あらたまこころのクリニック 加藤 正 院長 | ドクターズインタビュー

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薬だけに頼らず「患者様が自分の治療者になる」治療を目指す

街の頼れるドクターたちvol.101 心療内科

あらたまこころのクリニック
  • 加藤 正 院長
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名古屋駅から車で21分、地下鉄名城線・桜通線、新瑞橋駅から徒歩2分。あらたまこころのクリニックは、「薬だけに頼り切らない治療」を目指す心療内科・精神科クリニックだ。加藤正院長は名古屋市立大学精神科では専門外来を担当、開業後は厚生労働省事業で「スーパーバイザー」に任命され、認知行動療法の普及と指導に携わった経験をもつ。2019年には、うつ病の薬を適切な量で効果的に安全に治療する研究で京都大学から感謝状と「下田光造賞」を受賞している。また、瑞穂区の認知症サポート医として高齢者の相談を続けている。「一人ひとりに合った役に立つ治療を提供したい」と語る加藤院長へ、クリニックと診療の特長について伺った。(取材日2023年6月22日)

迷路に迷い込んでしまったら、入り口を探すのではなく出口を探しましょう

― クリニックの特長について教えてください。

当院には、大きく3つの特長があります。
1つ目は「薬だけに頼り切らない治療」です。病気の正体を知り、対処法を学ぶ「治療教育」、依存や副作用を防ぎ最小限で行う「薬物療法」、医師・心理士・看護師のチーム医療で実践するグループ形式の「精神療法」。これらを“治療の三本柱”に据え、患者様が自身の力で病気を克服することを目指しています。
2つ目は1991年の開院以来、名古屋市瑞穂区で地域に根差した医療活動を行っていることです。瑞穂区の認知症サポート医として地域包括支援センターと連携、認知症初期集中支援チームを担当して、高齢者の相談を続けています。また、総務省中部管区の健康管理医を務め、働く患者様のサポートも行っています。
3つ目は、常に治療をアップグレードしている点です。学会発表や学術論文の投稿、医師・薬剤師向けの講演などにも積極的に取り組み、中日新聞読者からの相談への回答や高校生の課外活動の受け入れ、テレビや雑誌の取材にも対応しております。

― どのような患者様が来院されていますか?

不眠症、うつ病、パニック障害、社交不安障害(あがり症)や人間関係で悩む患者様が中心です。休職中の方を対象にしたリワーク(復職デイケア)を利用されている患者様も多くいらっしゃいます。
当院にかかったことのある患者様から話を聞いて来院される方も多く、県外からもお越しになります。

― 患者様と接する際に大切にしていることはありますか?

患者様が自覚している困りごとの奥には様々な原因が隠れており、複数の病気が重なっていることもあります。まず困りごとを整理し、その奥にある問題の“見立て”をして治療方針を決めます。
「子どもの頃からどのように頑張ってきたか」「どんな生きづらさを抱えてきたか」「それらが今の困りごとにどんな風に繋がっているのか」など、心の病を悪化させる悪循環のメカニズムを解きほぐし、どんな治療法が役に立つのか一緒に考えていきます。

4段階の治療プログラム。チーム医療で病気の慢性化や再発を防止する

― 「薬だけに頼りきらない治療」について教えてください。

「お腹がすいている人がいたら、魚を与えるだけでなく、魚の釣り方を教える」と格言にあるように、患者様が自分で心のメンテナンスができるよう4つの段階を設けて治療を進めます。
第1段階は薬物療法。「とりあえず薬を出しておきますね」のような、その場しのぎの薬の処方はしません。まず症状を落ち着かせて、治療を進めるための元気を取り戻していきます。
第2段階は悪循環を知る段階です。困りごとを整理して、悪循環に陥っている仕組みを理解していきます。
第3段階では役に立つ対処法を身につけます。病気にはそれぞれ特徴と治療のポイントがあります。認知行動療法、マインドフルネス、アサーションなどのプログラムを活用します。
第4段階は再発防止の段階です。身につけたスキルを患者様が日々の生活の中で役立てることで、状態の維持を目指します。
チーム医療だからこそ、こうした治療が可能です。

― 治療はどのような流れで進むのでしょうか?

はじめにお話を聞いて困りごとを整理し、診断を行います。
次に治療方針の決定。生活習慣や発症のきっかけなどから困りごとの奥にある問題を探り、一人ひとりに合わせた治療を提案します。
先ほど説明した4段階の治療プログラムを進めるなかで、患者様が気づきや対処スキルを身につけていき、良い状態が維持できるようになればゴールです。

― どのような患者様に来院してほしいですか?

生きづらさを抱えながら我慢している方には当院での治療をお勧めしたいです。例えば、パニック障害やあがり症(社交不安障害)の方の場合、自分はそういう性格だと思ってつらいときに安定剤を飲んでその場をやり過ごし、長年耐え忍んで暮されているケースが多いです。専門的な治療を受けることで、お薬に依存せずに回復する可能性があるので、一度ご相談いただきたいと思います。

― 困りごとを抱えて悩まれている方へメッセージをお願いします。

一人で悩んでいると、だれでもネガティブに考え、頭が混乱するものです。自分で何とかしようとしても、知らず知らずに迷路の入り口にしか目が向かなくなり、堂々巡りになっていませんか? 私たちと一緒に困りごとの奥にある悪循環を紐解き、対処する力を身につけましょう。迷路で迷っても、出口に目を向ければ、それはきっと見つかります。

薬だけに頼らず「患者様が自分の治療者になる」治療を目指す

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住所
愛知県名古屋市瑞穂区洲山町1丁目49
電話番号
052-852-8177
診察領域
神経内科、精神科、心療内科
専門医
精神科専門医
専門外来
パニック障害専門外来、社交不安障害(あがり症)などの不安障害専門外来、うつ病認知行動療法専門外来