いしがみ整形外科クリニック 石神 等 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.045

整形外科

関節の痛みに有効な再生医療PRPの進化系「PRP-FD療法」
関節の痛みに有効な再生医療PRPの進化系「PRP-FD療法」
いしがみ整形外科クリニック
  • 石神 等 院長
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埼玉県川越市の「いしがみ整形外科クリニック」では、関節の痛みに対する「PRP-FD療法」を提供している。患者の血液から回復に関わる成長因子を抽出・濃縮して患部に注射し、人の持つ自然治癒力を活用する「PRP-FD療法」は、痛みの改善と同時に組織の修復を図り、病気の進行も抑制する。同院の石神等院長は、変形性膝関節症をはじめとする関節の疾患について豊富な治療実績を誇り、痛みに苦しむ多くの患者から支持されている。治療の効果と安全性を追求し患者に寄り添い続ける石神院長へ、再生医療PRPとPRP-FDの特長や期待できる効果についてお話を伺った。(取材日 2025年5月9日)

疼痛改善と同時に組織を修復。治療後のリハビリで良い状態の維持もサポート

― 再⽣医療とはどのような治療でしょうか?

再⽣医療は、体が本来持っている回復能力を引き出して組織の修復を図る医療技術です。具体的には、患者さんの血液から回復に関わるPRP(血小板中の成長因子)を抽出して製剤を作成し、痛みのある関節へ注射します。関節には血管がないため傷ついても自然回復が難しく、そうしたところに“治りやすい環境”を作ることが再生医療の役割といえるでしょう。一時的な効果に留まるステロイドやヒアルロン酸の注射とは異なり、損傷した組織を修復することで症状の進行を抑制します。手術や入院が不要ですし、ご自身の血液を利用するため副作用が少ない点も大きな特長です。当院ではPRPの成長因子を倍以上に増幅して凍結乾燥させた製剤を用いる「PRP-FD療法」を提供しています。
再⽣医療PRPやPRP-FDの効果が期待できる代表的な疾患には、変形性膝関節症があります。そのほか当院では、手の指(母指CM関節症)、肩関節(変形性肩関節症)、肘関節(テニス肘)、股関節(変形性股関節症)、腰(椎間関節性腰痛)、足関節(変形性足関節症)など、さまざまな関節の痛みに対する治療に対応しています。

― PRP-FDによる治療の流れを、詳しくお聞かせください。

初診では診察と各種検査を実施し、症状や痛みを確認して診断を行います。再生医療が適応できる疾患であれば、ご希望を伺ったうえで採血、その血液からPRP-FDを作成し、後日痛みのある部分に注射します。その後は引き続き受診していただき、痛みが改善されているか確認しつつリハビリを実施。例えば変形性膝関節症であれば、筋力訓練や歩行訓練などで可動域の改善を図ります。PRP-FDの効果の持続期間には個人差がありますが、治療直後からリハビリを行えば、数年間は症状の緩和が期待できるでしょう。痛みが少し増した場合にも、追加で注射を打つ、リハビリで様子をみるなどの対応が可能です。
“注射をしたら終わり”ではなく、良い状態を維持するために、患者さんに寄り添ってサポートを続ける。これは地域医療を担う街の医師として、大切にしていることのひとつです。

― 治療期間や費⽤について教えてください。

製剤を注射したあとは、1~2週間に1度のリハビリを3か月程度行い、状態をみながら通院頻度を徐々に減らしていきます。最終的には2~3か月に1度の通院で経過観察を行うことが多いですね。
PRP-FDは自由診療になり、費用は1回につき128,000円(税込)です。これは50mLの血液を採取した場合で、治療に必要な血液の量は患者さんによって異なります。例えば変形性膝関節症ですと、グレード1の重症度の場合は50mL、グレード2であれば100mLです。膝に負担のかかるスポーツなどをされているケースやグレード3の治療には、片膝につき150mLを必要とします。
症状に応じた適切な採血量はこちらから提案しますが、期待できる効果と経済的な状況などを踏まえ、患者さんには現実的な治療を選択していただくようにしています。

安全で効果的な治療を追求。PRP-FDは痛みの治療における有効な選択肢

― 「再⽣医療やPRP-FDをもっと多くの⼈に知ってほしい」そうですね。

再生医療やPRP-FDの認知度は徐々に高まってきましたが、未だにマイナスイメージを持つ人もいるようです。しかし私は、これまで数多くの治療経験を重ね技術を磨き、より良い効果を安全に引き出すための試行錯誤も重ねてきました。今では当院で実施している半分以上が、リピーターや当院の患者さんからの口コミで来院された方の治療です。これは多くの方が当院のPRP-FDに対し、効果と価値を感じてくださっていることの証ではないでしょうか。
患者さんと信頼関係を築き、本気で責任を持って取り組むのであれば、街のクリニックでも十分に普及できる治療法だと考えています。先入観ではなく、効果や安全性をしっかりと知ってほしいですね。

― PRP-FDを受けるかどうか、どのように判断するべきでしょうか?

安全性について納得でき、金額の折り合いがつくのであれば、再生医療やPRP-FDを選択肢として検討することは有意義だと考えます。その上で、クリニックを選ぶ際は2つの点に注意しましょう。
1つ目は、手法の違いと治療費です。再生医療ではPRP療法がよく知られていますが、PRP-FD療法はその発展形なので、一般的に治療費が高くなります。その反面、PRP-FDには成長因子がPRPの2倍以上含まれているため、効果面では優位という研究結果が報告されています。PRP療法では複数回の治療が必要となるケースもあるため、同じ費用で期待できる効果を比較することがお勧めです。
2つ目は症例数です。治療実績は医師の技量を測るひとつの基準であり、エコーガイド下(超音波画像を確認しながらの治療)で正確に患部に製剤を注入する技術があるかどうか、必ず確認してください。
この2点を比較して同様の条件であれば、リハビリの有無が治療後の経過を分けるポイントになるでしょう。

自由診療の費用(目安)

PRP-FD療法:1回 128,000円(税込)

ドクターからのメッセージ
  • 石神 等 院長

近年の再生医療やPRP-FDは、その普及と共に質が向上し、治療の幅も広がっています。当院ではさまざまな関節の痛みに対応しているため、興味をお持ちであれば一度ご相談ください。来院が難しい遠方の患者さんには、信頼できる医師の紹介も可能です。

関節の痛みに有効な再生医療PRPの進化系「PRP-FD療法」
関節の痛みに有効な再生医療PRPの進化系「PRP-FD療法」

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住所
埼玉県川越市豊田町3-11-2
電話番号
049-265-5639
最寄駅
川越駅、川越市駅、南大塚駅
アクセス
【バスでお越しの場合】
豐田町3丁目(クリニックまで420m)
豐田町2丁目(クリニックまで420m)
駐車場
あり(敷地内に23台、ニトリ様に15台)
診察領域
整形外科、リハビリテーション科
専門医
整形外科専門医
専門外来
骨粗鬆症専門外来