Tenjin Toya Clinic 遠矢 政和 院長 | ドクターズインタビュー

メニュー

頼れるドクターが教える治療法vol.187

整形外科

痛みを抑えつつ回復を後押し。
再生医療の可能性を整形外科で追及
痛みを抑えつつ回復を後押し。<br>再生医療の可能性を整形外科で追及
Tenjin Toya Clinic
  • 遠矢 政和 院長
14 views
「『再生医療は怪しい』といったイメージを払拭するためにも、幹細胞やPRPを『注射して終わり』の治療にしてはいけない。治療前後のデータを蓄積・検証し、根拠に基づく再生医療を提供したいと思い、このクリニックを立ち上げたのです」——そう語るのは、福岡市中央区の整形外科「Tenjin Toya Clinic」の院長、遠矢政和先生だ。再生医療が「アンメットニーズ(未だ満たされていない医療上のニーズ)」に応える可能性を持つと考え、手術と保存療法の間で痛みに耐える患者に新しい選択肢を提案する遠矢先生に、整形外科領域における再生医療の現在地や、同院で力を入れている幹細胞治療、PRP療法についてお話を伺った。(取材日 2026年1月23日)

「患部の組織環境を整える」再生医療。アスリートのケガからの復帰にも有効

― 整形外科において、再生医療はどのように位置付けられているのでしょうか。

再生医療と聞いて、「失われた組織を元通りに再生する」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし少なくとも整形外科の臨床レベルでは、失われた軟骨がまた生まれ変わるといった段階には至っておらず、現時点では「荒れてしまった組織環境を整えるための治療」と捉えた方がいいですね。
軟骨を例に取りましょう。軟骨がすり減ったり傷ついたりすると、関節内で骨同士がぶつかり、骨棘(骨のトゲ)が形成され、関節内に炎症が起きます。そして炎症が起こるとサイトカインというタンパク質が放出され、痛みや腫れにつながっていくのです。当院の再生医療では、ご自身の脂肪組織由来の「幹細胞」、血液から作製する「PRP(多血小板血漿)」を患部に注射し、痛みの原因となる炎症反応を抑えつつ、組織の修復に関わる因子を届けます。こうして患部を修復が起きやすい状態に整えることで、回復を後押しし、症状の進行や再発を抑えることを目指す、これが現実に即した再生医療の理解だといえます。

― 手術と保存療法の中間的な存在ということでしょうか。

そうですね。例えば変形性膝関節症の治療では、まずはヒアルロン酸注射や痛み止めなどの投薬、リハビリを行いながら経過を見ていき、症状が進行して日常生活に支障が出たり、保存療法での改善が難しくなったりした場合は手術を検討する、という流れが一般的です。ただ実際に手術へ至る方はごく一部で、多くの方は手術以外の選択肢の中で痛みと折り合いをつけながら生活されています。再生医療は、まさにこの「中間」の段階で選択肢となり得る治療法です。炎症を抑えて痛みを和らげるだけでなく、組織が修復に向かいやすい環境を整えることで、症状が進行するスピードを緩やかにすることも期待できます。

― 再生医療は、どのようなケースで適用可能なのでしょうか。

関節外の治療にも幅広く対応しており、膝に限らず腰、肩や股関節、足関節などの痛みはもちろん、筋肉の肉離れや腱鞘炎、骨折、靭帯損傷といったスポーツ外傷・障害にも適用可能です。患者様にとっては、治療の選択肢がひとつ増えたイメージですね。
また、再生医療はアスリートのケガにも有効です。スポーツの現場では「治るまで待つ」ことが大きなロスとなり、競技人生に影響するケースも少なくありません。当院では「集束型体外衝撃波」によって細胞を活性化し組織の修復を促す「メカノセラピー」と、幹細胞治療やPRP療法などの「バイオセラピー」を組み合わせたコンビネーション治療「バイオメカノセラピー」にも力を入れており、個々の症状に合わせて、相乗効果を狙った治療を組み立てています。

