ほその耳鼻咽喉科 細野 研二 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.113

耳鼻咽喉科

進化するアレルギー性鼻炎の治療。幅広い選択肢でQOLの向上を
進化するアレルギー性鼻炎の治療。幅広い選択肢でQOLの向上を
ほその耳鼻咽喉科
  • 細野 研二 院長
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Osaka Metro天神橋筋六丁目駅から徒歩1分。「ほその耳鼻咽喉科」では、アレルギー性鼻炎に対して幅広い治療を行っている。薬で症状を抑える「薬物療法」、治癒を目指せる「舌下免疫療法」、アレルギー反応を軽減する「手術療法」の中から、症状や体質に合わせて治療を提案。アレルギー検査(血液検査)には、指先から採血できる「イムノキャップ ラピッド」を導入しており、小児から高齢者まで年齢に関わらず受けられる。難病指定の好酸球性副鼻腔炎やアレルギー重症者向けの手術など、鼻科診療に豊富な経験をもつ院長の細野研二先生に、アレルギー性鼻炎の治療法と特長についてお話を伺った。(取材日:2023年9月21日)

適切な治療法の選択が重要。組み合わせによる治療効果の向上も

― アレルギー性鼻炎には、どのような治療法がありますか?

アレルギー性鼻炎の治療には、大きく3つの選択肢があります。
1つ目は「薬物療法」で、飲み薬や点鼻薬、注射などを用いて症状を抑制します。
2つ目は「アレルゲン免疫療法」。アレルゲン(原因物質)を少量ずつ体内に入れていき、アレルギー反応が起こりにくい体質へと改善する治療法です。注射もありますが、当院ではお薬を服用する「舌下免疫療法」を提供しています。
3つ目の「手術療法」は、外科手術によってアレルギー反応や症状を改善する治療法です。当院で実施しているのは、炭酸ガスレーザーによる「鼻レーザー手術(下鼻甲介粘膜レーザー焼灼術)」です。
舌下免疫療法と手術療法は、どこのクリニックでも実施しているという治療法ではありません。またスギ花粉の重症例に適用可能な注射(ゾレア)も、耳鼻咽喉科でしか取り扱えない治療です。治療法の組み合わせにより効果が向上することもあるため、当院ではこのように多くの選択肢を用意しています。

― 正しい治療を行うために必要なことは何ですか?

始めにアレルギー検査を行い、診断をつけることが必要です。
アレルギー性鼻炎には、スギやヒノキの花粉をアレルゲンとする「季節性(花粉症)」と、ダニ・カビなどのハウスダストやペットの毛・フケなどをアレルゲンとする「通年性」があり、検査でアレルゲンと反応の強さを調べることができます。
当院では、アレルギー検査として、通常の血液検査以外に、小さいお子さんにも対応可能な「イムノキャップ ラピッド」を導入しています。調べられるアレルゲンは8項目に限られますが、指先からの少量の採血で検査ができ、当日中に結果が分かります。

― 治療法の決め方について教えてください。

アレルギー検査の結果に加え、症状や重症度、お仕事内容や生活習慣、年齢によっても推奨する治療法が変わります。問診でじっくりとお話を聞き、適切な治療法を見極めなければなりません。
通常のアレルギー検査は判定に1週間程かかるため、当院の「アレルギー性鼻炎の説明冊子」を次回までに読んできていただくこともあります。次の診察までにしっかりと目を通している方が多く、治療法のリクエストも珍しくありません。こうした患者さんの希望も踏まえ、総合的に判断しています。

「薬物療法」「舌下免疫療法」「手術療法」によるアレルギー性鼻炎の治療

― 薬物療法について教えてください。また、どんな方に向いていますか?

薬物療法は、飲み薬や点鼻薬などを用いて症状を軽減する治療法。症状をコントロールするためには、花粉が本格的に飛散する前に始めること(=初期療法)が重要です。毎日の服薬が苦にならず、眠気などの副作用が出にくい人に向いています。
また重度のスギ花粉症では、注射(ゾレア)による治療が受けられます。適応には諸条件があり、接種の頻度や費用面においても手軽とはいえませんが、高い効果が期待できる新しい治療法のため、希望される患者さんは少なくありません。
これらの他には、漢方の処方も行っています。他のお薬と組み合わせて効果を高めることも可能ですし、眠気が生じないため、運転をする方や受験生にお勧めです。

― 舌下免疫療法はどのような治療で、どんな方に向いていますか?

舌下免疫療法は、体質の根本的な改善を図る治療法です。少量のアレルゲンを含むお薬を毎日服用し、アレルゲンに身体を慣らしていきます。
4年以上の継続が推奨される治療ですが、5歳から始めることが可能です。アレルギー症状による日常生活の質(QOL)の低下を予防し、また成長とともに次々とアレルギーを発症する「アレルギーマーチ」を未然に防ぐことにも繋がるため、お子さんが舌下免疫療法を受ける価値は大きいでしょう。
アレルギー性鼻炎の治療法で唯一、治癒を目指すことができ、臨床試験では約8割の患者さんに有効性が認められています。

― 手術療法についてはいかがでしょう。

くしゃみや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状は、鼻の粘膜に付着したアレルゲンに反応して起こります。その反応を抑えるためにレーザーで粘膜を変性させる鼻レーザー手術は、痛みや出血がほとんどなく、治療後すぐの帰宅が可能な治療法です。
3割負担であれば1万円程度の費用で、効果はおおむね1年間持続します。通年性アレルギー性鼻炎に適した治療ですが、花粉症で薬だけでは効果が弱い方や、妊娠中などでお薬の服用が難しい方にもお勧めします。
症状が改善しなければ、薬剤で鼻の粘膜を変性させる「化学的焼灼術」を検討し、症状の強い左右どちらか一方だけを治療することもありますね。
ここまでの治療で効果を得られない重症のアレルギー性鼻炎は、骨や神経を取り除いて症状を改善する手術の適用となるため、適切な医療機関を紹介しています。

ドクターからのメッセージ
  • 細野 研二 院長

アレルギー性鼻炎の治療は進歩し続けています。以前よりも副作用が起きにくいお薬も登場していますし、薬物療法以外の選択肢も増えているので、過去に治療を受けて手応えがなかった方でも、今ならしっかりと効果を得られる可能性があります。
選択肢が広がった分、それぞれの治療法を理解することも大切です。ご自身にとって最良と思われる治療法を選び、QOLの向上に繋げていただきたいですね。

進化するアレルギー性鼻炎の治療。幅広い選択肢でQOLの向上を
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住所
大阪府大阪市北区天神橋7丁目6-3 OsakaMetro天神橋筋六丁目ビル 4階
電話番号
06-4800-8733
診察領域
アレルギー科、耳鼻咽喉科、予防接種
専門医
耳鼻咽喉科専門医
専門外来
睡眠時無呼吸症候群専門外来、補聴器専門外来、甲状腺専門外来