藤沢歯科ぺリオ・インプラント 雨宮 啓 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.130

歯科

“歯医者が苦手”な方へ薦めたい。
不安を和らげる静脈内鎮静法
“歯医者が苦手”な方へ薦めたい。<br>不安を和らげる静脈内鎮静法
藤沢歯科ぺリオ・インプラント
  • 雨宮 啓 院長
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「歯医者が怖い」「痛みが苦手」と感じている方は、年齢はもちろん、男性・女性を問わず多い。それまでに経験した辛い思いや、痛かった記憶など様々な要因が考えられるが、こうした方々にお薦めしたいのが、点滴によって静脈内に麻酔薬を投与する麻酔法「静脈内鎮静法」だ。麻酔薬を点滴し始めて2、3分で眠ったような状態になり、通常の歯科治療はもちろん、親知らずの抜歯やインプラント手術など、痛みやストレスを感じることなく治療を受けることができる。「藤沢歯科ぺリオ・インプラント」の院長で、日本歯科麻酔学会認定医の雨宮啓先生に、「静脈内鎮静法」の特徴や具体的な治療の流れ、全国的な普及に向けた取り組み等について伺った。(取材日 2024年7月16日)

歯科恐怖症、嘔吐反射、パニック障害の患者さんもストレスなく受けられる歯科治療

― 静脈内鎮静法とはどのような麻酔法なのでしょうか。

点滴によって静脈内に麻酔薬を直接投与することで、ウトウトと眠ったような状態で、痛みやストレスを感じることなく歯科治療を受けていただく麻酔法です。通常の歯科治療はもちろん、親知らずの抜歯やインプラント手術についても、患者さんが寝ている間に治療を終えることができます。今日の日本では、「歯科恐怖症(過去の歯科治療がトラウマとなって通院できない)」や「嘔吐反射(口の中に器具等を入れると反射的にえづいてしまう)」、「パニック障害(強い不安、恐怖によってパニック状態に陥ってしまう)」などが原因で歯医者に通えない方、歯科治療を苦手とされている方は、全人口の11〜12パーセントに上るというデータがあります。「痛みが怖くて通院できない」「歯医者に入った瞬間に足が震えて動けなくなる」「口腔内にミラーを入れた途端にめまいを起こしてしまう」といった患者さんが、1400万人いると報告されているのです。静脈内鎮静法は、こうした患者さんに適した麻酔法といえます。

― 静脈内鎮静法の普及の現状について教えてください。

私が千葉県内の大学病院にいた2000年代初頭には、口腔外科の手術で静脈内鎮静法が活用されることはありましたが、歯科治療の分野ではあまり普及していませんでした。高血圧をはじめとする、有病者の方々の医療安全を図るために使用することが多かったです。しかしこの20年余りで、静脈内鎮静法の認知度が増えてきたことから、静脈内鎮静下でインプラント手術をする歯科クリニックが増えてきたように思います。その背景としては、歯を失った後の治療方法としてインプラント治療が普及したこと、また、臨床の現場で活躍する日本歯科麻酔学会認定医・専門医、歯科麻酔科医が少しずつ増えてきたことが挙げられます。しかし一方で、日本歯科麻酔学会に所属する認定医・専門医は約1600人。その半数は大学病院をはじめとした大病院に勤務していますので、一般的な歯科クリニックで静脈内鎮静法を受けられる環境はまだ整備されていないのが現状です。

― 安全性や適応についてはいかがでしょうか。

当クリニックでは静脈内鎮静法を年間約1500件実施していますが、治療中に血圧や心拍数に大きな異常が認められたケースはほとんどありません。麻酔薬によるアレルギー反応のリスクはありますが、多くの患者さんに適応できる麻酔法といっていいと思います。静脈内鎮静法は15歳未満の患者さんや、妊娠されている患者さん、緑内障で眼圧の高い患者さんは適応から外れると思いますが、当クリニックでは2024年末から、15歳未満の患者さんにも適応可能な「日帰り全身麻酔手術」をスタートさせる計画です。これにより、無痛治療の選択肢がさらに広がることになります。

静脈内鎮静法を普及させ、全国でストレスなく歯科医療を受けられる環境を作りたい

― 静脈内鎮静法の具体的な流れについて教えてください。

まずはメディカルインタビュー・問診により、静脈内鎮静法が適応かどうかを判断します。血圧や脈拍など、お身体の状態を確認した上で、静脈内鎮静法のメリットやデメリットについて説明していきます。メディカルインタビューや検査の当日に静脈内鎮静法を使った治療を行うことも可能ですが、基本的には後日あらためて来院していただき、治療を進めます。
治療当日は、生体モニターを装着し血圧や脈拍数を確認。静脈路を確保し麻酔薬を点滴していくと、2、3分で眠ったような状態になり、痛みやストレスを感じなくなります。そこで実際の治療を行う歯科医師と、患者さんの全身状態を管理する歯科麻酔科医が二人一組となって治療を進めていきます。治療時間は60〜90分で、局所麻酔を用いた一般的な治療であれば2、3回の通院となる内容を、まとめて行うイメージです。治療終了後は15分〜30分ほど、院内で休憩してからお帰りいただいています。

― 先生は臨床歯科麻酔科医の専門グループ「CDAC」の代表を務められているそうですね。

「CDAC(Clinical Dental Anesthesiologist Club)」は、歯科治療における静脈内鎮静法や日帰り全身麻酔の普及拡大、認知度向上ならびに、歯科麻酔科医の育成、キャリア形成のために立ち上げたグループです。北は北海道から南は九州まで(2025年には沖縄に広がります)、90名の歯科麻酔科医がメンバーに加わって頂いております。冒頭で申し上げたように、歯科恐怖症や嘔吐反射、パニック障害などで歯科治療を受けることができない患者さんは、全人口の11〜12パーセント(1400万人超)と言われています。神奈川県近郊にお住まいの方であれば当クリニックにご相談いただければと思いますが、日本全国の患者さんが静脈内鎮静法や日帰り全身麻酔を使った歯科治療を受けていただける環境を整備したいのです。そのための“窓口”として、CDACを発展させていきたいですね。

自由診療の費用(目安)

静脈内鎮静法:55,000円(税込み) / 静脈内鎮静法 + 親知らずの抜歯(1本):110,000円(税込み)

ドクターからのメッセージ
  • 雨宮 啓 院長

歯科治療が苦手な患者さん、恐怖心を抱いている患者さんは、皆さんの想像以上にたくさんいらっしゃいます。日本歯科麻酔学会認定医・専門医は、こうした患者さんの大きな力になるはずです。悩みや不安を一人で抱えこむことなく、藤沢歯科ペリオ・インプラントやCDACに加入するクリニックに、お気軽にご相談いただければと思います。

“歯医者が苦手”な方へ薦めたい。不安を和らげる静脈内鎮静法
“歯医者が苦手”な方へ薦めたい。不安を和らげる静脈内鎮静法

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住所
神奈川県藤沢市南藤沢21-6-4F
電話番号
0466-26-8541
最寄駅
藤沢駅、石上駅
アクセス
JR 東海道本線 藤沢駅 徒歩 1分
小田急 江ノ島線 藤沢駅 徒歩 1分
江ノ島電鉄 藤沢駅 徒歩 1分
※藤沢駅前「小田急デパート」隣のビル「サンプラザ藤沢ビル」の4Fです。
診察領域
歯科、矯正歯科、歯周病科、歯科口腔外科、インプラント、ホワイトニング
専門医
歯周病専門医、口腔インプラント専門医
専門外来
歯周病専門外来、インプラント専門外来