「自毛植毛」による薄毛治療。その可能性と専門院のこだわり
AGA治療・自毛植毛の専門院。最初のカウンセリングから手術までをドクターが一貫して担当します。
- 中島 陽太 医長
頼れるドクターが教える治療法vol.115
形成外科
目次
自毛植毛は、ご自身の丈夫な髪の毛を薄くなった部分に植毛する移植手術で、主にAGA(男性型脱毛症)治療に用いられています。
AGAは、アンドロゲンと総称される男性ホルモンが原因で起こりますが、アンドロゲンに反応する受容体は前頭部から頭頂部にあり、側頭部から後頭部にはありません。そのため、AGAによって前頭部から頭頂部の毛髪が細くなってしまった方も、側頭部から後頭部にかけては太い髪が残っていることも多いです。
自毛植毛の手術では、アンドロゲン受容体のない側頭部から後頭部の髪の毛を毛根から採取して、薄くなった部分に移植します。アンドロゲン受容体のない髪の毛はどこに移植されてもアンドロゲンの影響を受けないので、移植後も本来の性質を保持し、その後も髪の毛が細くなりにくいままです。
薄くなった部分をご自身の髪の毛でよみがえらせられるのは、自毛植毛の特長です。ご自身の組織を移植するので拒絶反応がなく、また、メンテナンスが不要なのもこの医療技術のメリットです。
AGAやFAGA(女性男性型脱毛症)の方の場合は、側頭部から後頭部にかけて髪の毛があれば、自毛植毛が可能です。側頭部や後頭部の髪の毛が少なくても、適量の組織を採取・移植して、全体のバランスを整える方もいらっしゃいます。
また、自毛植毛は手術や交通事故などによる傷痕、やけど痕のほか、ひげや眉毛を濃くしたい、生え際を下げたいという方にも適用できます。ポニーテールや三つ編みなどのヘアスタイルを続けたことにより、強く引っ張られていた前髪やこめかみ部分の髪の毛が抜ける「牽引性脱毛症」の治療にも用いられます。
薄毛のうちAGAについては、原因の約9割が男性ホルモンと遺伝、加齢です。生活環境や食生活、頭皮の環境などは原因の1割程度に過ぎないので、これらを改善しても大きな効果は得られないでしょう。
AGAの治療は、自毛植毛の他に、アンドロゲン受容体の働きをブロックする薬剤を使う方法があります。現在、医学的根拠が証明されている薬剤が3種類ほどあり、一般の医療機関で処方が可能です。これまでの経験上、薬剤の効果が得られやすいのは頭頂部やつむじで、生え際は効果を得にくいようですね。
AGA以外の薄毛の原因は、膠原病や抗がん剤治療、ストレスや脂漏性皮膚炎などによる脱毛です。女性の場合は甲状腺の疾患の割合が大きいです。疾患により薄毛になっている場合は、自毛植毛ではなく、要因となっている疾患の治療が重要になります。
当クリニックで行う自毛植毛は、直径1㎜以下の円柱状の機械で毛根を一つ一つくり抜いて植毛するFUE(Follicular Unit Extraction)と、皮膚の一部を帯状に採取して細かく株分けして植毛するFUT(Follicular Unit Transplantation)の2種類です。FUEの場合、10㎜四方から安全に採取できるのは約10%の5株程度です。一方、FUTは一度に2000~3000株を採取できます。
手術中は、局所麻酔と鎮静剤を併用するので痛むことはありません。術後は鎮痛剤と、感染予防の為の抗生物質を3日間内服していただきます。
毛根を採取した箇所の傷痕は、FUTであれば細い線状の縫合痕、FUEであれば米粒大の痕がくり抜いた数の分だけ残りますが、いずれも坊主頭などにしない限り、ほぼ目立つことはありません。
まず、薄毛の原因を医学的に診断します。AGAで自毛植毛が適用できるケースあれば、進行具合を予想し、どこにどれぐらいの密度で移植するかを綿密に計算して、10年20年後も違和感がないようにデザインします。その上で、1日に何株の髪の毛をどのように移植するか医学的見地からプランを検討し、FUE、FUTのメリット・デメリットと併せてご説明します。
つむじや生え際、傷痕、眉毛、ひげなど、狭い範囲の植毛にはFUEをお勧めしています。一方、広範囲で高密度な植毛をご希望の場合は、FUTが効果的です。
また、自毛植毛は日帰り手術が大半です。皮膚表面のみの太い血管や神経を傷つけない手術なので、翌日から仕事をされる方も少なくありません。
◎手術費:22万円(税込)
◎治療費:FUT 1株660円(税込) / FUE 1株990円(税込)
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