しっかり診てじっくり治し、「切らない治療」を追求する
患者様に合わせて設定した治療のゴールを一緒にめざし、予防からリハビリ、再生医療まで幅広く提供します。
- 佐藤 俊一郎 理事長
頼れるドクターが教える治療法vol.105
整形外科
目次
膝関節の軟骨や半月板などの、大腿骨と脛骨の間のクッションの役割を担う組織が、経年劣化によって擦り減ることで生じる病気です。症状は様々で、膝の痛みのほか、曲げ伸ばしや正座がしにくい、違和感があるため長く歩けない、などが挙げられます。50歳前後で発症される患者さまが多いですが、靭帯や半月板を痛めたことがある場合は、若いうちから症状が出てくるケースもあります。また、正確なメカニズムは分かっていませんが、女性の発症率が高いことが知られています。
まずは問診や触診によって、痛みのある場所や関節の動き、変形や腫れの有無などを確認し、症状が整形外科的な要因によるものか、リウマチなどの内科的疾患によるものかを検討します。その上で、膝関節の変形によるものであれば、レントゲン検査(X線検査)を行って大腿骨と脛骨の形や隙間などから、膝関節の状態を推測。さらに必要な場合には、MRI検査によって軟骨や半月板の状態を確認し、膝関節の変形がどの程度進んでいるのか、今後どの程度進行しそうかを診断します。ちなみに、変形性膝関節症の重症度はグレード0(異常なし)、グレード1(疑い)、グレード2(初期)、グレード3(進行期)、グレード4(末期)の5つの段階に分けられます。
変形の軽い方には、まずしっかりと「保存療法」を行います。具体的には、鎮痛剤などの内服薬や湿布薬の使用、あるいはヒアルロン酸を膝関節に注入し関節が滑らかに動くようにする「薬物療法」、膝関節周辺の筋肉をほぐし強化することで、関節にかかる負担を軽減する「運動療法」などが挙げられます。
一方、変形がかなり進行し、歩行が困難になっている患者さまには手術を実施します。具体的な術式としては、脛骨を斜めに切って関節にかかる荷重を調整する「骨切り術」、膝関節を金属製の人工関節に置き換える「人工膝関節置換術」などがあります。これらの手術を行えば膝関節の痛みはなくなり、膝の曲げ伸ばしもスムーズに行えるようになりますが、実際のところ手術を受けられる方はそれほど多くありません。「痛みはあるけどなんとか歩ける。できれば手術は受けたくない」「心疾患などの持病を抱えているため、手術を受けられない」などのケースがあるからです。こうした方にお勧めしたいのが、当院が力を入れている新たな治療法「CPRP-FD(自己血成長因子注入療法)」です。
従来の保存療法と手術の中間に位置する治療法で、最大の特徴は、患者さまご自身の血液から抽出した成長因子を、関節内へ注射する点にあります。具体的には、患者さまから採取した血液を遠心分離機にかけて、血小板に含まれる成長因子を抽出して濃縮。超音波(エコー)機器を使って関節包(関節を包む袋状の膜)の位置を確認し、その内部に成長因子を注射することで、膝関節内部の炎症を抑え、変形に伴う痛みを取り除いていきます。
当院では2023年3月から「CPRP-FD」を導入し、約4か月間で200名以上の患者さまに治療を受けていただきました。成長因子の注射から1か月程度で痛みが和らいでくるのが一般的ですが、注射から約2週間程度で痛みがほとんどなくなるケースもあります。患者さまの満足度はかなり高いと思いますね。
「CPRP-FD」は関節の中の痛みをとる治療なので、関節の外側の痛みは残ったままですが、これについてはリハビリテーションによって膝関節周辺の筋肉をほぐしていくことで痛みを和らげていきます。再生医療の効果を最大限に引き出すためには、成長因子を注射した後のフォローが重要なんですね。
まず挙げられるのは、手術に比べて圧倒的に手軽なことでしょう。成長因子はご高齢の患者さまの血液からも抽出することができるので、「CPRP-FD」は手術をするのが嫌な方、手術ができなかった方にも受けていただけます。また、副作用が少ない点も大きなメリットです。「CPRP-FD」で用いられる成長因子は、患者さまご自身の血液から抽出したものを再び体内に戻す治療なので、リスクを低く抑えられるといえますね。
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