頼れるドクターが教える治療法vol.012
心臓血管外科
人間の血管には、心臓から全身に血液を送る動脈と、体の各部分から血液を心臓に戻す静脈の2種類があります。心臓は体の上の方にありますから、脚を起点にすれば静脈は重力に逆らって血液を押し上げているわけです。ここで重要な役割を果たしているのが静脈内にある弁。弁がストッパーとなって血液の逆流を防いでいるのですが、この弁が何らかの理由で機能を損なうことで逆流が生じ、脚に血液が溜まってしまう病気が下肢静脈瘤です。命に関わる病気ではありませんが、血管がぼこっと浮き出る、脚がだるい、就寝中につるといった症状が現れます。
理由はさまざまです。下肢静脈瘤は女性の方がなりやすく、妊娠・出産で弁の機能が損なわれやすくなります。妊娠時には赤ちゃんに栄養を届けるため血液の量がおよそ1.5倍に増え、血管拡張作用のある女性ホルモンの分泌量もおよそ100倍に増えるため、脚の静脈は拡張しやすくなります。さらに大きくなった子宮により静脈が圧迫されると、さらに拡がり弁が噛み合わなくなります。拡張していた静脈の状態は出産後には元に戻りますが、妊娠・出産を経験する度に戻りにくくなるため、出産人数に比例して下肢静脈瘤を発症しやすくなります。遺伝も影響しますが、女性の方が遺伝しやすいと考えられています。
私たちは普段、脚を動かすことで血液を押し上げています。マヨネーズを押すと中身が飛び出ますよね。あれと同じように脚を動かすと脚の筋肉が収縮して静脈が圧迫され、血液が上がっていくのです。これを脚の筋肉のポンプ作用と呼んでいます。立ちっぱなしや座りっぱなしの状態が続く仕事をなさっていると筋肉のポンプ作用が働かないので、脚の静脈に血が溜まり下肢静脈瘤が起こりやすくなります。患者さんに美容師、看護師、料理人の方が多いのはこのためです。
目黒外科
関連キーワード:
エイジングケアのプロが、患者さま一人ひとりに合う治療方法をカスタマイズします。
「TMS(経頭蓋磁気刺激)」により前頭葉の機能を回復。薬に頼らない「うつ病」治療を実践します。
骨格に合わせたデザインと素顔のときにキレイに見える色付けで、自然なアートメイク施術を提供します。