ころもクリニック 札幌院　谷口 靖弥 院長 | ドクターズインタビュー

科学的な根拠を基に、継続できる減量を支援。肥満治療の第一選択を目指す

― 医療ダイエットにかける想いについて聞かせてください。

医療ダイエットを「肥満治療の第一選択」にする。医療ダイエットを「美容の延長」ではなく「健康医療の一分野」として確立する。これが、私たちの目指すビジョンです。
肥満は単に見た目の問題ではなく、糖尿病や脂肪肝、高血圧など生活習慣病の入り口であり、いわゆる「メタボリック・ドミノの1枚目」ともいわれています。最初の1枚が倒れないよう、未病や隠れ肥満のうちから介入することで、生活習慣病のリスクを減らし、患者さまが長く健やかに生きるための支えとなる。これこそまさしく、医療の使命だと考えています。
近年「食べない」「食事を極端に制限する」といった自己流ダイエットが注目されていますが、根拠の乏しいものも多く、短期間で体重が落ちても筋肉や代謝まで落ちてしまい、リバウンドや体調不良を招くことがあります。私たちは科学的根拠に基づく「正しい知識」と「安全性に配慮した治療法」を用いて、無理なく健康的に、そして継続可能なかたちで減量をサポートしていきます。美容目的で受診される方、健康診断で体重の増加を指摘された方、どちらにも寄り添える「信頼できる肥満治療の場」でありたいと考えているのです。

― 貴院の医療ダイエットは、従来の肥満治療と何が違うのでしょうか。

保険診療による肥満外来は存在しますが、BMIの値や合併症の有無などで基準が設けられているうえに、使用できる薬剤の種類や治療方針にも制約があります。「痩せたい」と思っても、なかなか治療を始められないケースが少なくないのです。この点当院では、自費診療ならではの自由度と専門性を活かし、食欲をコントロールするものだけでも約10種類を超える薬剤、多彩な機器、脂肪溶解注射、管理栄養士による食事・栄養指導などを組み合わせ、一人ひとりの体質や生活スタイルに合わせたプランを作成しています。
加えて、効果を実感いただくためには「継続できる設計」も欠かせません。治療開始後は1～2週間に1度のペースで通院いただき、体調や体重変化を細かくチェックするとともに、医師と管理栄養士がデータを共有し、治療内容や食事、ライフスタイルなどを多角的に見直します。薬剤の量や種類は細かく調整し、副作用が出た場合は早期に対応できる体制を整えています。
体重を減らすだけでなく、安全性に配慮しながら継続的な改善を目指す。その積み重ねが、患者さまの安心と信頼につながっていると思います。

「無理なく、美しく、健康に」という言葉を、医療の新しいスタンダードに

― 医療ダイエットの効果についてはどのように考えていらっしゃいますか。

一般的な目安として「1か月で現体重の5％減」を設定しています。これは筋肉量や基礎代謝を維持しながら、リバウンドを防ぐための安全ラインです。体重80kgの方であれば1か月で4kg、3か月で12kgの減量が一つの目安となります。結果には個人差がありますが、当院で継続的に通院された方の平均的な体重減少量は13.7kg（※自院データによる）となっています。なかには7か月間の通院で約30kgの減量を達成し、体調にも精神面にも前向きな変化を実感された方もいらっしゃいます。

― カウンセリングで大事にしているポイントはありますか。

医療ダイエットを検討するにあたり、「本当に続けられるのか」「副作用は起きないのか」と不安になる方は少なくありません。私たちは、医学的に正しい情報を伝えることが、安心して治療に臨んでいただくための第一歩だと考えています。初診のカウンセリングでは治療内容はもちろん、薬剤の効用やリスク、治療期間の目安や価格まで丁寧に説明し、ご納得いただいた上でスタートしていただくことを大切にしています。

― 受診を検討している方にメッセージをお願いします。

私たちは「見た目の美しさと心の前向きさを取り戻す」という理念を基に、「無理なく、美しく、健康に」という言葉を医療の新しいスタンダードとして広げていきたいと思っています。皆さんにお伝えしたいのは、痩せられないのはあなたのせいではない、ということです。近年の研究では、肥満には生まれ持った体質やホルモン、環境が大きな影響を及ぼしていることがわかっています。だからこそ、医療のサポートを受けながら、科学的根拠に基づいた正しい方法で取り組むことが大切です。まずはお気軽にご相談ください。