手術なしの手軽な“たるみ”治療。即効性に優れたヒアルロン酸注入
すぐに効果を実感できるヒアルロン酸の注射によるたるみ治療。皮膚科専門医が“客観的な美”を提案します。
- 貞政 裕子院長
頼れるドクターが教える治療法vol.059
美容皮膚科
目次
手術でも使われている“溶ける糸”を真皮の下に挿入し、皮膚を引っ張り上げることにより、顔のたるみを解消する治療法で、“切らないフェイスリフト”とも呼ばれています。なぜ、糸を挿入するだけでリフトアップが可能なのかというと、糸の周囲に「コグ」と呼ばれる“トゲ”のような引っ掛かりがついているからです。この「コグ」が皮下組織に引っ掛かることで、皮膚が物理的かつ直接的に持ち上げられるわけですね。また、糸を挿入すると、真皮の線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンが増加。肌の弾力性がアップすることも知られています。治療の具体的な流れに関しては、局所麻酔を行なった後、「カニューレ」という内部が空洞になった針を用いて、こめかみ付近から糸を挿入していきます。カニューレを挿入し、引き抜くと、内蔵された糸だけが皮下に残ってセッティングが完了する、という仕組みです。施術時間は、局所麻酔を打ってから30分強といったところですね。
溶けない糸を「上から下へ」挿入して逆方向に“引き上げる”。「外側から内側へ」挿入して逆方向に“引っ張る”というのが基本的なセオリーです。糸の本数に関してはさまざまな考え方があります。学会では、引っ張り上げる力を強くするために左右両側で10〜16本程度の挿入をおすすめする先生もいらっしゃいますが、私は6〜10本程度を挿入し、術後の経過を見て気になる部分があれば追加するようにしています。様子を見ながら調整することができるのもスレッドリフトのメリットの一つなんですね。ちなみに、溶ける糸には、PDO(ポリデオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA(ポリ乳酸)の3種類の素材があります。こうした素材の違いに加えて、糸の太さや「コグ」の構造によって、リフトアップ効果や持続時間、コラーゲンの増え方に違いが出るため、患者さまの状態を見て使い分けるようにしています。
一般的には2週間程度でおおよそ馴染み、2か月程度でしっかり落ち着くイメージです。合併症リスクとしては、腫れや痛み、内出血、左右差などが挙げられますが、腫れに関しては周囲から見れば「ちょっとむくんでいるのかな」という程度。痛みに関しても食事や会話をしたときに鈍痛を感じたり、洗顔の際にチクっとしたりする程度であることがほとんどです。ただ、大口を開けるとコグが外れ、糸の位置がズレてしまうリスクもあるので、術後1か月間は歯科での治療を避けることをおすすめしています。
ヒアルロン酸注射は、老化によって頭蓋骨が縮み、へこみが出てきた部分、皮膚が落ちやすくなっている部分にヒアルロン酸を注入し、その部分をふっくらさせる治療法で、足りなくなってきたものを「補う」という点に特徴があります。一方、スレッドリフトは糸によって直接「引っ張り上げる」のが特徴です。たるみの治療法という点では共通ですが、原理が全く違うんですね。最近は、まずスレッドリフトによって皮膚全体を引っ張り上げてから、それでも足りない部分をヒアルロン酸注射によって補うケースが少なくありません。強力なリフトアップ効果を期待できるのに加えて、注入するヒアルロン酸の量も抑えることができるので、非常に合理的な施術方法だと考えています。
患者さまご自身が本来持っている美しさをいかに引き出すか、という点にこだわっています。スレッドリフトやヒアルロン酸注射はあくまでも“メンテナンス”であり、患者さまを別人のように変身させる治療法ではありません。だからこそ、加齢によって生じた欠点を補ったり、美人顔の“黄金比”に近づけたりする一方で、長所はそのまま活かしてあげることが大切だと思うんですね。この点についてはカウンセリングの段階で丁寧に説明し、ご理解いただいた上で施術を行うようにしています。
そうですね。スレッドリフトは美容外科に近い施術方法ですが、“一度やったらおしまい”という類のものではありません。定期的なメンテナンスが必要ですし、たるみがなくなったからといって、お顔に関するあらゆる悩みが一気に解消するわけではないからです。たるみを取った後も、くすみやシミを含めて、お顔の状態を総合的に診察しながら、洗顔の仕方はもとより、食事や睡眠といった生活習慣のレベルからアドバイスをすることができる。この点は、皮膚科医ならではの強みといっていいでしょう。
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