つらい片頭痛の痛みを、月に1度の予防注射薬で和らげる
心身に不調を引き起こす、慢性的な頭痛。危ない頭痛との鑑別もスピーディに行い、的確に治療します。
- 英 賢一郎 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.164
皮膚科
目次
ニキビは、毛穴が詰まることから始まる皮膚の疾患です。第二次性徴が始まる10歳頃から皮脂の分泌が増え、白ニキビができ始めます。年齢を重ねるにつれ、過剰な皮脂の分泌、適切でないスキンケア、ホルモンの影響、生活習慣などが主な原因となり、ニキビが悪化してきます。
毛穴が詰まると、皮脂を栄養とするアクネ菌や、真菌(カビ)の一種であるマラセチア菌などが増殖します。そして炎症が起こることにより、さらにニキビを悪化させていくのです。
ポツポツと白いニキビができ始めたら、皮膚科の受診をお勧めします。赤いニキビや黄色いニキビがある場合は、ぜひ早めに相談してください。内科系・婦人科系の疾患に起因してニキビが発生している場合もありますし、ニキビだと思っていた肌のブツブツが、実はニキビとは異なる別の皮膚疾患である場合もあります。ニキビという適切な診断を受け、症状にあった適切な治療を受けましょう。
毛穴の詰まりを改善し、菌の増殖と炎症を抑える塗り薬によって治療するのが基本です。ニキビの状態に合わせて、抗生物質や漢方を服用することもあります。治療の一環として、普段のお手入れを見直し、正しいスキンケアを続けることも大切です。
効果が出るまでには少し時間がかかりますが、治療開始1か月後くらいから新しいニキビが出現しにくくなります。3か月後位からすでにあったニキビも徐々に目立たなくなり、効果を実感できるケースが多いです。
標準的な治療を2~3か月行っても効果がみられない場合、当院では患者さんの要望に応じて「イソトレチノイン」という内服薬による、自費診療での治療を提供しています。
受診した時点ですでに炎症の強い赤ニキビや、悪化して化膿した黄ニキビが多い重症の場合、ニキビ痕が残ってしまわないように最初から自費診療を選択していただくことも可能です。
イソトレチノインはビタミンAの一種であり、欧米では難治性のニキビに対する標準治療として使用されている内服薬です。
ビタミンAには、皮脂腺を縮小させて皮脂の分泌量を減少させる作用や、皮膚角化細胞のターンオーバーを促す働きがあります。この作用が毛穴の詰まりや菌の増殖を防ぎ、さらに抗炎症作用がニキビの悪化を阻止するので、症状を改善させつつ新しいニキビの発生も抑制できるのです。
はじめに問診および採血を行い、治療の適応を確認します。薬の服用は1日1回で、16〜24週間の継続が必要です。治療中は1か月に1度受診していただき、皮膚の状態やニキビの改善具合などを確認します。薬の量や頻度の調整、治療開始時に一時中断した塗り薬の再開は、必要に応じて行います。
また、治療中と治療終了時にも血液検査を実施し、副作用が生じていないことを確認しながら安全に配慮して治療を進めます。
従来の保険診療でニキビが治らない方、膿が溜まって黄色くなった嚢胞性ニキビや、デコボコの瘢痕が残るニキビの方にお勧めします。塗り薬の刺激が苦手で、外用薬では治療の継続が難しい方に提案することもあります。
一般的に、約6か月間の服用で改善がみられます。つるっとした滑らかな肌になり、軽いニキビ痕であれば、それもキレイになります。治療後は、皮脂の分泌が盛んな体質や生活習慣によって新たなニキビができることもありますが、治療前の状態にまで戻ってしまうことはあまりありません。ただし良い状態を保つためにも、正しいスキンケアの継続は必要です。
妊娠中・授乳中・妊娠を計画している方、肝機能が低下している方や高脂血症の方などは、イソトレチノインの使用が禁止されています。
また服用中は、皮膚の乾燥やドライアイ、肝機能障害などの副作用が起こり得るため、保湿と定期的な血液検査が不可欠です。そのほかにも献血の制限、併用できない薬や治療があることなどに注意してください。
アクネトレント料金(税込)
ソトレチノイン30日分:16,500円(20mg) 19,800円(30mg)
採血:44,00円~
はなぶさ脳神経外科・皮ふ科クリニック 地図を見る
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