物忘れ外来で実践、患者と家族をサポートする認知症治療
加齢に伴う心身の変化に対してきめ細かに寄り添い、認知症の早期発見、早期治療、現状維持を目指します。
- 市立病院前老年内科メモリークリニック 北海道札幌市中央区
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- 中野 正剛 院長
街の頼れるドクターたちvol.054 精神科
うつ病は「脳」の病気だと考えられています。実際、うつ病の患者さまの脳の状態を検査してみると、脳の神経細胞の活動が弱まり、血流や代謝も低下していることが少なくないのですね。「経頭蓋磁気刺激治療(Transcranial Magnetic Stimulation:以下TMS治療)」は、頭部に磁気を当て、神経細胞を微弱電流によって直接刺激することで、脳の働きを根本的に回復し、うつ病やストレスを改善する治療法です。薬物療法のような大きな副作用がほとんどなく、生活や仕事に支障をきたすことがないという点が大きなメリットといえます。
そうですよね。ただ、「TMS治療」はあくまで磁場を変化させることによって微弱電流を誘起させる治療法ですから、「電気ショック療法」とは原理が違います。新しい治療法だけに、皆さまが警戒心を抱かれるのも無理はないと思います。正直な話、私自身も「TMS治療」の話を初めて聞いたときは「何だ、それは」と。「怪しい。油断ならないものが出てきたぞ」といった印象でしたからね。しかし、論文を読んだり、専門家の話を聞いたりするうちにだんだん興味が湧いてきた。そして、自分で実践するようになって、うつ病治療の有効な選択肢になりうることを確信した次第です。
まずは正確な診断のために、「光トポグラフィー検査」を受診いただきます。これは、簡単な課題に答えてもらったときに、患者さまの脳で生じる血流変化のパターンを“見える化”する検査で、うつ病や双極性障害、統合失調症といった疾患を数値によって客観的に判別する仕組みです。当クリニックでは、この検査結果と問診、カウンセリングをもとに、患者さまの症状を総合的に診断したうえで、「TMS治療」を勧めていきます。具体的な手順としては、レーザーシステムを使って正確な治療部位をミリ単位で同定したうえで、磁気を当てていきます。治療時間は1回20分程度で、通院回数は30回を目安にしています。ちなみに、施術中はコツコツとつつかれているような刺激はありますが、痛みを感じるほどではありません。
それも特徴の一つであることは間違いありませんが、患者さまが心身の健康を取り戻し、自分らしい生活を再開できるようにするためには、情緒面といいますか、“ソフト”の部分に気を配る必要があると思っています。うつ病は「脳」の病気とはいえ、「心」を癒やす努力も欠かせないのですね。そこで当院では、患者さまが安心して、和気藹々と、気楽にコミュニケーションを取りながら、心を通い合わせることができるような信頼関係づくりを心掛けています。医者が患者さまを治療するというよりは、同じゴールを目指す同志として、一緒に治療を進める姿勢を大切にしているのです。
最初のうちは暗い顔で「しんどい、苦しい、つらい、悲しい」と漏らすばかりの患者さまも、調子がよくなるにつれてだんだん緊張が取れていき、笑顔が増えてきます。さらに、自分の生活を取り戻し、将来の見通しが立つくらいまで回復してくると、「通院するのが楽しい」という言葉を掛けていただけることがあるのですね。この「楽しい」という言葉を聞くのが、私にとっては一番嬉しい瞬間です。
地域共同体が機能しにくくなってきた今日、元気をなくしたり、精神状態が不安定になったりして、思うように生活できなくなっている方が、誰にも相談できずに一人で抱え込み、引きこもってしまうケースが増えています。食欲がない、よく眠れないといった症状が、うつ病のサインだということもありえます。少しでも身体の不調を感じたら、お気軽にご相談にいらしていただければと思います。健康の回復、生活の回復に向けて、私たちと一緒に取り組んでいきましょう。
品川メンタルクリニック 梅田院
加齢に伴う心身の変化に対してきめ細かに寄り添い、認知症の早期発見、早期治療、現状維持を目指します。
川崎市内、梶が谷駅から徒歩2分。肛門科を中心に、内視鏡検査、一般内科など幅広い疾患に対応しています。
そけい部ヘルニア(脱腸)の日帰り手術。痛みが少なく、回復も早い「ヒトツキズ腹腔鏡」を提供します。