自分の髪の毛を移植する、拒絶反応のない薄毛治療
薄くなった部分を自分の髪の毛でよみがえらせる「自毛植毛」で、AGAや傷痕、やけど痕などを治療します。
- 林 光輝 理事長
頼れるドクターが教える治療法vol.114
形成外科
目次
円形脱毛症や抜毛症、内分泌疾患や膠原病、抗がん剤治療の影響など、様々な原因で起こりますが、成年男性で最も多いのは、「AGA(Androgenetic Alopecia:男性ホルモン型脱毛症)」ですね。AGAは、額の生え際や頭頂部が薄くなっていく進行性の脱毛症です。その発症メカニズムを簡単に申し上げますと、「テストステロン」という男性ホルモンが、“悪玉の男性ホルモン”と呼ばれる「ジヒドロテストステロン」に変換され、毛根の毛母細胞に作用。その結果、髪の毛が自然に生えて成長し抜ける、というサイクルがどんどん短くなっていきます。一般的に髪の毛は2〜7年かけて成長し生え変わっていくのですが、AGAを発症すると、このサイクルがだんだんと短くなってきて、髪の毛が成長しきる前に、産毛のような状態で抜けてしまい、徐々に頭皮が目立つようになってきます。
一言でいえば、AGAの影響を受けにくい後頭部の「毛包」と呼ばれる組織を取って、必要な場所に移植する治療法です。初期の治療法は、後頭部の頭皮を大きく切り取りそのまま別の場所に移植するという手法だったので、不自然なものでした。20世紀後半になって、切り取った頭皮から毛包を毛根単位に切り分け、一本ずつ植えていくノウハウが確立されたことで、自然な見た目を実現できるようになりました。髪の毛を生やしたいところにピンポイントで植える、「カスタマイズ性」を活かせるようになったことは大きいですね。
当院では大きく2種類の治療法があり、後頭部の頭皮をメスで切り取り、拡大鏡を使いながら細かく切り分けて作ったドナー株を植え付ける「FUT(Follicular Unit Transplantation)」、パンチと呼ばれる器具を使って後頭部の頭皮から毛根をくり抜いて、ドナー株を採取し、それを植え付ける「FUE(Follicular Unit Extraction)」があります。「メスで切る/パンチでくり抜く」という点に注目が集まりがちですが、両者の大きな違いは、一生涯で採取できるドナー株の総数の違いです。FUEに関しては、およそ2,000〜3,000株。一方FUTに関しては、およそ5,000〜7,000株を採取可能です。AGAは加齢とともに進行していきますので、ご希望の規模や将来を考慮した上で医師と相談して計画していくと良いでしょう。
自毛植毛は、AGAの起こりにくい後頭部からドナーを取り、それをご希望の場所に移植します。そして移植した後も元々の毛根の性質が受け継がれることから、移植した毛はAGAが起こりにくい、言ってみれば「強い髪の毛」として生えてきます。
移植毛が生え揃うまでは術後1年程度の時間がかかりますが、生え揃ってしまえば特別なケアやメンテナンスが必要なく、洗髪や髪の染色、パーマなどの制限もありません。
代表的なデメリットとしては、毛根を採取した箇所の傷痕が挙げられます。FUTであれば後頭部を水平方向に走る細い線状の縫合痕、FUEであれば米粒大の痕がくり抜いた数の分だけ残りますが、いずれもある程度の髪の長さがあれば、外から見て目立つことはありません。
手術自体の副作用については、体質や諸条件により個人差はございますが、痛み、吐き気、腫れ、一時的な脱毛(ショック・ロス)等の可能性があります。
医師との相談の際に、メリット・デメリット、副作用等に関する詳細説明を受け、十分にご理解された上で手術に臨んでいただくようご留意下さい。
カウンセリングを丁寧に行うことですね。少なくとも1時間、ときには2時間以上かけてカウンセリングを行い、自毛植毛とは何かといった基本的なところから、FUTやFUEのメリットやデメリットをしっかりとご説明するとともに、患者さまが求めていらっしゃるものやご希望のデザインを伺っていきます。
自毛植毛において何よりも大切なのは、患者さまご本人に満足していただくことです。最初のカウンセリングから手術まで、可能な限り一貫して自分で担当するようにしています。当クリニックでは、1998年の開院から蓄積されたノウハウを常に共有して、患者さまの立場に立った相談・診察・治療を心掛けております。
◎手術費:22万円(税込)
◎治療費:FUT 1株660円(税込) / FUE 1株990円(税込)
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三吉博院長が20年以上積み重ねてきた信頼を基に、高度な検査と親しみやすい診療で地域に寄り添います。
大阪府堺市の小児科・発達外来。多職種で連携しながら「子どもファースト」の診療を実践していきます。