ソフィア横浜クリニック　玉城 貴啓 院長　 | ドクターズインタビュー

医療も介護もトータルで提供。環境の変化を抑え、認知症患者様の負担を軽減

― 貴院の特長を教えてください。

内科、循環器内科、精神科、心療内科、老年内科など幅広い専門性を有しており、それらが当院でまとめて受診できることです。高齢の患者様の不調は複数の疾患や原因に由来することが多く、加齢の影響や生活習慣病、環境の変化による精神的な負担などが合わさって、様々な形で表れます。当院では高齢の患者様が多い診療科を複数揃えており、医師間の連携もとれていますから、個々の疾患のみならず患者様をトータルに診て治療を行うことが可能です。
また当院は有床診療所ですので、入院での治療にも対応しております。社会的入院も受け付けており、「入院先が見つからない」などのご相談もいただいています。

― 所属されている医療法⼈社団「ピーエムエー」について教えてください。

1994年の設立以来、横浜市戸塚区を中心に「ソフィアグループ」として地域に寄り添った医療と介護福祉サービスを提供しています。当院はグループの基幹クリニックとして、外来診療に加え入院治療、訪問診療も行っています。私はクリニック院長として診療を行う以外にも、併設する「ソフィア横浜」という介護老人保健施設（高齢者のリハビリ施設）に施設長として毎日顔を出し、利用者様の様子を拝見しています。グループにはクリニックと介護老人保健施設、デイケア（通所リハビリテーション）、訪問リハビリテーション、認知症患者様が安心して生活できるグループホームが2か所ずつあるほか、居宅介護支援センターも運営しています。

― 内科や精神科を同時に受診できるほか、介護施設も併設とは心強いですね。

通院場所や施設が変わると、高齢の患者様、特に認知症の患者様にとって環境の変化という大きなストレスになり、状態の悪化を招きかねません。またご家族様にとっても、「新しいスタッフにまた始めから説明をしなければならない」などの負担が生じます。当院ではそういった問題を防ぐために、外来診察から訪問診療、入院治療、介護までグループ内でシームレスなサービスを提供しています。医師、看護師、介護スタッフの多職種が患者様を中心に繋がり、ご家族様にとっても拠り所となるよう一丸となって対応します。
その他にも、例えば当院で訪問診療を利用している患者様が、介護サービスとして併設のデイケアも利用している場合、医師が患者様の様子を見る機会を毎週もつことができます。このように、医療と介護が強力に連携することは、様々なメリットがあるのです。

認知症やフレイルなど、併存疾患を抱える高齢患者様の増加にも対応

― どのような症状の患者様が多いのでしょうか？

心不全や高血圧などの心疾患に加え、認知症やフレイル（加齢による心身の活力低下）、サルコペニア（筋力、運動能力の低下）などの併存疾患を抱える高齢の患者様が増加しています。複数の医療機関にかかっている方も多いので、「服用する薬が増えて困っている」などの相談もみられます。また、遠方で暮らしているご家族様が帰省の際に認知症を疑い、患者様を伴って来院されることもあります。
その他年齢にかかわらず、不眠、食欲低下、やる気が出ないなど、心の不調を訴えて来院される患者様は年々増えていますね。当院には精神科・心療内科、老年内科・もの忘れ外来があり、予約から1か月以内には受診していただくことができますし、当日受診が可能なケースもあります。

― 認知症の検査はどのようなことをするのでしょうか？

血液検査、心電図検査、レントゲン検査などの身体検査と、質問への回答や作業を行っていただく神経心理学検査、脳の萎縮や血管の梗塞を確認するためのCT検査などを実施します。早期発見・早期治療によって進行が抑えられますので、疑わしい場合は早めの検査をお勧めします。当院は横浜市の「もの忘れ検診」実施医療機関でもありますので、50歳以上で認知症の診断を受けたことがない横浜市民の患者様は、無料で認知症の簡易検査が受けられます。

― 受診を検討されている方へメッセージをお願いします。

近年、内科や外科での入院中に認知症やフレイルが進行してしまうケースが増えており、その後の転院についてご家族様からご相談いただくことが多くなっています。医療と介護を一体的に提供できる当院では、患者様とご家族様のQOL（生活の質）を改善するため、治療や今後の介護サービスの活用についてもトータルでご提案しています。また、私は市の地域ケアプラザの協力医も務めておりますので、受診前のご相談などもそちらで承ることが可能です。お気軽にお問い合わせください。