幹細胞治療やPRP療法で、整形外科領域の「アンメットニーズ」に応える

― 幹細胞治療の具体的な内容について教えてください。

当院での脂肪組織を使った細胞治療は2種類です。いずれもまずは患者様ご自身の脂肪組織を採取して、①提携ラボで約6週間かけて幹細胞を培養し、患部に戻す方法、②採取した脂肪組織を、専用キットを用いて院内で処理を施し、その日のうちに患部に注入する「MFAT(エムファット)」という方法です。MFATは細胞間の相互作用を重視した治療法で、より体内の組織に近い環境での治療が可能と考えています。さらには即日完結のため、日数の負担を抑えられるメリットもあります。費用の目安は培養治療が片膝210万円、MFATが片膝70万円・両膝99万円です。ご自身の細胞を使用するため副作用は多くないとされますが、注射部位に一時的な腫れや違和感が起こることがあります。培養した細胞を「細胞バンク」で凍結保存し、コストを抑えながら複数回注入することも可能です。

― PRP療法についてはいかがでしょうか。

PRP療法は、患者様ご自身の血液から血小板を集めて濃縮し、血小板から放出される組織修復因子を治療に活かす方法です。ひとくちにPRP療法といっても、外部に委託してフリーズドライ加工し、粉状にしたものを後日溶かして投与する方法など様々な手法がありますが、当院では可能な限り「フレッシュな」状態でPRPを投与することを重視しており、院内の細胞培養加工施設を活用して採取当日に実施しています。加工にかかる時間は約20分程度、準備を含めても概ね30分以内で治療が終了します。
なお当院では、2種類のPRP療法を行っています。ひとつはPRP療法の中でもPRGFと呼ばれる血小板から放出される成長因子そのものを回収する治療で、1〜2週間間隔で計3回投与を標準とし、費用は1回11万円です。もうひとつは、血小板や白血球の量を患者様の状態に合わせてカスタマイズできる高濃度タイプの「ハイドーズPRP」で、費用は33万円です。こちらは1回投与を基本としてご提案しています。

自由診療の費用(目安/税込)

◎脂肪組織由来細胞治療(培養幹細胞治療 / MFAT)
費用:培養 片膝 210万円、エムファット 片膝 70万円 / 両膝 99万円
標準的な回数・期間:培養 約6週間かけて培養し投与(細胞バンク保存で複数回可)、エムファット 採取当日に注入
リスク・副作用:注射部位の一時的な腫れや違和感
効果の範囲と限界:関節内の治療であり、治療単体での関節外の筋肉肥大効果などは認めない

◎PRP療法(PRGF / Hi-Dose PRP)
費用:PRGF 11万円 / 回、HD-PRP 33万円 / 回
回数:PRGF 1〜2週間隔で3回を基本、HD-PRP 単回投与を基本 ※症状・病態によってそれぞれ適宜調整
リスク・副作用:注射部位の一時的な腫れや違和感
効果の範囲と限界:関節内外あらゆる病態に適応可能であるが、その重症度によって治療単体での効果には限界がある

◎体外衝撃波
費用:初回 ¥5,940、2・3回目 ¥7,920、4回目以降(追加治療)¥5,940 / 回

ドクターからのメッセージ
  • 遠矢 政和 院長

再生医療は、これまで「手術しかない」と言われてきた方や、痛みが強く従来の治療では十分な改善が得られなかった方など、整形外科領域の「アンメットニーズ(未だ満たされていない医療上のニーズ)」に応える可能性を持った治療法だと考えています。大切なのは、正しい知識・データに基づいて適切な方法を選ぶことです。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

痛みを抑えつつ回復を後押し。再生医療の可能性を整形外科で追及
痛みを抑えつつ回復を後押し。再生医療の可能性を整形外科で追及

Tenjin Toya Clinic 地図を見る

住所
福岡県福岡市中央区渡辺通5丁目24-32 FPG links TENJIN MINAMI 5F
電話番号
092-401-7000
最寄駅
天神南駅、西鉄福岡(天神)駅
アクセス
地下鉄七隈線「天神南」駅 1番出口から徒歩1分
西鉄バス「天神一丁目」バス停より徒歩1分
西鉄天神大牟田線「西鉄福岡(天神)」駅より徒歩3分
診察領域
整形外科、リハビリテーション科、皮膚科、美容皮膚科
専門医
整形外科専門医、皮膚科専門医