頼れるドクターが教える治療法vol.034
美容外科
皮膚の表面から約3mmの深さに位置する汗腺「アポクリン腺」から分泌される汗が原因で、独特なニオイを発する症状です。普通の汗は、皮膚の表面から約2mmの深さに位置する「エクリン腺」が体温調整のために分泌するのですが、これは99%の水分と1%の電解質によって構成され、無色無臭・透明です。一方、アポクリン腺が出す汗は、たんぱく質や脂質が含まれているために白く濁っており、これらの成分が皮膚常在菌によって分解されることで強いニオイを放つのです。
大手化学・日用品メーカーの花王の研究によると、ワキガのニオイは、硫黄臭とスパイシー臭、脂肪酸臭という3種類のニオイで構成されており、これらのバランスによって、硫黄や鉛筆の芯(黒炭)、あるいは生乾きの雑巾のようなニオイを放出するといわれています。一口にワキガといっても、薄着になるとほのかにニオイを感じるレベルから、エレベーターなどの密閉空間に入ると空間全体にニオイが漂うレベルまで、程度はさまざまです。一方、嗅覚には「ほかの感覚よりも感度が高く、感覚の閾値が低い」という特徴があります。つまり、アポクリン腺から分泌される汗を7割方減らしたとしても、それに比例してニオイを感じなくなるわけではないのです。これがワキガという症状の難しいところです。
治療せずに放置しておいたとしても命に直結することはないという意味で、ワキガは病気ではありませんし、日本人の8〜9人に1人が悩んでいるといわれる一般的な症状です。しかしながら、そのニオイゆえに、子どもがいじめのターゲットにされてしまったり、サービス業や接客業への就職・アルバイトで不利になったり、わきの開いた服を着るのを諦めざるを得なくなったりと、人生のさまざまなシーンで不利益をもたらす可能性があります。ワキガが原因で自分に自信が持てず、精神的なストレスを抱えていらっしゃるのであれば、手術という選択肢も考慮に入れて然るべきでしょう。とくに治療をおすすめしたいのは、お子さまです。ワキガの症状が最も強く現れるのは思春期、女性でいえば初潮を迎える前後の時期ですし、何よりも一生を通じて最も多感な年代ですからね。
あやべクリニック
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