ひらいクリニック　平井 昭彦 院長　 | ドクターズインタビュー

乳腺外科の女性専用の予約時間や待合室を整備し、受診しやすい体制を徹底

― 貴院の特徴を教えてください。

乳腺外科を中心に、一般内科・外科のほか、女性に多い甲状腺疾患の診療にも力を入れています。診察は午前と午後、夜間の時間帯に分けており、そのうち主婦の方などのご都合が付きやすい13時30分から16時は、乳腺外科の女性患者様の予約のみを受け付けています。予約の場合は経験豊富な女性放射線技師がマンモグラフィ撮影を行うので、安心して乳がん検診などを受けていただけるでしょう。
当院は、胸の圧迫感を抑えながら撮影でき、すぐに画像を確認できるデジタル式のマンモグラフィを採用しております。また、マンモグラフィ検診画像認定施設であり、精度の高い検査を提供しております。

― 堺市の乳がん検診も、こちらで受けられるそうですね。

堺市では、40歳以上の女性を対象にマンモグラフィによる乳がん検診を行っています。撮影した画像は堺市の読影センターで2人の医師が判定し、後日その結果を当院よりお伝えします。マンモグラフィにより、乳がんが見つけにくい「高濃度乳房」と判定された40歳代の方は、無料で超音波検査も受けられます。私は超音波検査の読影医に認定されているので、堺市の超音波検査実施医療機関として検診に取り組んでおります。
欧米諸国の乳がん検診受診率は70％以上といわれていますが、日本では約40％程度と低い水準にあり、乳がん死亡率も増加傾向です。当院ではマンモグラフィも超音波検査も電話やインターネットで予約できますので、ぜひお気軽に乳がん検診を受けていただきたいですね。

― 患者様が来院しやすくなるような工夫はありますか？

一般の待合室とは別に、乳腺外来の女性専用の待合室を設けました。診察や検査のたびに着替えるのは負担が大きいので、更衣室も設置し、検査着をご用意しています。
女性専用待合室からは診察室と検査室に直接出入りできるので、一般待合室の患者様の目を気にせず受診することが可能です。また小さなお子様連れでも安心してお越しいただけるよう、おもちゃや子ども向けのビデオなども備えています。男性のお連れ様は女性専用待合室に入れませんが、別の入り口から診察室にご案内し、一緒に説明を聞いていただくことも可能です。

検査結果が出るまでの不安な時間を短縮するため、できることは最短で提供

― 貴院では、乳腺の精密検査にも注力されているそうですね。

がんなどの検査を受けると、患者様は結果が出るまで不安を抱えて過ごさなければなりません。その時間を短くするために、当院では様々な手段を講じています。
まず私はマンモグラフィ及び超音波検査の読影医なので、診療でそれらの検査を行った場合、すぐに画像を確認して結果をお伝えすることができます。さらに詳しい検査が必要と判断した場合は、可能な限りその日のうちに当院で細胞や組織などを採取する精密検査を実施しています。精密検査の結果が出るまでには1週間ほどかかりますが、当院でできることはすべて最短で行うようにしております。クリニックとしての小回りの良さだと考えています。
検査の結果、乳がんなどが見つかった場合は、患者様のご希望をお聞きし病院を紹介します。看護師・受付それぞれが協力し、たとえ当院が初めて関わる病院であっても、情報を集め、確実な受診予約に繋げるよう努めております。

― ホルモン療法やリンパ浮腫ケアにも対応されていると伺いました。

乳がん術後のホルモン療法は、手術をした病院と連携し、当院でも担当医の指示を受けて実施することが可能です。通院の負担を少しでも軽減できるよう、治療連携を行っております。
また、乳がんの手術後に上肢のリンパ浮腫を発生するケースも見られます。むくみやだるさで日常生活に影響を及ぼしますが、対応しているクリニックは少なく、悩みを抱えている患者様が多数おられます。そうした患者様のために当院では、リンパ浮腫療法士がケアや技術を提供し、リンパ浮腫の複合的治療に取り組んでいます。

― 受診を検討している患者様にメッセージをお願いします。

私たちは7年前の開院以来、乳腺疾患に悩む方々に寄り添い、少しでも安心していただけるようにと努めてまいりました。乳腺に関する心配や不安がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。