ほその耳鼻咽喉科 細野 研二 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.081

耳鼻咽喉科

地域と病院の架け橋となる、甲状腺腫瘍の専門診療
地域と病院の架け橋となる、甲状腺腫瘍の専門診療
ほその耳鼻咽喉科
  • 細野 研二 院長
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“天六(てんろく)”の愛称で知られる「天神橋筋六丁目」駅から徒歩1分。ほその耳鼻咽喉科では、甲状腺疾患の専門診療を行っている。甲状腺の内部の状態を調べる「超音波検査」や、腫瘍の鑑別に不可欠な「穿刺(せんし)吸引細胞診」にも対応。甲状腺機能を評価する「血液検査」は、30分程度で結果が確認できる。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医であり、がん治療認定医でもある細野研二院長は、20年近く総合病院に勤務し、多様な甲状腺疾患の診断・治療を手がけてきた。穿刺吸引細胞診の実績は、1,000件を超える。自身の経験を活かして地域医療に尽くす細野院長に、甲状腺腫瘍と検査について伺った。(取材日 2022年7月28日)

定期健診で見つかることが多い甲状腺腫瘍。約90パーセントが「良性」

― 甲状腺腫瘍とは、どのような病気なのでしょうか?

甲状腺は身体の新陳代謝に関わるホルモン産生を行う臓器で、喉仏の下に位置しています。甲状腺腫瘍はその内部にできものができた状態です。初期では自覚症状がほとんどありません。そのため定期健診や人間ドックなどで偶然見つかることが多く、健康診断の受診率の向上や診断技術の進歩によって、近年では罹患数が増加しています。
甲状腺腫瘍には良性と悪性があります。良性の場合は、腫瘍が増大したり周囲の臓器を圧迫したりするなどの例外を除いて治療を必要とせず、経過観察を行います。
一方、悪性腫瘍は自覚症状を認めない時点で見つかった場合でも、腫瘍を取り除く手術が必要です。悪性腫瘍の多くは、「乳頭がん」と呼ばれる増殖がゆるやかなおとなしい性格のがんではあります。しかし首のリンパ節へ転移することが多く、手術の際に合併症を生じるリスクが高まることから、転移する前に切除します。進行して腫瘍が大きくなると、首を伸ばしたときに喉の圧迫感や息苦しさを感じることがあり、声のかすれや嚥下障害などの症状が現れます。

― 甲状腺腫瘍の原因について教えてください。

甲状腺腫瘍の原因は解明されていませんが、家系内に甲状腺疾患を持つ方がいる場合や、胸腺疾患や悪性リンパ腫等の治療などで若年期に頸部への放射線被曝歴がある場合は、通常よりも発生率が高まるとされています。
甲状腺腫瘍は約90%が良性のしこりで、その大部分が治療を必要としません。また悪性の場合でも生命に関わることはまれであり、過度に心配する必要のない病気です。
ただし、残り10%の悪性腫瘍を見落とさないため、また自覚症状のない間に転移してしまうことを防ぐために、検査を受けることはとても大切です。

― 甲状腺腫瘍を見つけるには、どのような方法がありますか?

甲状腺腫瘍の有無は、複数の検査で明らかにすることが可能です。甲状腺の腫れを確認する「触診」と、甲状腺ホルモンや腫瘍マーカーを調べる「血液検査」。エコーを用いて内部の状態を調べる「超音波検査」。そして、細胞を採取して良性か悪性かを鑑別する「穿刺(せんし)吸引細胞診」は、超音波検査後に必要に応じて行います。
一般的な耳鼻咽喉科クリニックでできるのは、触診と血液検査くらいではないでしょうか。超音波検査装置を導入していないクリニックも多いため、精密検査ができるところは少ないのが現状ですね。検査を受けるには、甲状腺内科または内分泌内科や甲状腺外科を専門とするクリニックや病院を受診することが必要です。

甲状腺腫瘍の検査体制を整備。「穿刺(せんし)吸引細胞診」にも対応

― ほその耳鼻咽喉科で取り組まれている甲状腺検査について教えてください。

診察時に「触診」「超音波検査」「血液検査」を行うことを基本としています。血液検査は、院内に検査機器を整備しており、約30分で結果が確認できます。
また悪性腫瘍が疑われる場合は、初診でも「穿刺吸引細胞診」を行っています。穿刺吸引細胞診は、エコーで甲状腺の内部の状態を映し出し、目視しながらできものに細い針を刺して細胞を吸引する検査です。できものの性質によって採取に適した場所が異なるため、診断精度に医師の経験が大きく影響する検査といえます。
私は約20年にわたって、多数の細胞診検査に携わってきました。その中で実際に顕微鏡を覗かせてもらい、病理学のドクターや細胞検査士から学ぶ貴重な経験を重ねてきたこと。また摘出した腫瘍を切断して肉眼で観察し、術前の画像検査結果と比較することで画像診断の精度向上に努めてきたこと。そうして得た知見や技能は、地域の患者さんへ還元できる当院の強みであると考えています。

― なぜ、甲状腺の検査に注力されているのでしょうか?

これまで在籍していた総合病院では、地域のクリニックから紹介されて受診する患者さんが多くいらっしゃいました。クリニックで精密検査を受けられないことが、病院の混雑を悪化させる一因になっていたのです。
そうした状況を肌で感じ、クリニックで専門的な検査ができれば、患者さんの通院の負担を減らせるのではないかと考えるようになりました。それは、病院での治療を本当に必要とする患者さんにとっても良いことで、病院の先生の負担軽減にもつながります。
私はひとつの病院での勤務経験が長く、検査から治療プランの計画、執刀、術後のフォローまで、ひとりの患者さんを長く診察する機会に恵まれてきました。この経験があれば、地域の患者さんと病院を適切につなぐ役割を担えるはずです。架け橋というと少し大げさですが、そんな存在になりたいと思っています。

ドクターからのメッセージ細野 研二 院長

甲状腺腫瘍は自覚症状を伴わないことが多いため、毎日のスキンケアの際にセルフチェックをしてみてください。頭を後ろに傾けて首の前面を触り、コリっとしたり、腫れたりしていないか確認してみましょう。
甲状腺腫瘍は約90%が良性ではありますが、残りの10%を見落とさないための検査は重要です。他の甲状腺疾患に悪性腫瘍が隠れているケースもありますので、定期健診などで何らかの所見が認められた場合は、受診をお勧めします。また甲状腺疾患を持つご家族がいる方は、健診目的でも構いませんので、ぜひ一度ご来院ください。

地域と病院の架け橋となる、甲状腺腫瘍の専門診療
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ほその耳鼻咽喉科

場所
大阪府大阪市北区天神橋7丁目6−3 OsakaMetro天神橋筋六丁目ビル4F MAP
電話
06-4800-8733
診察領域
アレルギー科、耳鼻咽喉科、予防接種
専門医
耳鼻咽喉科専門医
専門外来
睡眠時無呼吸症候群専門外来、補聴器専門外来、甲状腺専門外来

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