皮膚科と形成外科の専門医が一緒に届ける、患者さんのための治療
ワキガ手術の実績は日本トップクラス。わき多汗症のボトックス治療(保険適用)にも対応しています。
- 濵口 雅光院長
頼れるドクターが教える治療法vol.119
皮膚科
目次
ワキガ特有の不快な臭気は、腋毛の下にある「アポクリン腺」と呼ばれる汗腺から出る汗が、皮膚表面の常在菌と反応・分解されることによって生み出されます。アポクリン腺は誰の体にも存在しますが、ワキガ体質の方はアポクリン腺の数が多く、そこから分泌される汗の量も多くなるため、腋から強い匂いが発せられるのですね。ワキガは男性では中学生〜高校生、女性では小学校高学年〜中学生と、第二次性徴を迎える時期に発症するケースが多いのですが、赤ちゃんや小さな子どもにワキガ患者がいないのは、アポクリン腺がまだ発達していないからです。日本人の約10パーセントがワキガ体質といわれていますが、この形質は優性遺伝するので、両親のどちらかがワキガ体質であれば高い確率で子どもに引き継がれることが知られています。
いえ、ワキガは必ずしも多汗を伴うわけではありません。多汗症は、全身に分布する「エクリン腺」という体温調節のための汗腺から、大量の汗が分泌される症状を指します。ワキガはアポクリン腺から分泌される汗が原因ですから、メカニズムが全く違うんです。ただし、ワキガと多汗症を併発している場合の方が、エクリン腺から分泌された汗が気化する際にワキガ特有の匂いが拡散し、強く感じられやすいのも確かです。
保険診療では、あとで詳しくお話しする「皮弁法(反転剪除法)」。自費診療では、高周波による熱でアポクリン腺を破壊する「ミラドライ」や「ビューホット」、超音波によってアポクリン腺を破壊する「超音波法」、腋に開けた小さな穴から細い管を挿入してアポクリン腺を吸い取る「吸引法」、「ボトックス注射」や「制汗剤」によって汗を抑える治療法などがあります。手法は実に様々ですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。ミラドライやビューホットを例にとると、手術による傷跡が残らず、ダウンタイムが短いというのが大きなメリットです。その反面、アポクリン腺を完全に破壊し切れず、思ったような効果が得られなかったというケースもあり、当クリニックにも度々そのような患者さまからのご相談があります。
腋毛の生えている部分の皮膚をシワに沿って切開(男性で5cm、女性で4cm程度)し、皮膚と筋膜の間の脂肪層を剥離翻転させた上で、アポクリン腺を目でみながらハサミで切除する治療法です。皮弁法の最大のメリットは、アポクリン腺を確実に除去できる点にあります。一度除去したアポクリン腺は再生しないので、ワキガ臭に悩まされることは二度とありません。デメリットとしては切開の跡や色素沈着が残る点が挙げられますが、形成手術などによって傷跡を目立たなくすることも可能です。
まずは問診とガーゼテスト(腋の汗をガーゼで拭き取り、臭いを確かめる)によって診断を行います。ワキガの診断がついて手術の適用となれば、血液検査を実施。肝臓や腎臓の機能や、糖尿病や貧血、感染症といった疾患の有無を調べて、局所麻酔手術が可能かどうかを確認します。そして問題なければ、前処置として腋毛を剃っていただいた上で、腋毛が生えていた部分にマーキングを行い、皮弁法の手術を実施します。手術に要する時間は、皮膚の切開・剥離から、アポクリン腺の除去、止血、圧迫を含め、左右合わせて約90分です。
術後数日間は、細菌感染を予防するための軟膏を染み込ませたガーゼと、こぶし大の圧迫綿を患部に当て、腕を固定して生活していただきます。ひじから下は動かせるので、ご飯を食べたり、歯を磨いたり、トイレに行ったりといった日常生活は可能ですが、患部からの出血を防ぐためにも、少なくとも術後2、3日は仕事をお休みいただき、安静をお願いしています。手術の2〜3日後、4〜5日後、8日後、2週間後に通院していただき、女性の場合は約3週間後に抜糸、切開範囲の広い男性の場合には約4週間後に抜糸となります。手術1か月後と3か月後の最終診察で問題なければ、治療完了です。ちなみに腋毛に関しては、アポクリン腺を切除する際に毛根も取り除いてしまうので、術前の約20%まで減少します。
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