手術だけでは治らない
腰痛の改善に、多職種の専門家が知見を集結
複合的な要因で引き起こされる腰痛。制限のない生活のために、各分野の専門家がきめ細かく対応します。
- 丸山 祐子 ドクター
頼れるドクターが教える治療法vol.090
整形外科
目次
セルゲル法は、劣化した椎間板内部にDiscoGel(ディスコゲル)という特殊な液体状の物質を充填することで損傷部分の修復を促し、椎間板そのもの及び、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患に由来する腰痛の改善を目指す治療方法です。
椎間板ヘルニアの治療を例に挙げると、DiscoGelに配合されているセルロースが椎間板内部をコーティングし修復することで、髄核がこれ以上外側に漏れ出なくなります。DiscoGelには髄核内の水分を引き込む作用もありますので、注入後は椎間板内部で減圧が進み、飛び出てしまった髄核が椎間板内部に少しずつ引き込まれて戻ります。また、DiscoGelそのものが椎間板内部に満たされクッション材になることから、椎間板の持つクッション機能のサポートも期待できるのです。このように「修復する」「引き込む」「満たす」の3つの作用で、脊椎疾患に起因する諸症状の改善を目指すのがセルゲル法です。
最大のメリットは、手術が不要なことと日帰り治療であることです。今までのヘルニア治療は保存療法と手術の二択で、根本原因の早期治療を目指すなら手術一択という状態でした。セルゲル法は局所麻酔をかけ注射器でDiscoGelを注入する治療法なので、施術後1時間ほど安静にすれば、その日のうちに帰宅できます。日常生活や軽作業程度なら、翌日から可能です。
セルゲル法ではメスを使わないため、全身麻酔ができない方、持病や服薬中のお薬の影響で手術ができない方でも実施可能です。手術が怖い方はもちろん、長期間仕事を休めずお困りの方も検討しやすいのではないでしょうか。
デメリットというよりも事前にご理解いただきたいことになりますが、変化を感じるまで個人差があり、早い方では3週間、長いと数か月かかるとご説明しています。DiscoGelの注入量は0.8cc程度なので、レントゲン画像では効果が分かりにくいです。また注入したDiscoGelが一時的に神経を圧迫する、あるいはDiscoGelの作用による減圧で周辺組織が引っ張られることにより、治療初期は症状が悪化したと感じることもあります。
当院での治療を検討される方はセルゲル法への期待が大きく、治療を受けた直後に劇的な効果を得られると考える方もいらっしゃいます。効果が感じられるまでに時間がかかることで不安にならないよう、丁寧な説明を心がけております。
お電話でお問い合わせをいただいた上で、提携のクリニックにてMRI撮影を行い、当院での診察日にデータをお持ちいただきます。診察は医師が30分かけて、問診、診察、ご持参いただいたデータで所見の確認を行います。その後、MRI画像を患者様と一緒に見ながら現在の病状を詳細にご説明し、治療の可否や方法などを具体的にご提案します。そのまま治療を希望される場合は別室で補足の説明を受け、同意書にご記入いただいてから治療に進みます。診察の前にまずは相談のみをご希望される方には、当院にご共有いただいたMRI画像を診て医師がレポートを作成する無料画像相談も行っています。
治療後は、治療日から1週間後、1か月後、3か月後、半年後、1年後に、痛みの変化や気がかりなどを当院のスタッフがお電話で確認します。ご希望の方には、宿泊型の腰痛特化型リハビリテーションもご提案します。
椎間板変性をきたしているすべての方です。特に椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の方は、すでに椎間板が変性していますので、これ以上悪化させないためにもご検討いただきたいですね。症状が軽い方であっても、時間の経過と共に椎間板のひび割れが進む可能性がありますので、完全に潰れる前の段階で治療を検討するのが良いでしょう。
椎間板ヘルニアは年齢やスポーツ歴に関係なく、それこそ10代でも発症することがあります。過去に椎間板ヘルニアと診断された方、過去に治療を受けたものの再発してしまった方、少なくとも3か月以上腰痛でお困りの方は相談にお越しください。
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