池上コスモス皮膚科　村田 奈緒子 院長 | ドクターズインタビュー

顔全体の複数の悩みにアプローチ。美容医療が初めての方にもお勧め

― フォトフェイシャル®治療について教えてください。

顔全体にIPL（Intense Pulsed Light）と呼ばれる光を照射し、シミ・くすみの原因になるメラニン色素や、赤ら顔の原因になるヘモグロビンなどの色素にダメージを与えたり、コラーゲンを作り出す線維芽細胞を活性化させたりすることで、トータルに肌の悩みへアプローチするものです。お顔の複数のトラブルをまとめて改善すると共に、美肌を実現し肌をトーンアップさせるとして人気を博しています。
フォトフェイシャル®治療の大きな特徴は、肌へのダメージや痛みが少ないことでしょう。麻酔が不要で施術後すぐにメイクもできますので、痛みに弱い方や美容医療が初めての方にもお勧めしています。通常1か月～1か月半の間隔を空けて4～5回施術し、1回の施術時間は15分ほど。日焼け後の治療は避けた方が良いため、秋から春にかけて行うケースが多いですね。

― どのような症状に効果がありますか。

フォトフェイシャル®治療の効果が期待できるのは、シミやそばかす、くすみ、赤ら顔、小じわ、ニキビやニキビ痕、毛穴の開き、ハリの衰えなどです。肝斑についてはトラネキサム酸の内服で症状を抑え、その後MELASMAモード（肝斑モード）で照射することで肝斑を刺激することなく治療することが可能です。
なお、妊娠・授乳中や紫外線過敏症、日焼け直後、てんかん、糖尿病、抗凝固薬の服用中などに該当する方は適用となりませんので、ご注意ください。

― レーザー治療とはどのような違いがありますか。

レーザー治療とフォトフェイシャル®治療の大きな違いは、照射する光の波長や強さです。レーザー治療は単一波長のレーザーをピンポイントに照射する治療であり、フォトフェイシャル®治療と比較し、メラニンやヘモグロビンを破壊するパワーが強くなります。そのため施術後のダウンタイムがあり、テープで保護する必要がでてきます。
一方フォトフェイシャル®治療は複数の波長の光を顔全体に照射することで、シミや赤みだけでなく、小じわ、毛穴の開きや肌の質感向上にも効果を発揮し、肌全体をワンランクアップさせることが可能です。
フォトフェイシャル®治療はレーザー治療よりマイルドな治療ですので、1クール4、5回の施術が必要ですが、面で顔全体を照射するため、広い範囲で多数のシミがある方、肌質を改善したい方に向いています。

院長自ら丁寧にヒアリングし機器を設定。きめ細やかな治療で満足に繋げる

― 貴院ではどのようなフォトフェイシャル®治療機器を使用していますか。

当院ではルミナス社の「Stellar M22」という機器を導入しています。一番の特徴は、波長の異なる様々な種類のフィルターを搭載しており、表皮や真皮など深度の違うシミやトラブルにアプローチできることですね。パルス幅（照射時間）やパルスディレイ（休止時間）などの細かい設定も自由です。
もう一つの長所は、均一照射が可能な点です。一般の光治療（IPL）治療機器の場合、照射の瞬間は光が強く、その後は弱くなる傾向があります。一方、Stellar M22は光の強度が均一なため、安定した施術が可能になります。加えて肌に当たる部分にはサファイヤガラスが使われており、肌を冷却しながら施術できることで、痛みやダメージの軽減に繋がっています。

― 貴院のフォトフェイシャル®治療の流れや、特徴を教えてください。

まずカウンセリングで、患者様の肌の悩み、お身体の状態について院長が丁寧にヒアリングし、フォトフェイシャル®治療の適応を判断します。悪性のシミやほくろがないか検査を行った後、院長が入念に機器の設定を行い、専門の訓練を受けた看護師が施術を担当します。美容医療で最も大切なのは、効果と安全性です。当院では画一的な設定で施術するのではなく、院長が患者様一人ひとりの肌の状態を見極め、波長やジュール数、照射の速度、治療間隔などを長年の経験に基づいて決めます。このようなきめ細かいカスタマイズを行うことで、施術の効果をできる限り引き出しているのです。
また当院は、1回の施術につき2パス・約100ショットを行っているため、さまざまねらいを組み合わせて実施することが可能です。例えば、1パス目は短い波長で表皮のシミにアプローチし2パス目では長い波長でコラーゲンを増生する、シミと赤ら顔が気になる患者様の場合は波長を部位によって変えたり、ガイドライトの接触の仕方を工夫したりしています。