松ヶ崎駅前おくだクリニック 奥田 孝太郎 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.157

消化器内科

鎮静剤や高度な機器を、熟練の医師が活用する胃カメラ検査
鎮静剤や高度な機器を、熟練の医師が活用する胃カメラ検査
松ヶ崎駅前おくだクリニック
  • 奥田 孝太郎 院長
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「胃カメラ検査は苦しいものというイメージがありましたが、鎮静剤を使用することで、本当に楽に検査を受けていただけます」と語るのは、京都市左京区「松ヶ崎駅前おくだクリニック」の奥田孝太郎院長だ。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医である奥田院長をはじめとする経験豊富な医師が、「胃カメラは怖い」「平日は忙しいので土曜に受診したい」「女性医師が良い」などの声に応え、検査を受けやすい体制づくりを徹底的に追求している。内視鏡検査の意義や医師の技術力が問われる重要なポイント、機能性ディスペプシア等について奥田院長にお話を伺った。(取材日 2025年4月23日)

目が覚めたときに「これから検査ですか?」とおっしゃる患者さまも

― 胃カメラ検査は、どうして必要なのでしょうか?

胃カメラ検査のいちばんの目的は、胃がんの原因となる「ピロリ菌」への感染の有無を確かめること。そして、感染が認められた場合には確実に除菌治療を行い、胃がんを予防することです。ピロリ菌の検査・除菌を保険診療で行うためには、胃カメラ検査によって胃粘膜を直接観察し、「萎縮性胃炎」の有無を確かめる必要があります。萎縮性胃炎になると、ピロリ菌等の刺激によって胃粘膜に慢性的な炎症が起こります。粘膜の萎縮が進行すると胃がんの発症リスクが高くなることがわかっており、正常な胃粘膜がピンク色なのに対して、萎縮性胃炎のある胃粘膜は色が褪せ、下を走る血管が透けて見えることもあります。
胃カメラ検査をすると、こうした変化を早い段階で見極めることが可能になるのです。「胃が痛む、ムカムカする」「胸焼けする」といった症状がある方はもちろん、ご両親にピロリ菌感染歴のある方、ご自身が過去にピロリ菌の除菌治療を受けたことのある患者さまには、20代、30代のうちからの胃カメラ検査をお勧めします。

― 「つらい」というイメージもありますが、楽に検査を受ける方法はありますか?

ポイントは、「鎮静剤(静脈麻酔)」を活用することです。鎮静剤を使わない場合、喉に胃カメラを挿入する際に嘔吐反射が起きるので、どんなに経験豊富な医師が検査を行っても、しんどいことに変わりありません。一方、鎮静剤を活用すれば、完全に寝ている状態で、嘔吐反射を起こすことなく検査を行うことができます。
鎮静剤とひとくちにいっても、意識レベルを軽く落とすもの、ほぼ完全に眠った状態になるものなど種類がさまざまであり、当院では後者のタイプを使用しています。何も感じないので、目が覚めたときに「これから検査ですか?」とおっしゃる患者さまも少なくありません。
なお鎮静剤を使用すると、副作用として眠気や頭痛などの症状が起きることがあります。当院では酸素飽和度や血圧をはじめとする全身状態をしっかりとモニタリングし、安全性に十分配慮しながら検査を行っています。

― 検査前日・当日の流れについて教えてください。

検査前日は、21時までに食事を済ませていただきます。当日は朝から絶食ですが、少量の水分なら飲んでいただいて構いません。鎮静剤を使う場合は検査前に点滴のルートを取り、検査自体は3〜10分程度で完了します。その後はリカバリールームでお休みいただきますが、当院では鎮静効果が非常に短い鎮静剤を使っているため回復も速く、数分で歩けるようになります。喉に麻酔をしないので、すぐに食事を摂ることもできます。

差が出るのは「診断」の部分。近年は「機能性ディスペプシア」が増加傾向

― 医師の技術力が特に重要になるポイントはどこですか?

病変の有無を見極める「診断」の部分ですね。とりわけ若い患者さまの萎縮性胃炎や早期胃がんの診断に関しては、ピロリ菌による色調や構造の変化が分かりづらく、専門的な知識や経験がものを言います。実際、これまでピロリ菌の感染が疑われなかったけれども、当院であらためて胃カメラ検査を行ったところ萎縮性胃炎を発見、感染が認められたというケースも多々あります。
なお正確な診断結果を導くためには、医師の技術や経験に加えて、内視鏡システムそのものの性能も非常に重要です。当院では高性能な内視鏡システムを導入し、微細な病変や粘膜のわずかな変化を捉えて、早期発見・早期治療に結びつける体制を構築しています。

― 胃の疾患に関して傾向はありますか?

この20年余り、私はほぼ毎日のように胃カメラ検査を行ってきました。胃がんが見つからないとピロリ菌の除菌対象にならない時代もありましたが、10年ほど前からは萎縮性胃炎など、粘膜の変化が認められた段階から保険診療で除菌できるようになりました。こうした背景もあって、胃がんの患者さまは確実に減少していますが、最近では「機能性ディスペプシア」という病気が非常に増えてきています。
機能性ディスペプシアは、胃カメラ検査では異常が見つからないにもかかわらず、胃痛や胃もたれなどの症状が続くのが特徴です。かつては“神経性胃炎”と呼ばれていた疾患で、さまざまな要因により胃の動きに異常が起きると考えられています。胃がんや潰瘍などの消化器疾患の可能性を除外しないと処方できない薬もあるので、機能性ディスペプシアの診断・治療にも胃カメラによる検査は不可欠です。

ドクターからのメッセージ
  • 奥田 孝太郎 院長

ピロリ菌の保菌者の割合は減っていますが、絶対数としてまだまだ少なくありません。胃カメラ検査によってピロリ菌への感染の有無を確認し、除菌を行うことで、胃がんで苦しむ患者さまを確実に減らすことができます。どんなに些細なことでも構いません。気になる症状のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

鎮静剤や高度な機器を、熟練の医師が活用する胃カメラ検査
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住所
京都府京都市左京区松ヶ崎壱町田町4-5 クレスト松ヶ崎 1階
電話番号
075-712-1165
最寄駅
松ヶ崎駅
アクセス
地下鉄烏丸線 松ヶ崎駅 1番出口より徒歩1分
京都市営バス・京都バス 松ヶ崎海尻町バス停より徒歩1分
駐車場
専用駐車場あり(2台)
提携駐車場あり(ライフ松ヶ崎店第2、第3駐車場)
利用証明書が発行されますので、クリニックまでお持ちください。
診察領域
内科、消化器内科、胃腸科、内視鏡、予防接種、健康診断、人間ドック
専門医
総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、がん治療認定医
専門外来
肝臓専門外来