頼れるドクターが教える治療法vol.27
精神科
当院は、アスペルガー症候群やADHDなど、発達障害を専門に診療しているクリニックです。大きな特徴として挙げられるのは、発達障害の特性がありながら正式な診断には至らない“グレーゾーン”の患者さまが抱えるお困りごとや生きづらさ、それを最新の手法によって診断・治療している点です。その一環として、脳の状態を目で見てわかるようにする「QEEG(定量的脳波)検査」や、既存の薬物療法とは異なり脳の神経に直接アプローチする「TMS(経頭蓋磁気刺激)治療」を導入しているんですね。
一言でいえば、脳波の状態を可視化する検査法です。まずは19個の電極がついたキャップを被っていただき、アルファ波やベータ波、シータ波、デルタ波など、周波数ごとの脳波を測定します。こうして得られたデータを、ディープラーニング(深層学習)を用いた人工知能によって解析し、脳の状態を統計学的に把握することにより、グレーゾーンの患者さまのさまざまな症状を客観的に診断できるんです。また、QEEG検査は、TMS治療の際に刺激すべき部位を正確に突き止めるための指標にもなります。
TMS治療は、「8の字コイル」という特殊な刺激コイルを使って、頭の外側から大脳を局所的に刺激する治療法です。「8の字コイル」を頭にかざして電流を流すと、「MRI(磁気共鳴画像診断装置)」の3分の1から2分の1程度の強い磁場が生まれ、大脳皮質内に微弱な渦電流が発生します。これによって皮質脊髄ニューロンを刺激して、脳の神経の活動を活性化したり、抑制したりすることで、さまざまな症状を改善していく――これがTMS治療の一連の流れです。ちなみに、電流を流すといっても強い刺激を伴うわけではありません。輪ゴムで弾かれている感じとか、ピンポン玉をコツコツ当てられている感じといわれますが、いずれにしても痛くて治療を継続できないという人はほとんどいませんね。
集中力や短期記憶(ワーキングメモリ)の改善、切り替えまでの早さの改善、ネガティブな事象に対する落ち込みの度合いの改善、こだわりの改善、緊張不安のコントロール、対人過敏や気分変動性の改善、怒りなどへの衝動性コントロールに対して効果を発揮します。ただし、単にTMS機器を用いて脳の神経を刺激すればよいというわけではありません。刺激部位については、特許を取得したレーザーターゲット部位測定システムを活用してミリ単位で調整する必要がありますし、刺激の方法・パターンについても、患者さまお一人おひとりの脳の状態に最適な波長や周波数を見つけなくてはなりません。豊富な症例経験に裏打ちされた、非常な高度なスキルとノウハウが必要とされる治療法なのです。
ブレインクリニック東京
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