さいたまクリニック 金 潤澤院長 | ドクターズインタビュー

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元教授のベテラン医師がめざす、大学病院と連携した高度な医療

街の頼れるドクターたちvol.007 整形外科

さいたまクリニック
  • 金 潤澤院長
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整形外科とリウマチ科を標ぼうする「さいたまクリニック」(埼玉県川越市豊田町)は、大学病院と連携し、患者を早く適切な医療に導くことをテーマとする。金潤澤(きん・じゅんたく)院長は埼玉医科大学に長く勤務し、教授も務めたベテラン医師。股関節とリウマチを専門にしており、日本整形外科学会と日本リウマチ学会がそれぞれ認定する専門医の資格を持つ。「わかりやすい説明を心がけ、大学病院の機器も活用しながら正しい診断をめざします」。開業して2年が経った今、こう話す金院長の元には東京都や隣県からも整形外科疾患に悩む患者が訪れている。(取材日 2018年8月7日)

患者を真っ先に診る開業医になり、診断の誤りを減らしたかった

―勤務医時代は埼玉医科大学で教授を務めていたそうですね。

ええ。私は1980年に埼玉医科大学を卒業した後、同大の整形外科に入局して大学病院や関連病院で診療を行ってきました。専門は股関節とリウマチです。2002年に同科の助教授、12年に教授に就任しましたが、こうしたキャリアの変遷はおそらく、股関節の基礎研究が評価されてのことでしょう。私は股関節に痛みが生じる原因を顕微鏡の活用により確かめたのですが、これは世界初のことでした。私が書いた論文はアメリカの著名な雑誌に掲載され、今も世界各地の医師が引用しています。16年に開業してからも客員教授として月に2回は大学で診療しています。

―専門的にキャリアを積む中、なぜ開業しようと考えたのですか?

開業医が見逃している病気を掘り起こして、早く適切な治療を行いたかったからですね。大学病院に来る患者さんは多くが医療機関からの紹介ですが、いざ自分が診ると診断と治療の誤りがたくさんありました。いくつもの医療機関を経てやっと私の元に辿り着いたのに、遅かったために治療法が限られてしまうことも。たとえば変形性股関節症の方で、早めに手術を行うことで改善できたのにも関わらず、漫然と薬物療法が行われた結果、痛みに悩み続けている人もいたのです。ですから、自分が患者さんを真っ先に診る開業医になることで、悩みを早く解消してあげられるのではないかと思ったのです。

―診断レベルの高いクリニックをめざしたのですね。

そうです。当院のコンセプトは、大学病院と連携し、診療科目を問わず患者さんを高度な医療に導くこと。当院でできることは行い、必要があれば埼玉医科大学の医師に協力を仰ぎ、大学の機器も活用して正しく診断します。「科を問わず」というのも意識していることです。患者さんの中には整形外科以外の悩みを吐露される方もいますから、そんな場合も各分野の専門医を紹介します。私は長く大学に在籍していましたから、どこにどんな専門家がいるかを把握していることが強み。患者さんには病院ではなく医師個人を紹介できるので、適切な医療につながりやすく、また私からの紹介なので受診までの期間も短くなります。

病気ではなく患者自身を診られる。実感した開業医の可能性

―診療時に心がけていることをお聞かせください。

患者さんが理解しやすいような説明を心がけていますね。整形外科疾患は外からは見えない骨と筋肉が関わりますから、模型やイラストを使ってなるべく見える形にします。加えて、専門用語を使わないことも重視しています。整形外科の病名は漢字がずらっと並ぶものが多いのですが、例えば頚肩腕症候群と言われても何のことかわからないでしょう。これは肩こりを意味しますが、医師はともすればこういった難しい正式名称を使ってしまう。私は患者さんがわかる表現にするようにしていますね。

―診断をしたり治療方法を検討したりする際に重視していることは?

勤務医時代には主に股関節の手術を行ってきたので、開業医として最も得意とするのは手術適応の判断です。先ほど話したように手術が必要なのに様子見の治療を続けている患者さんが多いので、そんな時は速やかに大学病院を紹介しています。また、股関節と並んで得意なリウマチの治療については、正常な機能に戻すこと(寛解)が目標。「リウマチは治らない」と諦めている患者さんもいますが、効果的な薬(生物学的製剤)が登場したことで改善する可能性は大幅に高まりました。また、総じて整形外科疾患の治療はリハビリが重要ですが、必要がある場合は当院に近い埼玉医科大学かわごえクリニックのリハビリセンターで理学療法士の指導を受けられます。

―最後に、読者にメッセージをお願いします。

開業してからある80代の男性を診療しました。その方は整形外科疾患以外にがんに罹患していて、何度も手術を受けていました。最期は自宅で安らかに眠りたいと話されていたものの、主治医はろくに希望を聞いてくれなかったそうです。その方は私に「先生の言うことなら」と相談され、結果的にご自宅で家族や医師に看取られて亡くなりました。後にご家族からもお礼を言われました。病気だけではなく、その人自身を診られる開業医に可能性を感じた出来事です。
読者の方に伝えたいのは、良くならないのに漫然と整形外科に通わないこと。2、3週間で症状が軽減しなければ医師に相談することを勧めます。当院では患者さんが来やすいよう、土曜日と日曜日、祝日も診療しています。セカンドオピニオンの相談も多いので遠慮なくお尋ねください。

元教授のベテラン医師がめざす、大学病院と連携した高度な医療

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住所
埼玉県川越市豊田町3丁目5−1
電話番号
049-238-0001
診察領域
リウマチ科、整形外科、リハビリテーション科、ペインクリニック
専門医
整形外科専門医、リウマチ専門医、リハビリテーション科専門医