烏丸御池さくやま乳腺クリニック 佐久山 陽 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.107

乳腺科

3Dマンモグラフィの活用で乳がんの迅速かつ正確な診断を目指す
3Dマンモグラフィの活用で乳がんの迅速かつ正確な診断を目指す
烏丸御池さくやま乳腺クリニック
  • 佐久山 陽 院長
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京都市営地下鉄烏丸線烏丸御池駅から徒歩3分の「烏丸御池さくやま乳腺クリニック」は、乳がん検診、乳房精密検査に注力している。3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」の導入や提携クリニックで実施するMRI検査、微小な病変も鑑別できるマンモトーム生検など、大学病院並みの検査体制を構築している。日本乳癌学会乳腺専門医・指導医の佐久山陽(あきら)院長は、医師として30年以上のキャリアをもち、開院前に15年間在籍した乳腺クリニックでは、約20万人の診療に携わった。乳がんをはじめとした乳腺疾患全般の診断・治療に精通する佐久山院長へ、乳がん検診や3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」についてお話を伺った。(取材日:2023年8月2日)

大学病院レベルの検査体制。乳腺疾患全般を迅速に診断し、治療へ繋げる

― クリニックの特長についてお聞かせください。

当院では、乳腺の腫瘍や炎症などの乳腺疾患全般に対する診断と、手術以外の治療を提供しています。乳腺科の専門クリニックとして、大学病院レベルの精密検査ができる体制を整備しました。乳がんの早期発見に有用なマンモグラフィ(乳房全体を映し出すレントゲン検査装置)や超音波診断装置(エコー)だけでなく、近隣の画像診断専門クリニックとの提携によって、MRI検査までスムーズに実施できます。さらに、微小な病変組織の採取が可能なマンモトーム生検にも対応。症状がない方向けの乳がん検診(自費診療)はもちろん、会社や自治体の乳がん検診で要検査となった方や、しこりや痛みなどの自覚症状がある方への乳房精密検査(保険診療)もスムーズに行えるクリニックです。不安を抱えやすい“結果待ち”の時間を可能な限り減らせるよう、スピーディな診断に努めています。

― 乳がん検診とはどのような検査ですか?

乳がん検診は、乳がんの早期発見を目的とした検査です。乳がんは腫瘍が小さい初期の段階で発見できれば治りやすく、治療にかかる時間や経済的な負担もそれほど大きくなりません。
ただし初期には自覚症状がないため、定期的な検査を行うことがとても重要です。日本では40歳以上の女性に対し、マンモグラフィによる2年に1度の乳がん検診が推奨されています。
乳がんは遺伝的な要素の強い病気であることから、乳がんにかかった親族がいる方は、40歳を待たずとも一度検査を受けたほうが良いでしょう。当院の乳がん検診の患者さんは40代が中心ですが、30代の方も決して少なくないですね。

― 検査の内容と流れについて教えてください。

問診で既往歴と家族歴、気になる症状などについてお聞きしてから、検査へと進みます。
はじめに「マンモグラフィ検査」。専用の機械で乳房内部を撮影し、腫瘤(しこり)や石灰化の有無などを調べる検査です。当院では発症リスクの高い方に対して、病変をより詳細に観察できる「トモシンセシス撮影(3D撮影)」を行っています。
次に、腫瘤やリンパ節の腫れ、乳頭分泌物の有無などを確認する「視触診」。最後は、乳房全体と脇の下のリンパ節を観察する「エコー検査」です。マンモグラフィとエコーは、患者さんに合わせてどちらかを単独で行う場合もあります。
ここまでの検査では診断が難しい場合、病変部の細胞や組織を採取する「細胞診検査」や「針生検」を行うか、状況によっては「MRI検査」を受けていただくこともあります。

精密検査の診断もスムーズに。3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」を導入

― 3Dマンモグラフィ「トモシンセシス」について詳しく教えてください。

当院のマンモグラフィは、通常の撮影に加え、「トモシンセシス」と呼ばれる3D撮影に対応しています。通常のマンモグラフィは平面画像ですが、トモシンセシスでは一度の撮影で複数枚の断面画像を作成し、立体画像で乳房の状態を診ることができます。
乳房は主に脂肪と乳腺でできており、マンモグラフィでは脂肪は黒く、乳腺と病変は白く映ります。そのため乳腺の割合が多い「高濃度乳腺(デンスブレスト)」の場合、通常のマンモグラフィ(平面画像)では病変を見つけづらいという課題がありました。一方トモシンセシスは、乳房の状態を複数の画像で立体的に表現します。それによって乳腺と病変の重なりが解消され、病変の発見や良性・悪性の鑑別が行いやすくなるのです。また、早期乳がん診断のための微小石灰化に対するマンモトーム生検も、トモシンセシスですと短時間にスムーズに行えます。
費用が高額になることから、トモシンセシスを導入するクリニックはそう多くありません。しかし、詳しい検査が必要な方に対して、できるだけ時間をかけずに診断結果をお伝えするためには欠かせないのです。「最善の治療へと繋げるためにも、私がここで責任をもって診断したい」という想いから、開院時に導入することを決断しました。

― どのような方に受診してほしいですか?

どんなに小さな症状でも、不安を感じることがあれば受診していただきたいと思います。「年齢的にそろそろ検査を受けたい」「家族歴があるから念のために」という方も少なくないですよ。
乳房再建手術や豊胸手術を受けたことがある方に対する検査も、数多く経験があります。マンモグラフィの撮影ができない場合でも、エコー検査での対応が可能です。
また授乳中に起こることが多い乳腺炎の診察・治療にも力を入れており、助産院との連携による乳腺炎予防のための授乳指導も行っています。

ドクターからのメッセージ
  • 佐久山 陽 院長

私は長年、京都や滋賀で乳がんの診断・治療に携わってきました。京都市内はもちろん、それ以外の地域においても様々な先生との繋がりがあるため、手術が必要な方やご自宅から近い医療機関での治療を希望される方も、責任をもって治療へとお繋ぎすることができます。
乳腺疾患全般における検査と診断を正確かつスピーディに行えますので、乳がん検診で何らかの指摘があった方や気になる症状がある方、また一度検査を受けておきたい方もぜひご相談ください。

3Dマンモグラフィの活用で乳がんの迅速かつ正確な診断を目指す
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住所
京都府京都市中京区烏丸通六角下る七観音町630 読売京都ビル2F
電話番号
075-212-8700
診察領域
外科、乳腺科、予防接種、健康診断
専門医
外科専門医、乳腺専門医、がん治療認定医
専門外来
乳腺専門外来、セカンドオピニオン専門外来