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高齢者の受診が多い診療科を揃え、介護施設も併設。認知症患者様とご家族様のストレスや負担を軽減します。
- ソフィア横浜クリニック 神奈川県横浜市戸塚区
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- 玉城 貴啓 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.026
泌尿器科
目次
頻尿は症状であり、病気ではありません。1日に何回もトイレに行く状態で、一般的には、日中の排尿回数が8回以上になると頻尿といえます。しかし、人によって1日の排尿回数はさまざまですから、排尿回数が8回以下でも、ご自身が「排尿回数が多い」と感じる場合は頻尿です。何回もトイレに行くのがつらい、仕事中にトイレに行けないなど、トイレに行くことを我慢してしまうと膀胱炎になることもあります。
原因はさまざまで、男性の場合は「前立腺肥大症」によるものが多くを占めています。前立腺の肥大が始まるのは50歳前後なので、やはり50歳代以上で頻尿になる方が多いですね。他にも前立腺がんが原因で頻尿になることもあります。一方、女性の場合は加齢と、過活動膀胱など神経因性膀胱によることが多いです。また、性別に関係なく尿路感染や炎症、尿管結石などが原因となることもあります。
一言でいえば「QOLが下がるから」です。夜間頻尿がある方は、多い方では夜に8回、9回起きる方もいます。睡眠時に2回以上起きると眠りを妨げられて睡眠障害につながり、翌日の日中の活動にも影響が出ることでしょう。高齢者の方は夜間に起き出した際に転倒するリスクもあり、万が一、大腿骨を骨折すると寝たきりとなってしまいます。そんなことがあれば、QOLが下がるだけではなく、活動自体が減ってしまうのです。日中の頻尿だけであれば「トイレに行けばいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、日中でも排尿回数が増えればQOLは下がります。頻尿で困ることがあるならば、治療は行うべきなのです。
朝起きてから夜寝るまでの日中の排尿回数が8回以上ある方、あるいは夜間睡眠時の排尿回数が1回以上ある方は、一度検査を受けてみてください。排尿回数が気になってバス旅行に行くのがつらい、友達と会っている時にすぐトイレに行くのがつらいなど、日常生活上の困りごとは、QOLの低下につながります。
検査の結果、頻尿ではなかったとしても、「検査をして異常がなければ安心する」という方はたくさんいらっしゃいます。泌尿器科は受診したくないと思う方もおられると思いますが、当クリニックは他の診療科もあるので目立ちません。排尿のトラブルは恥ずかしい事ではありませんから、少しでも不安がある方は安心してご来院いただきたいです。
泌尿器科で最初に行うのは、尿の中に細菌やがん細胞が含まれていないかを調べる尿検査です。結石やがんが頻尿の原因となっている場合もありますので、超音波検査を行うこともあります。また、最低でも2日間、排尿した時間と排尿量の記録を付けていただきます。これを排尿日誌といいますが、例えば1時間ごとに毎回300ccの排尿があれば、それは水分を摂り過ぎている可能性があります。逆に1時間ごとに排尿があるのに1回あたり50ccしか出ない方は、「膀胱におしっこが溜められない」ということです。この場合は、お薬による治療が必要となります。
排尿日誌を付けていただいた結果、例えば夜間の排尿が多い方は寝る前の水分を控えるなど、生活習慣を少し変えるだけで排尿回数が改善することもあります。
しかし、頻尿の治療は基本的に、お薬による治療です。お薬にはいくつかの種類があり、飲んだその日から効果が期待できるものもありますし、4~5日してから効果が現れるものあります。多くの場合は1週間ほどで効果が出てきますが、なかなか効果が出ないような場合は、お薬を変更します。頻尿になる原因は一つではありませんから、薬を選びながら様子をみて、診断をより確実なものにしていきます。これが、「診断的治療」という考え方です。
やはり、患者さまとの信頼関係を築くことでしょうか。患者さまにご理解いただきたいこと、例えば尿検査や超音波検査を行う理由、排尿日誌を付けていただく意味など、詳しく説明するようにしています。お薬を処方するときも、「この薬が必ず効くとは限りませんが、効かない場合は薬を変えていきます」という話をします。これを最初にお伝えしておくと、患者さまも安心されるようです。
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