新田 一仁院長 にったペインクリニック | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.009

ペインクリニック

神経ブロック注射で全身の痛みを緩和・解消
神経ブロック注射で全身の痛みを緩和・解消
にったペインクリニック
  • 新田 一仁院長
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地元の人たちから「ロマチカ」の愛称で親しまれている、大阪府豊中市のロマンチック街道。その街道沿いにある「にったペインクリニック」は、痛みの治療を専門とするクリニックだ。新田一仁院長は麻酔科医としてのキャリアを積んだのち、大学病院のペインクリニック科で10年間、専門医として痛みの治療を手がけてきた。にったペインクリニックでは、経験と高い技術が求められる神経ブロック注射による痛みの治療を提供している。レントゲン可視下と超音波ガイド下での神経ブロック療法を取り入れ、より安全で確実な治療を行う新田院長に、神経ブロック注射による痛みの治療についてお話を伺った。(取材日 2018年6月20日)

手術より手軽で副作用も少ない。神経に働きかけて、痛みを治療する

―神経ブロック注射とは、どのような治療なのでしょうか?

神経ブロック注射とは、痛みの原因となっている神経の周辺に注射で直接薬剤を注入し、痛みを緩和・解消する治療方法です。身体所見、MRIなどの画像所見で神経の圧迫や障害を確認し、痛みに関連する神経を予測。該当する部位へ薬剤を浸潤させて、神経の働きを遮断することからブロック注射と呼ばれています。
知覚を遮断する局所麻酔薬と、抗炎症・鎮痛作用のあるステロイドを同時に使用することで、侵害受容性疼痛(ケガや刺激による神経周囲の炎症によっておこる痛み)と、神経障害性疼痛(神経が障害されることで起こる痛み)の両方を治療することが可能です。痛みは血行不良との関係が深く、血流の改善が不可欠。局所麻酔薬は血行不良をもたらす交感神経の働きを遮断することもできるため、痛みの緩和に役立ちます。
神経ブロック注射は、一時的な感覚遮断のみを目的としたものではありません。注射を繰り返すことが治療となり、最終的には痛みの解消につながる点が大きな特長です。

―どのような疾患に対して、神経ブロック注射を行いますか?

痛みは、さまざまな原因によって起こります。中には人間関係やストレスなどが原因で起こる痛みもありますが、神経ブロック注射が効果を発揮するのは、神経に由来した痛みや障害が生じている疾患に対してです。
例えば、帯状疱疹やぎっくり腰、五十肩(肩関節周囲炎)など急性の痛み。そのほかには、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛など、神経に何らかの障害が起こることによる痛みが挙げられます。基本的には全身の部位に行うことが可能ですが、特に多いのは椎間板ヘルニアの治療ですね。

―なぜ、椎間板ヘルニアの治療に用いることが多いのでしょうか?

椎間板ヘルニアは、椎間板に強い圧力がかかることで起こる疾患です。椎間板の中にある髄核が飛び出して炎症を起こし、さらにそれが神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こします。最終的な治療手段は痛みの原因となっているヘルニア塊を除去する手術となりますが、ブロック注射による保存的治療でもヘルニアによる痛みの改善が可能です。病態によってはヘルニア自体が吸収されてなくなるケースもあるので、手術が必須ではない状況ではブロック注射を望まれる方が多いですね。ブロック注射の所要時間は10分程度で身体への負担も少ないため、とても有意義な治療方法だと思います。

―神経ブロック注射のメリットを教えてください。

先ほどの説明のとおり、手術よりも手軽に治療を受けられることが最大のメリットです。薬物療法と比較すると眠気やふらつきなどの副作用がみられない点もメリットと言えるでしょう。また、痛みの原因となっている神経に直接働きかけるため、薬物療法以上の効果を期待できる治療だと個人的には思っています。

レントゲンと超音波を用いて行う、安全かつ確実な神経ブロック注射

―にったペインクリニックにおける、神経ブロック注射について教えてください。

頭痛や顔面の痛みから、首・肩・腰・足の痛みまで、全身に対して神経ブロック注射を行っています。当院では、「レントゲン透視下療法」と「超音波エコーガイド下療法」を実施。レントゲンもしくは超音波を用いて針の位置と内部の状態を観察し、適切な場所へ薬剤が注入されていることをリアルタイムで確認しながら注射を打つ方法です。医師の感覚のみで実施可能な神経ブロック注射もありますが、そういった場合でも敢えて使用しています。患者さんの痛みや負担を極限まで軽減し、より確実で安全な治療を提供したいと考えるからです。
また、神経ブロック注射を行うにあたって、患者さんへの丁寧な説明を心がけています。治療の方法や痛みが改善される仕組みなどを知っていただき、納得したうえで受けていただくことが一番ではないでしょうか。私の経験上、そのほうが治りも良いと感じますね。

―にったペインクリニックでは、どのようなアフターケアを行っていますか?

神経ブロック注射の効果は患者さんの体質や病態によって違うため、効きすぎてしまうと全身に影響が現れることがあります。基本的にはそのようなことがないよう注射を行いますが、万一に備えて注射後は30分から1時間ほど処置室で休んでいただき、問題がないことを確認したうえでお帰りいただきます。このように、患者さんに安心して治療を受けていただくための体制を整えています。

ドクターからのメッセージ
  • 新田 一仁院長

私が以前に勤めていた大学病院では、「これぐらいの痛みで病院に来ても大丈夫でしょうか」と患者さんから聞かれることが多くありました。痛みの治療をもっと身近なものにしたい。そんな思いから、私はこのクリニックを開院しました。みなさんは、痛みの悩みを抱えていないでしょうか。改善しない痛みがある場合は、ぜひ一度当院をお訪ねください。痛みの原因を一緒に考え、一人ひとりに合った最適な治療方法をご提案します。神経ブロック注射を打つ、打たないに関わらず、痛みの相談をするつもりでお気軽にお越しいただければと思います。

神経ブロック注射で全身の痛みを緩和・解消
神経ブロック注射で全身の痛みを緩和・解消

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住所
大阪府豊中市向丘2丁目12−1
電話番号
06-6840-1300
最寄駅
少路駅、豊中駅、千里中央駅
アクセス
[電車]
大阪モノレール 少路駅 徒歩15分
[バス] 
千里中央から 阪急バス 47系統 豊中行 野畑小学校前 下車 徒歩1分
阪急宝塚本線 豊中駅から 阪急バス 47系統 千里中央行 野畑小学校前 下車 徒歩1分
駐車場
あり
クリニック南側に専用駐車場 5台
診察領域
内科、ペインクリニック、予防接種
専門医
麻酔科専門医、ペインクリニック専門医
専門外来
腰痛(ヘルニアなど)専門外来、ペインクリニック外来