頼れるドクターが教える治療法vol.036
歯科
まず、虫歯の感染が歯の神経にまで及んだ場合に行う治療を「歯内療法」といいます。「歯内療法」のうち歯の神経をできるだけ残す治療が「生活歯髄療法」、神経を除去する治療が「根管治療」です。「根管」というのは、歯の根っこ部分にある、神経や血管が通っている管のこと。根管治療では、虫歯や汚染された神経、充填物など、歯の中の感染を確実に除去・消毒するとともに、再度感染しないよう緊密に封鎖していきます。建築物に喩えると、土台や基礎など、外からは見えないものの、なくてはならない部分を徹底的にきれいにすることで、建物の土台機能を維持するための治療法といっていいでしょう。
そこです。実は、この審査・診断というプロセスが最も重要であり、かつ、難しいポイントですね。この段階で間違ってしまうと、削る必要のない歯を削ってしまったり、あるいは逆に、根管治療を行う必要のある歯を放置したりといったことになりかねません。当クリニックでは、患者さまご本人の自覚症状のほか、レントゲン画像、叩いたり触ったりしたときの反応や、腫れや膿みの状態など、およそ100の審査項目をもとに診断を行い、治療方針を組み立てています。根管治療というと手技やスキルに注目が集まりがちですが、審査・診断というベースの部分が正確に行われていなければ、いくら手が器用でも意味がありません。判断の質が治療の質を大きく左右するのです。
もちろん経験は必要ですが、場数を踏むだけでは駄目だと思います。むしろ、自覚もないまま、経験という名の“暴力”を奮っていないかどうか、絶えず自問して然るべきでしょう。指摘するまでもありませんが、知識をしっかりと固めた上で治療に入らなければ、適切な審査・診断はできません。文献をしっかり読んで、「この文献には〇〇と書いてある。けれども、実際に治療に当たったら××というケースがあることがわかった―」。こうしたあり方こそが“本物の経験”であり、その積み重ねがより良い審査・診断につながります。その意味では、経験を重視しすぎるのもよくないし、頭でっかちになりすぎてもいけないということですね。
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