTといった肝機能の数値が上昇していると健康診断で指摘された場合、まず考えられるのが脂肪肝です。脂肪肝とは、肝臓の細胞の中に中性脂肪が蓄積した状態を指します。肥満の方に多い病気ですが、脂肪のたまりやすさには個人差があるので、BMI値が正常でも肝機能の検査数値が異常を示す方もいらっしゃいます。またアルコールの摂取も、脂肪肝の原因として重要です。
厄介なことに、脂肪肝には自覚症状がほぼありません。肝臓は炎症などが進んでも症状が出にくいという特徴があり、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。肝硬変に至っても気づかない患者様も多く、健康診断は病気を発見する重要なきっかけになります。ですから「症状がないので大丈夫」と考えず、数値の異常は体からのサインとして受け止めていただきたいですね。
肝硬変や肝がんを想像されるかもしれませんが、実はそれだけではありません。脂肪肝でASTやALTが高くなっている方は、糖尿病や脂質異常症、高血圧、動脈硬化にもなりがちです。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な心血管疾患につながる可能性があります。また、肝臓以外のがんのリスクが高まることも分かってきています。私も長年脂肪肝の患者様を診てきましたが、脂肪肝をきっかけに糖尿病や動脈硬化、がんが見つかるケースは少なくありません。肝臓だけでなく、全身の健康状態を映し出す病気と考えた方がよいでしょう。
自覚症状がなくても、医療機関を受診することをお勧めします。ひとくちに脂肪肝と言っても程度の差がありますし、採血や超音波検査によって状態を把握することで、経過観察でよいのか治療が必要なのか判断できるでしょう。
「このまま肝硬変になってしまうのか」と心配される方は多いですし、もちろん注意は必要ですが、今日明日で急激に悪化する病気ではありません。大切なのは、冷静に自分の状態を把握し、必要な治療や生活改善に取り組むことです。早い段階で気づけば改善も期待できますので、まずは現状を確認していただきたいですね。
私は東京大学医学部附属病院の消化器内科で20年以上肝臓診療に携わり、現在も外来を担当しています。肝臓の病気は治療が長期にわたることが多く、一人ひとりの患者様とじっくり関われる点が自分に向いていると思いました。私が医師になった頃、脂肪肝の治療は「痩せればよい」と考えられることも多かったのですが、その後さまざまな病気との関連も明らかになり、研究としても診療としても非常に重要な分野です。引き続き、やりがいをもって取り組んでいけると思います。
まず採血を行い、AST、ALT、γ-GTPのほか、血糖値やHbA1c、コレステロールなども確認します。そのうえで腹部超音波検査を行い、肝臓への脂肪の沈着や変形、肝がんの有無などを調べます。肝臓は炎症が続くと徐々に硬くなっていきますが、当院では超音波検査で硬さを測定し、数値として把握することが可能です。採血データだけでは分からない線維化の進行具合を確認できるため、今後の治療方針を考えるうえでも重要な情報になります。
大きく2つあり、肝臓の炎症を抑えることと、内臓脂肪を減らして脂肪肝そのものを改善することです。脂肪肝の患者様は、軽度の糖尿病を併発していることも少なくありません。そのような場合、マンジャロ(チルゼパチド)をはじめとした体重減少が期待できる糖尿病治療薬を活用する場合もあります。体重減少や採血データの改善がみられることで、治療に前向きに取り組めるようになる方もいらっしゃいますね。
私は、病気を治すために人生の楽しみまで失って欲しくないと考えています。お酒や食事を楽しみにしている方は大勢いらっしゃいますので、それぞれの生活や価値観を踏まえながら、無理なく治療を続けられることが大切です。「お酒をやめるのは難しい」など、率直な気持ちも含めてご相談いただきたいですね。
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肥満でなくても脂肪肝の可能性はあります。背景に全身疾患が見つかることもあり、状態の把握は重要です。
実際に患者様に触れる「徒手検査」を重視。目黒駅から徒歩2分の立地で、運動療法もしっかりと実施します。
幅広い診療を提供し、専門機関にもスムーズに紹介。「何科を受診すればいいの?」と迷う必要はありません。