おおた循環器内科エコークリニック 太田 光彦 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.181

循環器内科

自覚症状の乏しい「心臓弁膜症」の
診断は、心エコー検査がカギ
自覚症状の乏しい「心臓弁膜症」の<br>診断は、心エコー検査がカギ
おおた循環器内科エコークリニック
  • 太田 光彦 院長
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「心臓弁膜症」は、血液の逆流を防ぐ心臓の弁が十分に作用しなくなることで、血流に支障をきたす疾患である。自覚症状が出にくく、重症であっても気づかず進行するケースもあるため、治療には早期発見と正確な評価が欠かせない。診断の基本は聴診とエコー検査だが、特にエコー検査は「機器を胸に当てれば誰でも同じ結果が得られる」ものではなく、技師や医師の技術が診断精度を大きく左右するという。東京都千代田区にあり、心エコーや運動負荷心エコー、各種血管エコーなど病院並みの設備を取り揃える「おおた循環器内科エコークリニック」の太田光彦院長に、心臓弁膜症と心エコー検査の重要性について伺った。(取材日 2025年11月21日)

加齢による変化と混同しがちな疾患。重症にもかかわらず気づかないケースも

― 心臓弁膜症とは、どのような疾患なのですか。

ひと言でいうと、心臓の弁に障害が起きて、本来の機能を果たせなくなってしまう疾患です。心臓は右心房・右心室・左心房・左心室という4つの部屋に分かれており、それぞれの間に血液の逆流を防止する弁が備わっています。これらの弁が開閉を繰り返すことで、血液が常に一方向に流れるよう保たれているのです。しかし何らかの原因によって弁の動きが不完全になり、血液が流れにくくなったり逆流したりすると、動悸や息切れ、胸の痛み、足のむくみ、倦怠感や疲れやすさ、場合によっては失神などの症状が現れます。これが、心臓弁膜症の基本的な特徴です。

― なぜ心臓の弁に障害が起きるのでしょう。

加齢に伴い弁が硬くなって開閉が不十分になるケースのほか、リウマチ熱など疾患の後遺症により弁が開きにくくなるケース、弁をつないでいる「ひも(腱索)」が切れて弁が閉じなくなってしまうケース、先天的な構造異常によって発症するケースなど、原因はさまざまです。若年、中年でも発症する可能性のある疾患ですが、有病率は年齢とともに上昇します。2006年のやや古いデータに基づく推計となりますが、日本人の総人口において65〜74歳で約148万人(有病率8.5%)、75歳以上では推定245万人(同13.2%)の潜在患者がいるとされています (「Nkomo VT, et al. Lancet. 2006;368:1005-11.」及び「総務省統計局『人口推計(令和2年4月報)』」より)

― 自覚症状がない方も多いそうですね。

心臓弁膜症は軽症・中等症・重症に分けられますが、前述のような症状が現れるのは中等症以上です。気がつくまで時間がかかる上に、「すぐに手術を受けた方がいい状態なのに、自覚症状がまったくない」という患者様もいらっしゃいます。
症状が気づかれにくい原因としては、「加齢に伴う体の変化」と混同されがちなことが挙げられます。あるいは、日常生活において息切れなどを抑えるため無意識に運動量を減らしてしまった結果、症状を自覚できず医療機関への受診が遅れるケースも少なくありません。またコロナ禍以降、接触を減らすために聴診を避ける傾向が高まったことが、心雑音を見逃す一因となっている可能性もありますね。

― 心臓弁膜症と診断された場合、どのように治療を進めるのでしょうか。

重症かつすでに症状がある場合は、外科手術もしくはカテーテル治療が基本です。安定的な実績を上げていて、すぐに手術ができる病院を紹介します。一方、重症でも症状のない方や軽症〜中等症の方は、薬物療法を併用しながら定期的な経過観察及び検査(軽症は2〜3年ごと、中等症は1〜2年ごと、重症は半年ごと)を行い、手術の必要性やタイミングを見逃さないようフォローアップを続けていきます。なお薬物療法の目標は、心不全や心臓弁膜症の症状を緩和することです。薬によって弁が元通りの状態に戻ることはありません。

正確な検査には「高精度な機器、技師の描出力、医師の読影力」の全てが必要

― 症状を自覚しづらい疾患ならば、検査による早期発見が重要ですね。

心臓弁膜症の治療で重要になるのは、疾患を早く正確に見つけ、進行状況を継続的に追っていくことです。その要となるのが「聴診」と「心エコー検査」です。心エコー検査は、超音波を用いて心臓の動きをリアルタイムで観察し、心臓の4つの部屋と4つの弁の状態を評価します。
なお、被ばくなどの心配がなく繰り返し検査を行えることや、検査後すぐに結果説明ができるのが、心エコー検査の大きなメリットです。当院ではAI搭載のエコー機器とともに、心臓の最適な断面を描出するために心エコー専用ベッドを導入しました。プローブ(超音波を体表から照射するための機器)を適切な位置・角度で当てやすく、より正確な検査ができる環境を整えています。ただし、早期発見のためには「良い装置があれば十分」というわけではありません。

― どうしたら正確な検査結果が得られるのでしょうか。

心エコー検査の精度は、担当する技師の技術によって大きく左右されます。心臓は体の奥で三次元的に動いており、正確な断面を正確な角度で捉えなければ、弁の開閉や逆流の程度は適切に評価できません。つまり、機器を胸に当てれば誰でも同じ結果が得られる検査ではなく、技師の経験・習熟・描出力がそのまま診断の質に反映されるのです。ちなみに当院では2025年12月現在、学会発表や症例経験を積み重ねてきた熟練の技師が2名常勤しており、私自身も日本超音波医学会超音波専門医です。高精度の検査を安定的に実施するためには、精度の高い機器に加え、技師と医師の力が不可欠です。

ドクターからのメッセージ
  • 太田 光彦 院長

心臓弁膜症は、症状が出てからの受診では手術が必要になる可能性が高くなります。健診での異常や小さな違和感を放置せず、循環器内科医による聴診と心エコー検査を受けてみてください。また動悸や息切れがあったら、呼吸器の問題を疑うだけでなく、心臓の疾患である可能性も考えていただきたいです。当院では、紹介状なしでの初診・検査にも対応しています。専門的な検査を受けて、安心感につなげてください。

自覚症状の乏しい「心臓弁膜症」の診断は、心エコー検査がカギ
自覚症状の乏しい「心臓弁膜症」の診断は、心エコー検査がカギ

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電話番号
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最寄駅
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診察領域
内科、循環器内科、予防接種、健康診断
専門医
総合内科専門医、循環器専門医、超音波専門医