かわぐちレディースクリニック 檜垣 博 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.047

産科

出産の感動を家族で共有。「家族立ち会い帝王切開」とは
出産の感動を家族で共有。「家族立ち会い帝王切開」とは
かわぐちレディースクリニック
  • 檜垣 博 院長
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埼玉県川口市の産婦人科「かわぐちレディースクリニック」。同クリニックの檜垣博院長が力を入れているのが「家族立ち会い帝王切開」である。かつて檜垣院長は、産婦人科医として妻の出産に携わり、帝王切開の手術を担当。自分の子どもの出産に立ち会えた時の感動、新しい生命の泣き声、重さから受けた感銘を一般の方々にも共有したいという思いから「家族立ち会い帝王切開」の仕組みを構築した。同クリニックにおいて帝王切開で出産する妊婦のうち、実に9割以上が家族の立ち会いを選択しているという。「家族立ち会い帝王切開」の特徴やメリット、医療者が留意すべきポイントについて伺った。(取材日 2021年4月19日)

帝王切開に家族が立ち会う。安全と安心を両立させる“ハッピー”な出産

― 「家族立ち会い帝王切開」とは、どのような分娩方法なのでしょうか?

文字通り、帝王切開による分娩の際、妊婦さまのご家族に立ち会っていただきます。帝王切開は、妊婦さまが一人で手術に臨むのが一般的ですが、手術を受けるのは初めてという妊婦さま、帝王切開に対して“痛い”“怖い”というイメージを抱かれている妊婦さまも多数いらっしゃいます。そのため、手術が終わるまで、ずっと一人で頑張らねばならないことに、大きな不安を感じられる妊婦さまが少なくないのです。
この点、「家族立ち会い帝王切開」は、手術中も旦那さまに手を握ってもらう、話し掛けてもらうことができるので、妊婦さまの不安が大いに和らぎます。

また、生まれたばかりの赤ちゃんはすぐにそばに来るので、自律的に呼吸できるようになるまでの蘇生処置も全て見えますし、状態が良ければ、手術中でも触ったり抱っこしたりと、出産の喜びや感動をご家族で共有していただけます。また、産声を一緒に聞くことで、旦那さまに“父性”といいますか、子どもの父親になったという感覚を持ってもらい、育児へ積極的に参加していただくきっかけにもなります。これも立ち会いがもたらす大きなメリットの一つです。

― どのような経緯で「家族立ち会い帝王切開」を発想されたのでしょう。

まず強調しておきたいのは、「帝王切開は経膣分娩の失敗ではない」ということです。帝王切開は骨盤位(逆子)や双胎妊娠のほか、経膣分娩を予定していたものの赤ちゃんの心音が悪くなったケースや、分娩が止まってしまったケースなどに実施されることが多いため、ネガティブなイメージで捉えられがちです。
しかし近年では、母体や赤ちゃんの安全を考慮して、帝王切開を選択する妊婦さまが増えており、予定帝王切開・緊急帝王切開を合わせると、国内で行われる出産の約3割は帝王切開によるものです。つまり、帝王切開はれっきとした出産方法の一つであり、経膣分娩と同様に“ハッピー”なものであって然るべきなのです。
家族立ち会い帝王切開をすることで、妊娠中の皆さまの不安を払拭したい。旦那さまと出産の記憶を共有して感動を分かち合ってほしい。そして、ご家族とともに「自分たちの出産は幸せだった」と記憶を持ち帰っていただきたいと願っています。

成功のカギは確実な麻酔管理と冷静で迅速な術中判断

― 家族が立ち会うことを踏まえて、留意していることはありますか?

手術や入院・点滴等の準備は、通常の帝王切開と基本的に同じなので、妊婦さまとご家族にとってのデメリットはありません。ご家族の方から血液などの術野は見えないようにカバーしていますし、不安にならないようにリラックスできる曲を流しています。ご家族には妊婦さまの手を握っていただき、普段と同じように話しかけていただければよい状態にしています。ただ、私たち医療者側は、不安を与えないように、電気メスを使用せずに匂いを出さないような手術をしたり、手の束縛もしないので妊婦さまが動いたりする中での手術を行うなど普段と異なる技術が求められます。また、手術中に妊婦さまから「痛い」という声があがると、ご家族との信頼関係が崩れてしまいますので、脊髄くも膜下麻酔以外に硬膜外麻酔(CSEA)を併用し、麻酔を綿密にコントロールする必要があります。

― 想定外の事態に備えておくことも大切ですね。

予定帝王切開の場合でも、周囲の組織との癒着など、実際に手術を行ってみてわかることが存在します。どんなに丁寧に手術を進めても、出血が多く輸血が必要になるケースや、母体や赤ちゃんの状態が悪く、緊急蘇生が必要になるケースが稀にありますし、さらに状態が悪ければ高次医療施設への搬送が必要になる場合もあります。その場合でも、ご家族が手術の一部始終を目にし、私たちが緊張感を持って迅速に動いていたことをご理解いただければ、術中に説明を簡略に行えるので、スピーディーかつスムーズに搬送できます。これも「家族立ち会い帝王切開」のメリットの一つです。

― 家族立ち会い帝王切開を導入するクリニックが増えるといいですね。

はい。ハードルがあるとすれば麻酔管理と、医師や助産師の理解・納得をいかに得るかという点でしょうか。最初は反対意見が多いかもしれません。特に他の手術も行う大きい病院ほど難しいと思います。しかし産科に特化した施設なら「家族立ち会い帝王切開」の仕組みを検討できると思います。当院では同様の仕組みを検討されている他施設さまに見学に来ていただき、情報を公開しています。手術の最初から最後までフルで立ち会える施設が増えて、経膣分娩で家族の立ち会い出産が多くなった流れのように、「なぜ帝王切開の立ち会いをしないのか」という雰囲気に変わっていくことを願っています。
そして、妊娠中のすべての方が不安を抱えず妊娠生活を送り、どのような出産方法でも満足いく結果に終わることを願っています。

ドクターからのメッセージ檜垣 博 院長

以前に帝王切開を経験して、怖い思いをされたことのある方、「前回の分娩は失敗だったかも」と悩んでいる方には是非、家族立ち会い帝王切開をご検討いただければと思います。「自分たちの出産は幸せである。帝王切開で良かった」という思い出を持ち帰っていただけるよう、私たちが全力でお手伝いします。

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場所
埼玉県川口市南前川2丁目4−20 MAP
電話
048-265-5290
診察領域
産科、婦人科、産婦人科、性病科、麻酔科、予防接種
専門医
産婦人科専門医、周産期(新生児)専門医、超音波専門医
専門外来
不妊症専門外来、更年期障害(女性)専門外来、女性専門外来

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