社会復帰まで支援する、デイケア併設の多機能型精神科クリニック
多職種チームによる様々なアプローチで社会参加や復職をサポートする、多機能型の精神科クリニックです。
- 本田 浩一 理事長
頼れるドクターが教える治療法vol.126
心療内科
目次
r-TMS(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation/反復経頭蓋磁気刺激)療法とは、磁気エネルギーを用いて脳内の神経細胞を活性化させ、低下した脳の機能回復を図る治療です。海外では、10年以上前からうつ病の主流な治療法として認められています。日本では脳卒中の後遺症の回復を促すリハビリテーションで使用されており、うつ病治療としては近年ようやく知られるようになってきました。
うつ病は脳の前方にある、記憶や認知、意欲などに関わる「左背外側前頭前野」の機能低下に関係していることが分かっています。治療では専用の装置を頭部に当てその領域を経皮的に刺激し、脳血流のバランスを整えることで症状の改善を図ります。「沈んでいた気持ちが楽になる」「朝、スッキリと起きられるようになる」「意欲が出てくる」「活動的に過ごせるようになる」など、治療を受けた患者さんの約7割に症状の改善が認められ、そのうち3〜4割は症状がほぼ消失する「寛解」まで回復可能といわれています。
基本的には、気分の落ち込みや意欲低下を始めとしたうつ病の症状がある方にご案内しますが、その中でも複数のお薬を試しても効果が得られない方や、治療後も症状の一部が残っている「部分寛解」の方にお勧めしています。
なるべくお薬を飲まずに治療したい方にも、よく選ばれる治療法です。反対にお薬を止めることが不安な方は、薬物療法との併用も可能です。新しいお薬に切り替えるタイミングでr-TMS療法を始める方もいらっしゃいますね。
まず、治療の適応を確認します。ペースメーカーや頭蓋内クリップなど金属製の医療機器が体内に埋め込まれている方は、r-TMS療法を受けることができません。他にもてんかんの既往歴がある方や、妊娠中・授乳中の方も適応外です。
次に刺激する位置を特定し、治療を開始します。1回30分程度で、それを週3~5回、4〜6週間繰り返します。頻度は患者さんの状態に合わせて調整可能です。30回を1クールとして実施し、9回目、19回目、29回目の治療後に効果を確認。個人差がありますが、一定数の方は1クールで治療を終了できています。
臨床研究では1〜2年は再発抑制の効果があり、それ以降では再発のリスクが一定数あると報告されています。
岐阜県内のクリニックレベルでr-TMS療法を実施しているのは、現時点(2024年6月)で恐らく当院だけだと思います。そのため、遠方から来られる患者さんが少なくないですね。
また一度他院でr-TMS療法を受けた方が、継続を希望して来院されることも多いです。名古屋などの都市圏にあるクリニックと比べて、通いやすい価格であることも理由の一つでしょう。患者さんにとってメリットの多い治療法だからこそ、受診のしやすさも大切にしたいと考えています。
複数のお薬を一定期間試しても治療の効果が得られない「難治性」のうつ病は、うつ病全体の約3割に上るといわれています。そのような「手詰まり感」が否めない難治性のケースであっても、r-TMS療法では3割程度に症状の改善がみられるという研究結果があります。
当院での一例ですが、難治性のうつ病を患う40代のとある男性患者さんがいらっしゃいました。来院時は引きこもりの状態が続いており、ベッド上での生活を余儀なくされていました。しかし、治療を始めてからはベッドから出られる時間が少しずつ増加、終了時には症状が良くなったという実感と共に外に出る意欲も回復し、「就職先を探そう」と思えるまで改善しました。
r-TMS療法の導入後はこうしたケースに出合えることが増え、私自身も手応えを実感しています。
薬物療法の他に、当院では心理カウンセリングや認知行動療法、ショートケアプログラムとの併用が可能です。さらに、安定した日常を過ごすために精神科訪問看護も行っています。また姉妹院である岐南ほんだクリニックでは、生活支援のデイケアや休職者を対象に復職を目指したリワークプログラムも実施可能です。
県内では珍しい多機能型のクリニックとして、治療の選択肢と医療サービスを豊富に用意しました。画一的な治療ではなく、患者さんの症状や状態に合わせた医療を提供できるクリニックだと自負しています。
医療法人社団 蒼仁会 西岐阜ほんだクリニック 地図を見る
独自開発の「5D注⼊法」により、痩せ型でも豊かな膨らみのある魅力的なバストを提供します。
患者様に合わせて設定した治療のゴールを一緒にめざし、予防からリハビリ、再生医療まで幅広く提供します。
患者様がいつまでも笑って過ごせる社会を実現するために、内視鏡検査の技術を駆使し予防医学を推進します。