お腹の悩みに広く応えられる「利用しやすいクリニック」目指す
胃と大腸の内視鏡検査に注力、肝臓専門医として肝疾患にも対応しています。
- 吉良 文孝 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.052
消化器内科
目次
肝臓に中性脂肪が沈着・蓄積し、フランス料理の“フォアグラ”のような状態になってしまう疾患です。ほとんどのケースではそこまで心配する必要はないのですが、一部の脂肪肝は慢性的な炎症を誘発し、肝機能障害の原因となるほか、肝臓の細胞の線維化が進み、肝硬変や肝臓がんに進行していく可能性もあります。また、脂肪肝による炎症によって放出される伝達物質が全身をめぐり、他の臓器の細胞や血管に炎症を引き起こしてしまうなど、全身に深刻な影響を及ぼす可能性も指摘されています。過度に不安を抱いたり恐れたりする必要はありませんが、決して放置すべきではありません。
肝臓の病気といいますと、B型肝炎、C型肝炎などの「ウイルス性肝炎」や、お酒の飲み過ぎによる「アルコール性肝障害」といったイメージを抱かれる方が多いと思います。しかしながら、最近では、過剰な飲酒歴もなく、肝炎ウイルス感染もないのにも関わらず、脂肪肝や肝炎を患う方が増加しており、「非アルコール性脂肪性疾患(NAFLD:Non-alcoholic fatty liver disease)」、そのなかでも炎症や線維化を伴い、肝硬変や肝がんに進行する可能性のある「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-alcoholic steatohepatitis)」と言われ注目されております。脂肪肝は、肥満(メタボリックシンドローム)や糖尿病、高血圧や脂質異常症と同様に、「生活習慣が原因で生じる病気(生活習慣病)」の一つとして捉え、治療を進めていくことが求められています。
そうですね。基本は腹部超音波(エコー)検査と採血検査です。超音波検査の画像の色や形、大きさなどから脂肪沈着の有無や程度のほか、肝臓がんや胆石、ポリープの有無等を確認できます。また、採血検査によってウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎といった、肝炎の原因を突き止めることできる。つまり、腹部超音波検査と採血検査を組み合わせることで、肝臓がいかなる原因で、どのように痛んでいるかを把握できるわけですね。さらに当院では、「NASH」の症例に関する判定や、肝硬変に進展する可能性のある肝臓疾患を発見するためのツールとして、「フィブロスキャン検査」を導入しています。
肝臓の位置する右側腹部上方の皮膚に“プローブ(探触子)”を当て、そこから発せられる振動と超音波の伝わり方から、「肝臓の硬さ」と「肝臓組織内の脂肪量」を測定する検査方法です。これらを数値化することで、肝臓の炎症や線維化など、肝硬変へ進展する程度や、軽度から中等度、高度に至る脂肪肝の状態を客観的に評価することができます。フィブロスキャン検査を実施しているクリニックは都内でも数える程ですが、当院では最新鋭の機器を導入しています。
一言でいえば、圧倒的な利便性です。従来、肝臓疾患の確定診断を行うためには、「肝生検」といって、肝臓の組織や細胞を採取して顕微鏡で観察する必要がありました。肝生検は、肝臓に針を刺さなくてはなりませんし、1泊2日とはいえ入院が必要ですから、患者さまにとっては非常にハードルが高い検査だったのです。これに対してフィブロスキャン検査は、入院はもとより予約も不要。4時間程度の絶食は必要ですが、検査そのものは1分もかからずに終了します。また、刺激に関してもプローブからの軽い振動を感じる程度で、痛みは全くありません。さらに、診断のみならず定期的なフォローアップに活用できるという点も、大きなメリットとして挙げられます。
治療の基本は脂肪肝の原因を取り除いていくことです。アルコールの過剰な摂取が原因で脂肪肝になってしまった患者さまには禁酒をお勧めする一方、生活習慣病が原因とみられる患者さまには食事療法や運動療法をお勧めしています。もっとも、“フォアグラ”のようになってしまった肝臓を正常な状態に戻すためには、数年単位の長い時間がかかりますので、治療が一過性のもので終わってしまっては意味がありません。そこで当院では「間食を取らないようにしましょう」「早歩きをする習慣を付けましょう」といった具合に、無理なく、長く続けられる方法をご提案しています。
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