東京ブレスクリニック 上田 恵子 院長 | ドクターズインタビュー

メニュー

頼れるドクターが教える治療法vol.062

歯科

女性のための口臭治療。カギは生理的口臭対策にあり
女性のための口臭治療。カギは生理的口臭対策にあり
東京ブレスクリニック
  • 上田 恵子 院長
2,661 views
東京・銀座の「東京ブレスクリニック」は、女性のための口臭専門クリニックだ。「ある調査によると、中高年の男性よりも若年層の女性の方が、口臭が強いということがわかっています。誰にも打ち明けることができず、一人で悩み続けている女性は少なくないはずです。実際、カウンセリングをはじめた途端に、涙を流される患者さまも多いんですよ」。そう語るのは、同クリニック院長で日本口臭学会認定医の上田恵子先生だ。ストレスにさらされる機会が多く、生理機能が低下しやすい女性の口内環境。口臭という症状の捉え方や、病的口臭と生理的口臭の原因及び治療法の違い、具体的な治療の進め方などについて伺った。(取材日 2021年10月1日)

「気になる」が口臭症の一症状。まずは悩みを打ち明けてもらうことから

― 口臭は病気なのでしょうか。どのように捉えればよいのでしょうか。

口臭の有無や強さは別として、「自分の口臭を気にされているかどうか」「不安を感じていらっしゃるかどうか」を重要な症状の一つとして捉える必要があります。起床直後や空腹時、緊張時など、口臭が強くなるタイミングは誰にでもありますが、全く気にされない方もいれば、「周りの人たちに臭いと思われていたらどうしよう」「人と話すのが怖い」といった不安に駆られる方もいらっしゃいます。思春期のときの「ちゃんと歯を磨いたの?」という母親の一言がきっかけで口臭を気にするようになり、友人と気軽に話すことができなくなって学校に通えなくなってしまったという方もいらっしゃるんですね。
口臭は目に見えませんから、自分の息が臭いかどうかは目の前の相手に聞いてみなくてはわかりません。ただ、そんなことはなかなかできませんよね。そのため、不安はますます大きくなり、心の傷になってしまう。場合によっては、引き篭もりがちになり、“一歩引いた人生”を歩まざるを得なくなってしまうんです。

― メンタルという側面にも注意を払う必要があるということですね。

ええ。当院を訪れる患者さまのなかには、長年にわたって、こうした不安と一人で戦い、疲れ果てた末にいらっしゃる方が少なくありません。こうした患者さまにとって、いつでも安心して口臭のことを相談できる相手がいるのといないのでは気持ちが全く違ってきます。まずは、患者さまにお悩みを打ち明けていただくことが治療の第一歩です。なぜ口臭を気にされるようになったのか、日常生活のどのような時間帯にいかなる状況で気になるのか、といった点について、既往症を含めた健康状態、生活習慣、仕事での立場などとともに丁寧に伺っていきます。
口臭を気にされる背景には「他人に迷惑をかけたくない」「他人から悪く思われたくない」といった社会的な心理状態が背景となっていることが多くあります。ですから、その方の不安の強さやバックグラウンドについて正確に把握しなければ、患者さまお一人お一人に合った治療ができません。お話を伺う際は、受け答えの仕方や表情、姿勢などを観察し、生理機能への影響を把握するように努めています。

「病的口臭」と「生理的口臭」。両者の原因および治療法の違いとは

― 口臭の原因については、どのように考えればよいですか。

口臭は大きく二つに分けられます。一つは、大きな虫歯・歯周病といった歯科的な疾患のほか、慢性鼻炎や蓄膿症、慢性気管支炎、胃潰瘍、糖尿病、がんといった、内科的・耳鼻科的・呼吸器的な疾患が原因となって生じる口臭で、「病的口臭」と呼ばれます。原因となっている病気を治療すれば完治しますが、そこまでのご病気をかかえている患者さまはそれほどいらっしゃいません。なぜならそこまで重病であれば、すでにご自身で分かっていらっしゃるからです。
また、当院の基本検査では、虫歯や歯周病のチェック、尿検査で分かる病気の有無を確かめたりするのですが、長年にわたって口臭に悩まされている患者さまの多くは、歯の治療はもとより、日頃の歯磨きも完璧に行われていらっしゃるので、器質的な問題が判明するケースはあまりないですね。

― 病的口臭のほかには、どのような口臭があるのでしょう。

口腔内生理機能の悪化によって生じる「生理的口臭」です。実は口臭ガスの9割は揮発性の硫黄化合物なんです。これがいったん唾液に溶け出して気化したものが口臭のもとになるのですが、唾液の分泌量が減少したり、唾液が濁って質が低下したりすると、硫黄化合物を産生する細菌が増殖し、口臭が強くなる。例えば、不安を感じると交感神経が優位になり、粘性の高い唾液が分泌されます。これが口臭の原因となり、さらなる不安のきっかけになってしまう可能性もあるのですね。患者さまには、こうした「生理的口臭」のメカニズムを、図やイラストを交えながら徹底的に説明するようにしています。口臭が気になったとき、日常生活の中で自分で対処できるようになってもらう必要があるからです。

― 精密検査の内容や治療の仕方について聞かせてください。

精密検査ではさまざまな機器を用いて、口腔内湿潤度や唾液分泌量、唾液性状、揮発性硫黄化合物のガス濃度、ストレス度や抹消血液循環等を測定。その方の口臭が起こるメカニズムを約3時間かけて徹底的に診査・診断し、その日から安心して取り組めるように、ケア用品を使いながら治療を進めるわけですが、早い人では1か月半くらいで、口臭をコントロールできるようになり、メンテナンスに移行します。最終的には、患者さまがプラス思考を取り戻して前向きに生きられるようになったら卒業ですね。

ドクターからのメッセージ上田 恵子 院長

女性は、妊娠や育児期の精神的負担など生涯的に見てストレスを感じる機会が多く、ストレスを家族や友人にも相談できず、不安が大きくなると、治療効果についても客観的な判断ができない状態になってしまいがちです。また、神経症性障害を伴う心理的口臭症に陥ってしまうこともあります。できるだけ早期に受診いただきたいと思います。

女性のための口臭治療。カギは生理的口臭対策にあり
女性のための口臭治療。カギは生理的口臭対策にあり

東京ブレスクリニック

場所
東京都中央区銀座1丁目5−15 Deux Mille Un GINZA 5F MAP
電話
03-5250-8885
専門外来
口臭外来

新着インタビュー

MORE