一般社団法人TREE 西馬込あくつ耳鼻咽喉科　阿久津 征利 理事長 | ドクターズインタビュー

丁寧・明瞭・清潔。健康を預かる場所として、環境づくりにこだわりました

― クリニックの特徴を教えてください。

「患者様が目で見てわかる診療」を大切にしています。耳鼻咽喉科の対象領域は洞窟のように入り組んでいて直接見られないため、綿棒で耳掃除をしすぎてしまう、副鼻腔炎が悪化しても放置してしまう、などということがよくあるのです。ですから診療では、患部を撮影し写真を一緒に見ることで、「だから抗生物質を使って治療するんだ」と、患者様に対し病状と治療への理解を促すことを心がけています。
当院はお子様が受診する機会がとても多いため、安心できるような院内の雰囲気づくりや、親御様への説明にも注力しています。環境面では、院内の衛生管理も当院が力を入れているポイントです。新型コロナウイルスの流行前から、使用済の洗浄液はディスポーザブル（使い捨て）パッケージに溜めて捨てることで、スタッフが中身に直接触れることのないよう配慮していました。

― 貴院では時間予約制を導入されていると伺いました。

新型コロナウイルスの流行をきっかけに導入しました。それまでは順番待ちのネット予約を取り入れていましたが、感染症対策と三密（密閉・密集・密接）回避の観点から、時間予約制に切り替えました。
時間予約制を導入したことで、遠方にお住まいの方も来院スケジュールを組みやすくなりました。日中も待機人数を把握でき、診療がスムーズになったと感じています。スタッフも働きやすくなりますので、患者様・医師・スタッフ全員にメリットがあると感じています。

人として優しいことが決め手。西馬込院と馬込院を支える頼もしいスタッフ陣

― 隣の馬込駅前に分院があるのですね。

2022年5月に、馬込駅から徒歩30秒の場所に「馬込駅前あくつ小児科耳鼻咽喉科」をオープンしました。当院では以前から小児科診療もしていましたが、馬込駅周辺には小児科がない状態が長らく続いておりましたし、小児科の医師がいることで提供できる診療の幅も広がるので、患者様にとってメリットが大きいと考え一念発起しました。
当院と馬込院では電子カルテを共有しています。小児科診療と耳鼻科診療それぞれの領域で協力しあって診療できるので、診てほしい内容やスケジュール等を考慮しながら両院を使い分けている患者様もいらっしゃいます。

― 貴院で勤務する医師についてお聞かせください。

当法人で常勤医師を採用する際は、医療従事者である以前に人としての優しさを持ち合わせていることを大前提にしています。患者様とご家族に対してはもちろん、一緒に働くスタッフにも優しいこと、そして当法人の理念に共感してもらえる医師を仲間として迎え入れております。
当院では、医師が診療に専念できるようクラークが同席し、その場で診療内容を電子カルテに入力します。そうすることで、医師はカルテ内の「患者」でなく目の前の「人間」としっかり対峙して、会話を重ねながら、その方にあった検査や治療をご提案できるのです。こうした日々の積み重ねが、地域の皆様から信頼されるクリニックづくりに欠かせないと考えています。

― 阿久津理事長が考える理想の将来像は、どのようなものですか。

歯科領域で浸透している予防歯科の概念を医科領域でも浸透させて、健康増進と予防医療も一気通貫して提供できる存在が理想です。当法人ではクリニックとは別にスタジオブースを所有しており、ヨガ、栄養指導、子ども向けの体操教室などの講座を開催しています。地域の皆様のクリニックに対する認識を「体調が悪いときに行く場所」から「病気にならないようケアをする場所」へと変えたいですね。
また、医師と一緒にクリニックを盛り上げる我々のスタッフ、その一人ひとりが輝ける場所を目指しています。当法人には「皆が先生になる」というテーマがあり、ご紹介した講座では当院のスタッフが「先生」として活躍しています。

― 最後にメッセージをお願いします。

当院の医師は、患者様が感じている不調や不安に寄り添いながら診療する、とにかく優しい人が揃っています。また、法人全体として、医療提供体制をさらに充実させていきたいと考えています。耳、鼻、喉の不調から日々の健康管理まで、お困り事がありましたらお気軽にご来院ください。ご家族皆様のかかりつけ医として、当院がお役に立てれば幸いです。