街の頼れるドクターたちvol.010
ある一冊の本との出合いがきっかけでした。著者は外科医の宮崎亮先生。アフリカの貧しい地域での医療活動の様子や、現地の悲惨な環境などが事細かに綴られている手記です。当時、私はフランス語を専攻する外大生で医療とはまったく別の世界にいましたが、「何か役に立てることはないのか?」という考えが頭から離れませんでした。そして、2年生のときに大学を中退し、佐賀医科大学に入学。医療の世界に飛び込んだのです。
研修医として2年間、救急病院に勤務したのですが、当直明けの休みもとれずハードな勤労状況でした。そんな環境では心身ともにタフさが必要とされます。ところが私は医学部6年生のとき、水泳部の練習中に倒れ、心室性期外収縮(不整脈の一種)と診断されていました。心臓のことを考えると、医師を続けるための選択肢はごくわずか。メスを握れる医師でありたいという想いと、当時はすでに結婚していて子どもが生まれる予定だったこともあり、早期に独立を目指せる美容外科の道を選びました。
私が勤務した大手美容外科では、美容外科=ビジネスという方針で、商品を販売するような感覚で美容技術を提供していました。私にとって美容外科診療とはビジネスではなく、医療です。「自分のクリニックでは患者さんの望む治療を提供する」と強く思いながら過ごした修行時代だったと思います。独立までそれほど時間はかかりませんでしたね。
開業当時は従業員4名、16坪の小さいクリニックでした。転機は、2005年に脱毛を始めたことです。患者さんの数が一気に増加し、クリニックの規模も大きくなりました。
もうひとつは、エステサロンの開業。きっかけは『ENVIRON(エンビロン)』という化粧品の良さを患者さんにも伝えたいという、スタッフの声でした。私の予想に反して大人気となり、専門ケアを提供するためにエステサロンをオープンしたのですが、そのおかげでレーザー治療後のフォローができるようになりました。患者さんを長期的にサポートする体制にシフトできたことは、価値ある変化でした。
医療法人 ツツイ美容外科
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