検査から治療までを
スムーズに。全力で
患者様の不安を取り除く
スムーズに。全力で
患者様の不安を取り除く
検査も治療も可能なかぎり即日対応。患者様を待たせず、心身の負担を減らす医療を第一としています。
- 吉良 文孝 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.052
消化器内科
目次
肝臓に中性脂肪が異常に蓄積した状態を指します。主にメタボリックシンドローム、飲酒、運動不足が原因です。特徴的な自覚症状はなく、採血により肝機能項目のAST(アスパラギン酸アミノ基転移酵素)、ALT(アラニンアミノ基転移酵素)、γ-GTP(ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ)が高い数値を示すことで疑われます。当院でも脂肪肝を心配して相談に来られるのは、職場の健康診断などで血液検査の数値に不安を覚えた方、再検査になってしまった方がほとんどです。
「脂肪肝」の正式名称である「脂肪性肝疾患(SLD)」は、原因により「アルコール性肝疾患(ALD)」と「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」に大別され、炎症と肝細胞障害を伴う重症型は「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」と呼ばれます。
ALDの主な原因は、長期の過量飲酒です。目安は純アルコール換算で男性60g/日、女性50g/日以上の摂取が続く場合ですが、日本人に多いALDH2活性低下の体質(エタノールの最終的な分解が遅い)では40g/日前後でも障害を起こし得ます。ちなみに純アルコール20gは、ビールで約500mL、日本酒で約1合、ウイスキーダブルで約60mLです。
一方MASLDは、お酒の影響が少量~なしで、肥満・2型糖尿病・脂質異常・高血圧などの心血管代謝疾患リスクを少なくとも1つ伴う脂肪肝です。甘味飲料や過食、運動不足が関与し、やせ型でも起こります。アルコール摂取量が男性30~60g/日、女性20~50g/日に及ぶと、代謝性の要因とアルコール過剰摂取が重なる「MetALD」と評価します。治療は減量(目標7~10%)に加え、運動の推奨、食生活の改善、糖尿病・脂質異常・高血圧の是正、そして飲酒量の評価・減量が基本です。定期的な血液検査やエコー検査、必要に応じて線維化評価も行います。とにかく早期の受診が肝心です。
以前は様子を見るケースが多かったのですが、一部の脂肪肝では慢性的に炎症を誘発させたり肝機能障害を引き起こしたりすることがあり、肝硬変・肝臓がんなどに進行していく可能性もあるとわかってきました。また脂肪肝の状態にあると、肝炎を始めとする他の肝臓病との鑑別が難しく、深刻な病気を見つけにくくなってしまうというリスクもあります。また、非アルコール性脂肪性疾患が非アルコール性脂肪性肝炎に進行すると、肝硬変・肝臓がんのリスクがさらに高まるため注意が必要です。
まず血液検査を行い、肝臓に関わる項目の数値に異常が見られたら、腹部エコー検査に進みます。脂肪肝になるとエコー画像で肝臓が白く見えることが多く、肝臓が肥大化するため大きく見えることもあります。
また当院では「フィブロスキャン検査」を導入しており、検査機器から出る振動や超音波の伝わり方によって、肝臓の硬さや脂肪の量などを測定することができます。フィブロスキャン検査の機器を導入しているのは、クリニックですと珍しいかもしれません。
非アルコール性脂肪性肝炎の疑いがある方、慢性肝炎の可能性がある方、肝硬変へ進展する可能性のある方などに実施します。患者様にはベッドに横になっていただき、肝臓のある肋骨あたりの肌にゼリーを塗り、プローブと呼ばれる検査機器を当てるだけです。検査中はプローブからトントンという軽い刺激を感じるかもしれませんが、痛みは一切ありません。検査は1分ほどで完了し、検査結果もその日のうちにお伝えできます。慢性肝炎や肝硬変の疑いがある場合は保険適用が可能なため、費用面での負担も大きくありません。
肥満気味の方は、まず痩せることです。患者様には「体重の7〜10%を減らしましょう」とお伝えしており、そのためにはご自身の生活習慣を見直していただかなくてはなりません。よく患者様から「肝臓のためには何を食べればいいですか?」と聞かれるのですが、気をつけなければいけないのは「食べるもの」ではなく「食べるのを控えるもの」です。お酒や甘い食べ物・飲み物の摂取が多いようであれば、減らすなりやめるなりする必要があります。あとはやはり、運動ですね。脂肪肝はエネルギー過剰な状態なので、必要な栄養は食事で補いつつ、余分なエネルギーを運動によりしっかりと消費していただく。そういったことを心がけるようお願いしています。
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