前向きな治療に大切な
「納得感」は、患者様
との丁寧な対話から
慢性疾患の治療から健康相談まで。感染症対策を徹底した院内で丁寧にお話を伺い、患者様に寄り添います。
- 美園おなかと内科のクリニック 北海道札幌市豊平区
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- 岡本 耕太郎 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.063
消化器内科
目次
内視鏡と呼ばれるカメラをお尻から盲腸部分まで挿入し、少しずつ引き抜きながら腸管内の様子を観察する検査です。健康診断などで実施する「便潜血検査」は、進行がんの発見には優れていますが、大腸ポリープそのものを見つける能力はありません。大腸内視鏡検査であれば、必要に応じて内視鏡先端のカメラで画像を拡大しながら腸管内を観察できるだけでなく、ポリープを見つけた場合にはその場で処置することも可能です。慢性炎症性腸疾患のように特殊な腸炎など、消化器疾患の有無を調べられるのも大腸内視鏡検査の特徴と言えるでしょう。
大腸がんをはじめとした消化器疾患を防ぐためです。大腸内にできたポリープを取り除いてしまえば、大腸がんの死亡率を大幅に下げられることがわかってきたため、検査時にポリープが見つかれば切除することが推奨されています。実際に大腸内視鏡検査を実施してポリープが見つかる方は多いですね。内視鏡検査の精度は検査する医師の手腕が大いに関係すると言われておりますが、専門医レベルの医師が検査をすると約60%の方にポリープが見つかると言われています。
日本では企業健診、人間ドック、自治体が実施するがん検診で便潜血検査を実施しており、毎年約7%の方が陽性と診断され精密検査を受診するよう勧められます。しかし、実際に精密検査を受ける方はその中の約70%に留まっています。
便秘、下痢、腹痛、トイレットペーパーに血がついているなどの症状があれば、腸管内の状態を確認するためにも検査を受けていただきたいところです。ポリープができても自覚症状はないため、40歳を過ぎたら一度は検査を受けることをおすすめします。
大腸がんは、がん罹患数の総数第1位です。がん死亡数は、男性では第3位、女性は第1位ですが、実際の死亡者数は男性の方が多いです。ですから、男性にも積極的に大腸内視鏡検査を受けていただきたいと考えています。
下剤を飲むなどの前処置で苦戦される方と、検査自体に不安を感じる方が多い印象ですね。ですが、大腸内視鏡システムも進化していて、入れやすさや操作性に加えて、画像の鮮明さも向上しています。下剤も、以前は2Lが主流でしたが、下剤1Lと水500ccと最近は少し減りました。鎮静剤をかけた状態でできる検査ですので、眠りながら検査を受けていただけます。そのため、患者さまが感じる苦痛は少なくなってきていると考えています。
当クリニックでは、「何が患者さまにとって最良なのか」を考えて、各自が行動するよう全スタッフが努めています。検査に対して不安がありましたら、遠慮なくご相談ください。
大腸内視鏡検査は、検査を担当する医師の手腕と使用する機器が、その結果へ大いに関わってきます。当院では、日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医など、消化器疾患診療に関連する資格を有している医師が、2020年に発売されたばかりの大腸内視鏡システムを使用して検査しています。特に問題がなければ検査は15分程度で終了します。
患者さまが少しでも検査を楽に受けていただけるよう配慮しています。たとえば、検査に不安を感じている方であれば、鎮静剤の使用もご提案しています。逆に鎮静剤を使用したくないと希望される方には、無理におすすめするようなことはしていません。検査当日は前処置が必要なため、少しでも快適に過ごしていただけるよう専用トイレの近い個室をご用意しています。検査終了後は、ストレッチャーに乗っていただいた状態でリカバリールームまでお連れします。
ポリープが見つかった場合の対応と次回検査までの期間は、切除したポリープの数、大きさ、性質(良性・悪性)などをもとに、日本消化器病学会ガイドラインに則って決定します。何も見つからなければ毎年検査を受ける必要はありません。
当院では、大腸内視鏡検査を受けていただいた方に、所見用紙をお渡ししています。大腸の状態、検査時に見つかった異常や行った処置について記載した文面と、腸管内部の様子を撮影した写真を載せたものです。こちらをお渡しする際に、今後の対応などをご案内します。
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