かめざわ眼科 亀澤 比呂志 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.136

眼科

患者に負担の少ないレーザーメス
による日帰り眼瞼下垂手術
患者に負担の少ないレーザーメス<br>による日帰り眼瞼下垂手術
かめざわ眼科
  • 亀澤 比呂志 院長
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横浜市南区にある「かめざわ眼科」は、コミュニケーションとホスピタリティーを重視した診療を子どもから大人まで提供している。院長の亀澤比呂志先生が注力している治療のひとつに、眼瞼下垂手術がある。上まぶたが垂れ下がり目が開きにくくなる眼瞼下垂は、上方や外側の視界が狭くなり見えにくくなるばかりか、無理に目を開こうとすることで目の疲れ、首や肩こり、頭痛などを引き起こす。「眼瞼下垂を病気と認識している人は少ない」と語る亀澤先生に、眼瞼下垂の基礎知識や治療法、まぶたのたるみに悩む患者へのメッセージを伺った。(取材日 2024年11月12日)

ものが見えにくくなるばかりか、肩こりや頭痛などさまざまな症状の原因に

― 眼瞼下垂とは、どのような病気なのでしょうか?

上まぶたが垂れ下がり、正常な位置まで上がらなくなってしまう病気です。まぶたが黒目にかかってしまうので上方や外側の視界が狭くなり、ものが見えにくくなるなどの症状が起こります。また、見えにくいために無理にまぶたを上げようと額(おでこ)に力を入れ続けていることで、目の疲れ、首や肩こり、頭痛、不眠、自律神経失調症などを引き起こすこともあります。眼瞼下垂はれっきとした病気であり、保険適用で手術が可能なのですが、治療できるものと認識していなかったり、美容整形手術と勘違いしていたりする人も多く、患者さんの数が多いにもかかわらず手術を受ける人はまだ少ないのが現状です。

― 何が原因で発症するのでしょうか?

約9割は加齢によるもので、患者さんのほとんどが60歳以上の方です。しかし近年、60歳未満の方でもハードコンタクトレンズを長期間にわたり使用し続けることで発症するケースが増えており、20年程度使用した人は使用しない人と比べて20倍も発症リスクが高いというデータもあります。
その他の原因としては、白内障手術や緑内障手術などの内眼手術、重症筋無力症などの内科疾患、脳動脈瘤による動眼神経麻痺などから引き起こされるケースがあげられます。また、まぶたを動かす筋肉が未発達なことによる先天性の眼瞼下垂は、弱視に繋がる可能性もあるので、疑わしいときはお早めに眼科を受診することが重要です。

― 具体的な治療方法について教えてください。

眼瞼下垂は点眼や内服薬などで治療できませんので、手術が必要となります。手術は症状に応じて2種類あり、加齢によりまぶたの皮膚がたるんでいる場合には「皮膚・眼輪筋切除」によりたるみを解消、まぶたを持ち上げる筋肉の問題により眼瞼下垂を起こしている場合は「ミュラー筋タッキング」でまぶたを持ち上げる力を取り戻します。皮膚と筋肉の双方に問題がある場合は、2つの手術を組み合わせて行う場合もあります。当院では、加齢、ハードコンタクトレンズの使用、内眼手術に起因する眼瞼下垂の治療に対応しており、それ以外の場合は適切な医療機関を紹介しています。

手術は片目で30分、両目でも60分程度で終了。麻酔の痛みはほとんどなし

― 手術について教えてください。

当院の眼瞼下垂手術は、炭酸ガスレーザーを使用しています。一般的なメスによる切開に比べて、手術時間の短縮、術後の腫れ・痛みの軽減、そして手術中の出血を最低限に抑えられるといった点がメリットです。レーザーは取り扱いが難しい面もありますが、患者さんの負担を減らすため、技術の習得に努めてきました。手術自体は片目の場合で30分程度、両目同時でも60分程度で終わり、特に入院の希望や必要がある場合を除き日帰りで行うことが可能です。

― 手術から治療完了まではどのような流れになりますか?

当院では土曜日を手術の日と定めており、患者さんのご都合と予約の空き具合を見ながら日程を決めます。その後、血液検査により健康状態をチェック。持病のある患者さんの場合はさらに、通院先の先生に手術の可否、服用している薬、その他の注意点などを確認します。執刀前に局所麻酔を行いますが、当院では非常に細い注射針を使用しており、麻酔時の痛みはほとんどありません。所要時間は、消毒やアイシングの時間を含めても1時間~1時間半です。手術当日は洗顔や入浴は控え、翌日もシャワーのみに留めていただきます。翌日に一度患部を確認させていただき、10日後に患部の確認と抜糸をして問題がなければ治療完了です。

― 治療を行う上で、心がけていることがありましたらお聞かせください。

目の不調や違和感を覚える原因はさまざまです。ある患者さんは目の疲れがひどく、眼瞼下垂ではないかと心配されていたのですが、お顔を拝見しても特にまぶたが下がっているようには見えません。よくよくお話を伺うと、1日に8時間も10時間もパソコンに向かっているとのこと。それは「モニターの見過ぎによるドライアイと疲れ目」ですよとお伝えしました。
また、まぶたが開けにくくなる病気には眼瞼痙攣というものもあり、眼瞼下垂とは異なります。目の異常にはいろいろな原因が考えられますので、まずは患者さんのお悩みにしっかりと耳を傾け、的確な診断を下せるよう心がけています。気になることのある方は、お気軽にご相談ください。

ドクターからのメッセージ
  • 亀澤 比呂志 院長

まぶたが下がっていることや見えにくさを自覚しつつも、手術で見た目が変わることを「今さら恥ずかしい」などとネガティブに捉えてしまう方が少なくありません。しかし私たちの平均寿命は延び、80代、90代まで生きることが当たり前になってきました。良好な視界を取り戻し、長い人生を明るく生きていくためにも、眼瞼下垂の治療は価値のあるものだと考えています。手術は見た目を良くするためではなく、あくまで病気を治すためです。心当たりのある方は、お早めに眼科を受診しましょう。

患者に負担の少ないレーザーメスによる日帰り眼瞼下垂手術
患者に負担の少ないレーザーメスによる日帰り眼瞼下垂手術

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住所
神奈川県横浜市南区別所3-8-3 クリニックビル3F
電話番号
045-731-1113
最寄駅
上大岡駅、上永谷駅、東戸塚駅
アクセス
【電車・バスでご来院の方】
どのバスも「別所宮下」バス停下車すぐそば
(1)京急・横浜市営地下鉄ブルーライン「上大岡駅」カミオ前11番バスのりばより約5分
(2)横浜市営地下鉄ブルーライン「上永谷駅」2番バスのりばより約15分
(3)JR「東戸塚駅」東口5番バスのりばより約15分
駐車場
あり(9台)
診察領域
眼科
専門医
アレルギー専門医、眼科専門医、レーザー専門医
専門外来
ドライアイ専門外来、緑内障専門外来