大阪Melia眼科まぶたのクリニック 浅井 智子 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.118

眼科

加齢に伴いまぶたがたるむ
「眼瞼下垂」を、保険診療で治療
加齢に伴いまぶたがたるむ<br>「眼瞼下垂」を、保険診療で治療
大阪Melia眼科まぶたのクリニック
  • 浅井 智子 院長
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加齢に伴う皮膚のたるみや筋肉の衰えによって発症する「眼瞼下垂」。QOV(quality of vision)・QOL(quality of life)にも大きく関わる、まぶたの疾患である。欧州において「45歳以上では16パーセント超に、眼瞼下垂を含むまぶたのたるみの症状がみられる」というデータが上がっているが、日本人を含めたアジア人は骨格の関係で、欧米人よりも眼瞼下垂になりやすいといわれている。眼形成外科の分野で豊富な経験を積んできた、大阪市北区の「大阪Melia眼科まぶたのクリニック」の浅井智子院長に、眼瞼下垂の症状や原因、治療法、具体的な治療のプロセス等について伺った。(取材日 2024年2月13日)

皮膚切除術、挙筋前転術により、皮膚のたるみや筋肉の衰えをカバー

― 眼瞼下垂とは、どのような疾患なのでしょうか。

主に加齢に伴って「まぶた(眼瞼)」が持ち上がりにくくなり、垂れ下がってくる(下垂)疾患です。症状としては、目が開けにくくなったり、まぶたが黒目にかかることによって視界の上の方が見づらくなったりします。また、人から「眠たそう」「疲れてるの?」と言われる、眼精疲労や肩こりの症状が出るなどで発症に気づく患者さまも多いですね。
眼瞼下垂の原因は、大きく分けて二つあります。一つは、まぶたの皮膚のたるみ。もう一つは、まぶたを引き上げる機能を担う“眼瞼挙筋”と呼ばれる筋肉の働きが弱くなることです。バンジージャンプのロープを思い浮かべていただきたいのですが、ロープの芯にあたるゴムの部分が眼瞼挙筋で、ゴムをコーティングしている布の部分が皮膚に当たります。加齢によって眼瞼挙筋が衰えてくると、ゴム特有の伸び縮みする力も弱くなります。また、皮膚にたるみが生じると、ゴムの力を十分に生かしきれなくなり、ロープが伸びたままになってしまうんです。これが眼瞼下垂の大まかなイメージです。

先ほども触れたように加齢の影響が非常に大きいのですが、ハードコンタクトレンズを長年使用されている方や、アトピー性皮膚炎やアレルギー、結膜炎などの影響で頻繁に目を擦る方が発症しやすい傾向にあります。また日本人を含めたアジア人は、まぶたが目にかかりやすい形状をしている方が多く、若いうちでも額に力を入れて引き上げないと、まぶたが十分に上がらないというケースもあります。

― どのような治療法があるのでしょうか。

手術による治療が中心となります。皮膚のたるみが原因の場合には「皮膚切除術」を行います。これは、まつ毛の数ミリ上のライン、もしくは眉毛の下のラインに沿ってたるんだ皮膚を切除する治療法です。一方、眼瞼挙筋の衰えが原因の場合には、「挙筋前転術」を採用します。これはまぶたの皮膚やその裏側を切開して、眼瞼挙筋や挙筋腱膜(眼瞼挙筋につながる、まぶたの引き上げを担う腱膜)、ミュラー筋(眼瞼挙筋の奥にある薄い筋肉。交感神経によって動く)のいずれか、もしくは、これら全てをまぶたの前の方に縫い付けることで、まぶたを引き上げる力を強くする術式です。

手術時間は40〜60分。細かな調整により保険診療でも納得の仕上がりを

― 具体的な治療の流れについて教えてください。

手術では局所麻酔を使用しますので、まずは血液検査によって体の異常、感染症の有無などをチェックします。また、抗凝固薬・抗血小板薬など、出血リスクの高い薬を内服されている患者さまに関しては、主治医の先生と連携し、服薬を中止するか否か等の判断を行い、適切な準備を進めます。手術当日は点眼麻酔をして目の周囲を消毒した上で、まぶたの皮膚や筋肉に局所麻酔を注射。痛みを感じやすい患者さまや緊張しがちな患者さまには、鎮静剤や笑気麻酔を組み合わせて眠った状態で手術することも可能です。

― 手術に要する時間や心掛けていること、ダウンタイムについて聞かせてください。

皮膚切除法の場合も挙筋前転法の場合も、眼瞼下垂の手術は両眼合わせて40〜60分程度で完了します。顕微鏡を使って筋肉の繊維や神経の走行を細かく見ながら進めていきますが、術後の腫れや内出血を抑え、ダウンタイムを短くするためにも、組織の位置をしっかりと確認し、余分な傷や出血をできるだけ少なくするように心掛けています。なお、手術当日は傷口をガーゼで覆った状態でご帰宅となります。上の方が見づらくなるので車の運転は控えていただいておりますが、公共交通機関を使えばお一人で帰宅することもできます。シャワー・洗顔・洗髪に関しては手術翌日から、入浴は概ね3日後から可能です。腫れや内出血は1〜2週間程度で引きますが、まぶたが開きやすくなるので一時的にドライアイが起こるケースもあります。

― 手術後の通院についてはいかがでしょうか。

基本的には腫れが引いてくる術後1〜2週間に合わせてご来院いただき抜糸となりますが、目が十分に開かない、逆に大きく開き過ぎる場合には、糸をかける位置を調整する処置を行います。手術中も目の開き具合を確認しているのですが、麻酔が効いている間は筋肉の状態が普段とは違うので、どうしても仕上がりが読めない部分があるんですね。調整を行った場合ダウンタイムが長引くことにはなりますが、よりご納得いただける仕上がりになります。

ドクターからのメッセージ
  • 浅井 智子 院長

二重(ふたえ)の幅を細かくオーダーして、できるだけパッチリした目にしたいというご希望があれば自費診療をお勧めしますが、眼瞼下垂の症状を改善し、目の機能を回復することを目的とする治療には保険診療が適用となります。ご高齢の患者さまなど美容外科に対してある種の抵抗感をお持ちの方にも、安心して眼瞼下垂の治療を受けていただきたいですね。また眼瞼下垂の他、逆さまつげ、ものもらいといったまぶたの病気はもちろん、花粉症や結膜弛緩(白目のたるみ)、ドライアイなど眼球の診療も行っています。眼やまぶたにお悩みをお持ちの方は、是非お気軽にご相談ください。

加齢に伴いまぶたがたるむ「眼瞼下垂」を、保険診療で治療
加齢に伴いまぶたがたるむ「眼瞼下垂」を、保険診療で治療

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診察領域
アレルギー科、形成外科、美容外科、眼科
専門医
眼科専門医