手術だけでは治らない
腰痛の改善に、多職種の専門家が知見を集結
複合的な要因で引き起こされる腰痛。制限のない生活のために、各分野の専門家がきめ細かく対応します。
- 丸山 祐子 ドクター
頼れるドクターが教える治療法vol.124
整形外科
目次
当院では脊椎の疾患に、「セルゲル法」という椎間板の中に針を刺して薬剤を注入し、損傷した部分を修復する治療法を推奨しています。しかし今回お話する脊柱管狭窄症・間欠性跛行・軽度すべり症等の治療法「フローレンス法」では、従来の手法とは異なり、椎間板そのものには直接の処置を行いません。主に加齢による脊柱管の変形などで神経が圧迫され、様々な腰痛症状を引き起こす疾患である脊柱管狭窄症に対して、背骨の出っ張った部分である「棘突起」の間にインプラントを挿入し、狭窄していた脊柱管を広げて症状の寛解に努めるという治療法になります。
インプラントの挿入は1~2㎝の小さな切開部分から部分麻酔で実施可能ですので、背中を大きく切ったり、靭帯を切除したりする必要がなく、心身の負担やリスクの少ない低侵襲な治療と言えます。
一番のメリットは「日帰り治療」が可能であることです。お身体への傷を最小限に抑えた低侵襲な手術ですので、麻酔も局所で済みますし、入院の必要もありません。背中には靭帯や太い神経が多数ありますが、それらを傷つけるリスクも小さくなります。
また一般的な固定術による手術ですと、術後の背骨の安定化を図るためにボルトやロッドと呼ばれる金属で固定しますので、腰の動きに多少の制限が出ます。その点フローレンス法は、背中を曲げる・ひねる・反るといった動作に制限が出ないように開発されたインプラントですので、回復後の日常生活に支障がないのはもちろん、お好きな運動を行うことも可能です。また、背骨や靭帯を切除して狭窄部を広げて内圧を下げる除圧術や、前述の固定術のような一般的な手術より治療の効果が出やすい点も、フローレンス法のメリットです。
入院や全身麻酔が必要ないのでお身体への負担は小さくなりますが、腰を1~2㎝ほど切開して器具を挿れますので無痛ではありません。もちろん術後には痛み止めを服用しますし、その痛みも通常数日で消えるものです。
また、将来的に再手術が必要になる可能性もあります。インプラントは経年劣化しますし、患者様のお身体の変化によっては挿入したインプラントが合わなくなることも考えられます。
ただし、フローレンス法を実施すると一般的な手術を5年先送りにできるとされますので、今すぐ負担の大きい手術を行うことに抵抗のある患者様にとっては、必ずしもデメリットではないと言えるでしょう。
他院で提案された手術に躊躇している患者様は、是非一度フローレンス法も検討してみてください。低侵襲で日帰り治療が可能ですので、入院を伴う手術や全身麻酔による心身への負担が懸念される高齢の患者様にもお勧めします。
また、脊柱管狭窄症による神経の圧迫が原因で下肢の筋肉に痛みやしびれが生じる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」でお悩みの方は、フローレンス法により症状がやわらぐ “前かがみ姿勢”を作ることができます。椎間板の内圧も下がり椎間孔が広がるので、足の痺れや痛みなどの症状が改善される可能性も高いです。現時点では保存療法で済んでいる患者様でも、「薬を一生服用するのは大変だな」とお感じでしたらぜひ検討していただきたいですね。
まずは電話でお問い合わせの上、診察の予約をしていただきます。ご来院時には医師がじっくりとお話を伺い、レントゲンやMRI、場合によっては骨密度や腎臓・肝臓の機能などを調べる各種検査を受けていただいた上で、フローレンス法をはじめとする適切な治療方法をご提案します。ご希望によってはその日のうちに、日帰り治療を実施することも可能です。術後約1か月には経過観察のためご来院いただき、傷口が感染を起こしていないかなどを確認します。さらに1年間、お電話で経過の確認やアドバイス等のアフターフォローを行っております。
また当院では、術後にしっかりと体を動かして筋肉をつける取り組みを推奨し、リハビリセンターも併設しています。ご希望の場合はお気軽にご相談ください。
治療箇所(https://ilclinic.or.jp/treatment/florence)
1箇所:1,400,000 円(税込 1,540,000 円)
2箇所:1,900,000 円(税込 2,090,000 円)
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