前向きな治療に大切な
「納得感」は、患者様
との丁寧な対話から
慢性疾患の治療から健康相談まで。感染症対策を徹底した院内で丁寧にお話を伺い、患者様に寄り添います。
- 美園おなかと内科のクリニック 北海道札幌市豊平区
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- 岡本 耕太郎 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.024
形成外科
目次
日本では聞きなれない言葉だと思いますが、アメリカでは約150年の歴史があるもので、現在、イギリスやオーストラリアなどの英語圏を中心に普及しています。足病学とは文字通り「足を診る医学」を意味していて、足のトラブル全般に対応します。切り傷、捻挫や骨折などの外傷、スポーツによる障害、胼胝(たこ)や魚の目、いぼなどのできものや水虫、巻き爪が挙げられ、スポーツ整形や整形外科、形成外科や皮膚科など多岐にわたる領域を横断的に診ることが特徴です。多くの人は風邪の諸症状や腹痛が起きたときに内科に、歯が痛いときに歯科医院に行くと思います。「足で何らかの悩みがあるときに相談できる場所」が当院だと思っていただけると良いと思います。
私は、できものやキズ、傷跡のように体表面の病気を専門に治療する形成外科医で、勤務医時代は糖尿病や動脈硬化などが原因で足に潰瘍ができた人をよく診ていました。転機となったのは、京都市の洛和会音羽病院に勤務していたときにアメリカの足病医師と出会い、指導を受けたことです。その先生から糖尿病の患者さんに繰り返し潰瘍ができてしまうのは、糖尿病によるものだけでなく、足への負担が大きく影響することなどを教わり、足のトラブルを幅広い視点で診ていく必要性と魅力に気付きました。しかし、病院に来院される患者さんの多くは症状が進行しています。より早い段階から足の悩みに対応し、少しでも多くの方の「歩けない」をなくしたいと考え、患者さんにとってより身近な外来診療と在宅医療ができる診療所を2018年に開業しました。
40代以上の中高年の方が中心で、女性の方がやや多い傾向にあります。患者さんの悩みとしては、「痛い」「しびれる」「疲れやすい」の順に多い印象がありますね。痛みの原因として最も多いのは、親指が外側に曲がる外反母趾で、他には朝起き抜けにかかとが痛む足底腱膜炎、たこや魚の目、巻き爪などが挙げられます。しびれる原因はなかなか分かりづらいのですが、足の形がもとで症状が出ている方が多いように思います。足が疲れやすくなる背景には、下肢静脈瘤や脊柱管狭窄症、扁平足などのほか、そもそも筋力が低下しているケースも見受けられます。
まずは視診や触診によって患者さんの姿勢や歩き方などを確認し、次にその方に必要な検査を行います。骨の形や位置を確認できるレントゲン撮影、筋肉やじん帯など軟らかい組織や、関節の炎症の有無を調べるのに有効な超音波(エコー)検査のほか、状況に応じて他院でのCT検査やMRI検査を受けていただくこともあります。また、骨粗鬆症の診断に必要や骨密度測定も行っています。こうした問診や検査の結果に合わせて治療方法を検討していくわけですが、その内容もさまざまで、靴の選び方や履き方、歩き方のアドバイス、ストレッチ・筋力トレーニングの指導、医療用インソールの作製、包帯を用いた圧迫療法、投薬、注射など多岐にわたります。
最も有効なのはシンプルで、自分の足をときどき見ることです。足は顔や手に比べて視界に入りづらい部分であり、気付かないうちに病気が進みやすい傾向にあります。お風呂に入っているときなどに爪の形や指の間を見て、巻き爪になっていないか、たこができていないか、水虫がないかなどを定期的にチェックすると良いでしょう。足が疲れやすい、つりやすい方は、血流のよくなっている入浴後に両方のアキレス腱を30秒ずつ伸ばしてみてください。筋肉がほぐれやすくなっているので、これだけで症状が和らぐこともあります。セルフケアに重要なのは、無理なく継続できることです。私自身、患者さんの生活様式を聞いて、できるだけその人が取り組みやすく、習慣化できるよう提案しています。
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