前向きな治療に大切な
「納得感」は、患者様
との丁寧な対話から
慢性疾患の治療から健康相談まで。感染症対策を徹底した院内で丁寧にお話を伺い、患者様に寄り添います。
- 美園おなかと内科のクリニック 北海道札幌市豊平区
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- 岡本 耕太郎 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.058
消化器内科
目次
大腸内視鏡を使って、大腸内部に病変ができていないかを調べます。大腸は、肉眼では直接見る事ができません。そのため、大腸カメラ検査では専用の機械を体内に直接入れて、カメラ越しに大腸内で何が起きているのかをくまなく観察します。検査中、腸壁にできたポリープ(できもの)を発見することがあります。その場合には内視鏡の先端から処置具を操作してそのままポリープを取ってしまうことができる、これも大腸カメラ検査の特徴でありメリットですね。
特に便検査で「便潜血」を指摘された方は、なるべく早く受けていただきたいです。いつもどおりの便に見えても、実は血が混じっている状態です。大腸がんやポリープなどさまざまな病気が隠れている可能性が考えられるのですが、便そのものを調べても詳しい原因まではわかりません。そこで大腸カメラ検査を実施して、どの部位で何が起きているのか詳しく調べようという考え方です。
腹痛や、「便通がいつもと違う」など、おなかに関して気になる症状がある方も、原因を突き止めるために検査を受けていただきたいです。
ポリープは40歳を過ぎたあたりからできやすくなります。病気の芽を早い時期に摘み取るためにも、40歳を節目として捉え、定期的に検査を受けるようにしていただきたいですね。
大腸カメラ検査を実施するクリニックは多数ありますが、検査を担当する医師の実績にフォーカスしていただきたいです。内視鏡を使った消化器疾患の診療経験が多い医師は、内視鏡の操作に慣れていて、腸壁のヒダの奥など見落としやすい部分など検査時のチェックポイントもしっかり把握しているからです。
さらに可能なら、早期がんの診療を専門にされている医師を選ばれるとよろしいかと思います。早期がんの診療経験が多いほど、小さい病変を見つけるのにも長けているためです。
初期研修で消化器内科を回ったのが、ちょうど早期がんに対する新しい内視鏡治療が普及し始めたタイミングでした。実際に目にしてみて「これはすごい!」と感じたのがきっかけで、内視鏡治療に興味を抱くようになりました。内視鏡治療の技術を磨こうと決意したのは、これからますます進歩し普及していくと予想したことと、知識や技術を身につけることで、より患者様に貢献できると考えたのが大きいですね。
内視鏡治療は医師の経験値の差が出やすい領域です。ですから、どの患者様もお一人おひとりとしっかり向き合い検査・治療をして、改善点があれば反省して次の機会に活かしてきました。先輩医師に同席してもらい、自分の検査・治療のフィードバックやレクチャーを受けることも多かったですね。消化器内科は、知れば知るほど学び甲斐を感じる診療分野です。座学だけでは学べないテクニックをたくさん教えていただけたからこそ、今は自信を持って内視鏡治療をご提供できるようになったと感じています。
とにかく「見落とさないこと」を重視しています。大腸がヒダ状に折り重なっている部分は異常を見逃しやすく、また、ごく初期の大腸がんは小さくて見つけにくいので、注意深く観察するように心がけています。
さらに、患者様の中には検査に対して抵抗感をお持ちの方もいらっしゃるので、患者様にとって苦痛の少ない検査をご提供できるよう努めています。具体的には、軸保持短縮法という腸を伸ばさずに内視鏡を進める挿入法、鎮痛剤や鎮静剤を使って一時的に感覚を鈍くし、意識を薄らげる、また大腸を膨らませる際には吸収の早い炭酸ガスを使用しておなかのハリや違和感を解消しやすくする、といった工夫をしています。
大学病院に勤務していた際に、大腸カメラ検査を受けていただいた患者様に大腸がんが見つかった時のことです。実はその方は、大学病院を受診する1か月ほど前にも別の医療機関で同じ検査を受けて「異常なし」と診断されていました。その後、血便があったため再度大腸カメラ検査を受けることになったのですが、そのような方に大腸がんが見つかるなんて、本当にびっくりしましたね。この時は「大腸がんを見つけられてよかった」と安心したのと同時に、「見逃しやすい部分こそ丁寧に観察しよう」という思いを強くするきっかけにもなりました。
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