相模大野内視鏡・内科クリニック　入江 員行 院長 | ドクターズインタビュー

内視鏡検査の抵抗感を払拭し、手遅れの医療ではなく「予防の医療」を提供

― クリニック開業の背景を教えてください。

私は内科医として急性期から終末期の緩和医療までを経験しましたが、早期に発見できていれば治療ができたであろうがん患者様が、検査機会を逃したことで悲しい結果になってしまったケースを数多く見てきました。現在がんによる死因で上位を占めているのは、胃がん、大腸がん、食道がんなどの消化器系のがんですが、それらは早期発見・早期治療によって完治が見込まれる病気なのです。そこで私は、手遅れの医療ではなく予防の医療を提供したい、そして皆様の健康を維持するお手伝いをしたいと思い、2021年に内視鏡検査に注力した当院を開設しました。胃と大腸の同日検査や土曜日の検査にも対応しており、内科、消化器内科、肝臓内科に加え2024年よりアレルギー科も新設しました。

― 「通院は嫌だ」「検査は怖い」と思わせない場所にしたいそうですね。

実は私自身、医師であるにもかかわらず病院などの医療機関が怖くて苦手なのです。ですので、なるべく医療機関らしくない内装にして、クスっと笑ってもらえるようなフィギュアなどを飾っています。クリニックなので楽しい場所ではないですが、少しでも患者様の気持ちが軽くなって、受診・検査に対する不安が減ったらいいなと思っています。また、予約は必要ですが専用のトイレが付いた個室もご用意していますので、他の人と顔を合わせることなく、検査前の時間を落ち着いて過ごしてもらうこともできます。検査をきっかけに当院が患者様にとって「普段から気軽に足を運べる場所」になれるよう、細やかに環境を整えて医療を提供したいと思っています。

「終わってみれば簡単だった」と思えるよう、負担の少ない方法や薬剤を提案

― 貴院の内視鏡検査の特長を教えてください。

「ぐっすりと眠った状態」で検査を受けたい方、「苦痛を取り除く程度の状態」でご自分でも検査画面を確認されたい方など、それぞれの希望に応じた鎮静方法が提案できることです。また、胃の内視鏡検査には嘔吐反射のおこりにくい細径スコープを使用していますが、鼻に麻酔をかけてスコープを挿入する経鼻内視鏡検査も行っており、そちらは検査中に医師と会話をすることも可能です。大腸検査では事前に下剤によって腸内をきれいにする必要がありますが、約2リットルの下剤を服用するのが一般的なところ、当院では半分程度の量で高い洗浄効果を得られるものや錠剤タイプなど、流通しているほぼ全ての種類の下剤を常備しています。ご希望と体調に合わせた検査方法や薬剤を提供することで、できる限り患者様の身体に負担をかけないよう心掛けています。

― その他に、検査時に気を付けていることがあれば教えてください。

内視鏡検査に対する漠然としたイメージから不安を感じている方が多いので、使用する薬剤や器具、検査の手順について詳細に説明するようにしています。何に対して不安なのかを探り、鎮静剤の使用を提案したり、女性の患者様であれば女性医師が対応できる検査日を選んでもらったりと、物理的苦痛から精神的苦痛まで解消に努めます。「終わってみれば意外に簡単だったな」と感じてもらえれば何よりですね。
また苦痛を感じさせない検査には、医師の技量による部分も大きいものです。私はここを開院する前から内視鏡検査を専門にしており、10年以上勤めた前職では検査指導も行っていました。当院には私と同レベルの医師しかおりませんので、誰にあたっても高い水準の検査が受けられます。

― 受診を考えている患者様にメッセージをお願いします。

胃がん、大腸がんは10代でも罹患する場合がありますが、早期発見・早期治療で完治できる病気です。胃腸に違和感がある方は、年齢関係なく一度内視鏡検査を受けにいらしてください。検査に対して心配があれば、「どんな検査なのか、話だけ聞かせてほしい」と予約をとっていただいても構いません。当院では苦痛の少ない検査を提供していますので、詳細が分かれば不安も解消されるでしょう。
また、症状がなくても検査で異常が見つかる場合もあります。特に親類にがん経験者がいらっしゃる場合は、定期的に検査を受けることをお勧めします。どうぞお気軽にご相談ください。