はなぶさ脳神経外科・皮ふ科クリニック 英 真希子 副院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.164

皮膚科

ニキビができたらまず皮膚科。
難治性の場合は自費診療の内服薬も
ニキビができたらまず皮膚科。</br>難治性の場合は自費診療の内服薬も
はなぶさ脳神経外科・皮ふ科クリニック
  • 英 真希子 副院長
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兵庫県西宮市の「はなぶさ脳神経外科・皮ふ科クリニック」では、ニキビ治療に力を入れている。ニキビは皮膚科で適切な治療を受ければ、保険診療範囲内で十分に改善が期待できるという。しかし重症化すると、治療が難航するケースも多い。同院では「イソトレチノイン」による自費診療の提供も可能だ。イソトレチノインは欧米では標準治療として用いられる、難治性ニキビの内服薬。保険診療では改善しなかった患者が、“次の一手”を求めて来院することも多いという。日本皮膚科学会皮膚科専門医の英(はなぶさ)真希子副院長へ、皮膚科でニキビ治療を受けるメリットや、イソトレチノインによるニキビ治療についてお話を伺った。(取材日 2025年7月2日)

毛穴詰まりから始まるニキビ。皮膚科専門医による診断と治療が大切

― ニキビの原因について教えてください。

ニキビは、毛穴が詰まることから始まる皮膚の疾患です。第二次性徴が始まる10歳頃から皮脂の分泌が増え、白ニキビができ始めます。年齢を重ねるにつれ、過剰な皮脂の分泌、適切でないスキンケア、ホルモンの影響、生活習慣などが主な原因となり、ニキビが悪化してきます。
毛穴が詰まると、皮脂を栄養とするアクネ菌や、真菌(カビ)の一種であるマラセチア菌などが増殖します。そして炎症が起こることにより、さらにニキビを悪化させていくのです。

― ニキビは皮膚科で治療したほうが良いのでしょうか?

ポツポツと白いニキビができ始めたら、皮膚科の受診をお勧めします。赤いニキビや黄色いニキビがある場合は、ぜひ早めに相談してください。内科系・婦人科系の疾患に起因してニキビが発生している場合もありますし、ニキビだと思っていた肌のブツブツが、実はニキビとは異なる別の皮膚疾患である場合もあります。ニキビという適切な診断を受け、症状にあった適切な治療を受けましょう。

― 保険診療はどのように行うのでしょうか?

毛穴の詰まりを改善し、菌の増殖と炎症を抑える塗り薬によって治療するのが基本です。ニキビの状態に合わせて、抗生物質や漢方を服用することもあります。治療の一環として、普段のお手入れを見直し、正しいスキンケアを続けることも大切です。
効果が出るまでには少し時間がかかりますが、治療開始1か月後くらいから新しいニキビが出現しにくくなります。3か月後位からすでにあったニキビも徐々に目立たなくなり、効果を実感できるケースが多いです。

― 保険診療で良くならない場合、どのような選択肢がありますか?

標準的な治療を2~3か月行っても効果がみられない場合、当院では患者さんの要望に応じて「イソトレチノイン」という内服薬による、自費診療での治療を提供しています。
受診した時点ですでに炎症の強い赤ニキビや、悪化して化膿した黄ニキビが多い重症の場合、ニキビ痕が残ってしまわないように最初から自費診療を選択していただくことも可能です。

治りづらいニキビや、ニキビ痕も改善できる内服治療「イソトレチノイン」

― イソトレチノインとは、どのような薬ですか?

イソトレチノインはビタミンAの一種であり、欧米では難治性のニキビに対する標準治療として使用されている内服薬です。
ビタミンAには、皮脂腺を縮小させて皮脂の分泌量を減少させる作用や、皮膚角化細胞のターンオーバーを促す働きがあります。この作用が毛穴の詰まりや菌の増殖を防ぎ、さらに抗炎症作用がニキビの悪化を阻止するので、症状を改善させつつ新しいニキビの発生も抑制できるのです。

― イソトレチノイン治療の流れを教えてください。

はじめに問診および採血を行い、治療の適応を確認します。薬の服用は1日1回で、16〜24週間の継続が必要です。治療中は1か月に1度受診していただき、皮膚の状態やニキビの改善具合などを確認します。薬の量や頻度の調整、治療開始時に一時中断した塗り薬の再開は、必要に応じて行います。
また、治療中と治療終了時にも血液検査を実施し、副作用が生じていないことを確認しながら安全に配慮して治療を進めます。

― どのような方にお勧めですか?

従来の保険診療でニキビが治らない方、膿が溜まって黄色くなった嚢胞性ニキビや、デコボコの瘢痕が残るニキビの方にお勧めします。塗り薬の刺激が苦手で、外用薬では治療の継続が難しい方に提案することもあります。
一般的に、約6か月間の服用で改善がみられます。つるっとした滑らかな肌になり、軽いニキビ痕であれば、それもキレイになります。治療後は、皮脂の分泌が盛んな体質や生活習慣によって新たなニキビができることもありますが、治療前の状態にまで戻ってしまうことはあまりありません。ただし良い状態を保つためにも、正しいスキンケアの継続は必要です。

― 服用できないケースもありますか?

妊娠中・授乳中・妊娠を計画している方、肝機能が低下している方や高脂血症の方などは、イソトレチノインの使用が禁止されています。
また服用中は、皮膚の乾燥やドライアイ、肝機能障害などの副作用が起こり得るため、保湿と定期的な血液検査が不可欠です。そのほかにも献血の制限、併用できない薬や治療があることなどに注意してください。

自費診療の費用(目安)

アクネトレント料金(税込)
ソトレチノイン30日分:16,500円(20mg) 19,800円(30mg)
採血:44,00円~

ドクターからのメッセージ
  • 英 真希子 副院長

ニキビができやすい体質の方は、肌に必要な油分が十分にあるため、もともとは艶のあるとてもキレイな肌をしています。治療によってニキビが改善することはもちろん、毛穴の開きも小さくなるため、さらにキレイな肌を目指すことができるので、あきらめないで下さい。
また従来の治療で改善しないニキビには、自費診療の選択肢もあります。ご自身やお子様のニキビで悩んでいる方、受診を迷っている方は、ぜひ一度ご相談にいらしてください。

ニキビができたらまず皮膚科。難治性の場合は自費診療の内服薬も
ニキビができたらまず皮膚科。難治性の場合は自費診療の内服薬も

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住所
兵庫県西宮市常磐町1-27 ヤマイチPLAZAさくら夙川2階
電話番号
0798-32-5537
最寄駅
西宮駅、さくら夙川駅
アクセス
阪神西宮駅(戎えびす口改札)より徒歩7分
※阪急夙川やJR西宮駅北口からは徒歩で20分弱かかります。これらの駅からはタクシーの利用をお勧めします。
駐車場
あり(スーパーマルハチさくら夙川店共用駐車場40台)
※クリニック利用で2時間無料
診察領域
神経内科、脳神経外科、皮膚科、美容皮膚科、予防接種、人間ドック
専門医
脳神経外科専門医、脊椎脊髄外科専門医、皮膚科専門医
専門外来
頭痛専門外来、物忘れ外来・認知症外来、めまい専門外来、皮膚のアレルギー外来、生活習慣病専門外来、腰痛外来