アイシークリニック 高桑 康太 理事長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.152

形成外科

放置はNG、皮膚腫瘍「粉瘤」の
治療法と傷跡を残さない工夫
放置はNG、皮膚腫瘍「粉瘤」の<br>治療法と傷跡を残さない工夫
アイシークリニック
  • 高桑 康太 理事長
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ニキビやいぼ、脂肪腫などとよく似たできものである「粉瘤」。皮膚の下に角質や皮脂等が溜まり、袋状のしこりとして形成される、良性の腫瘍である。粉瘤は全身どこにでもできるが、飲み薬や塗り薬での完治や自然治癒が期待できないため、外科手術によって袋を切除する治療を行う必要がある。東京都内で形成外科・皮膚科・美容皮膚科5院を展開する「アイシークリニック」理事長の高桑康太先生に、できものに気づいたときに注意するべきことや、粉瘤の特徴と基本的な治療法、クリニックの選び方のポイント等についてお話を伺った。(取材日 2025年1月29日)

「できものかな?」と思ったら、自己判断せず医療機関での診断を

― 皮膚に何かができたときに、気を付けることはありますか?

「できもの(皮膚腫瘍)」と一口にいっても、いぼやほくろ、粉瘤、脂肪腫をはじめ、様々な種類の疾患があります。最も重要なのは、それが良性の腫瘍なのか、悪性の腫瘍なのかを見極めることです。「できものが突然現れた」「徐々に大きくなっている」「色やかたちに変化が見られる」といった異常を感じた場合には、自己判断せず、速やかに医療機関へご相談ください。
また良性の皮膚腫瘍であっても、医師の診断を受けた方がよいでしょう。「市販の軟膏を塗るな」とまではいいませんが、むしろ患部を悪化させてしまったり、治療しにくい状態になってしまったりするケースもあるからです。

― 「粉瘤」とはどのようなものでしょうか?

粉瘤は、皮膚の内側に小さな袋が形成され、そこに体の垢や老廃物が溜まることでできる、良性の皮下腫瘍の一つです。正確な発生機序はわかっていませんが、ニキビや脂肪腫等とよく似たできものが背中やお尻、顔をはじめ皮膚の表面に出現します。粉瘤の特徴としては、小さな穴(“へそ”と呼ばれます)が開いており、そこに細菌が入り込んで炎症性粉瘤となると、痛みや熱感、赤みを伴う可能性があること、独特のイヤなニオイを発することなどが挙げられます。
視診や問診でも診断可能ですが、より正確な診断・治療を行うために、当クリニックでは超音波(エコー)を活用しています。超音波による診断には訓練と経験が必要ですが、一定の技術を身に付ければ他の腫瘍との正確な判別が可能になります。

― 粉瘤の治療法や、放置した場合のリスクを教えてください。

小さな粉瘤であれば、特殊なパンチのような道具で患部に数ミリ程度の穴を開け、粉瘤の内容物を絞り出し、しぼんだ粉瘤の袋を抜き取る方法で治療します。これは「くり抜き法」といい、手術に要する時間は5分〜10分程度です。粉瘤が大きい場合にはメスで皮膚を切開して袋を抜き取りますが、それでも手術にかかる時間は30分〜1時間程度で、日帰りでの治療も可能です。
なお、一旦炎症が治まったからといって粉瘤を放置してしまう方もいらっしゃいますが、これはお勧めできません。炎症が再発する可能性がありますし、皮膚の内側にしこりができたり、周辺組織との癒着が起きたりして、外科治療が難しくなるケースが少なくないからです。「普通のニキビではないようだ」「もしかしたら粉瘤かもしれない」と思ったタイミングで、医療機関に相談されることをお勧めします。

あらゆる体の部位を顔と同じレベルで慎重に施術し、きれいな傷跡を目指す

― 術後の傷跡をきれいにするために気を付けていることはありますか?

まず、必要以上に皮膚を切開しないこと、できるだけ細い系で患部を縫合すること。そして、背中であれお尻であれ、全身のあらゆる部位について“顔”を治療するのと同じ姿勢で手術を進めることですね。しかし実際の治療では、常に多角的な判断が求められます。例えば、切開範囲が小さすぎると適切に治療できない場合もありますし、背中やお尻をあまりに細い糸で縫合すると、皮膚の伸縮に耐え切れずに糸が千切れてしまいます。その都度豊富な経験に基づいた、臨機応変な対応が必要なのです。ちなみに「くり抜き法」を用いた手術の場合、残る傷跡は3〜4ミリ程度。時間の経過とともに、自然と目立たなくなります。

― アイシークリニック全体で力を入れているポイントを聞かせてください。

当グループには、大学病院や総合病院で豊富な臨床経験を積み、専門的な知識と技術を持つ医師が多数在籍しています。これだけでも大きな強みといえますが、すべての院で同じ水準の診療と治療技術を提供するために、新たにメンバーに加わる医師には数週間〜数か月にわたって研修を受けてもらい、当グループが膨大な治療実績を基に磨いた技術やノウハウを、惜しみなく提供しています。また、医師同士で情報共有・意見交換を積極的に行うことができる点も、診断・治療のクオリティ向上につながっていると自負しています。

ドクターからのメッセージ
  • 高桑 康太 理事長

「これは粉瘤かな?」と思ったら、そのまま放置せず、できるだけ早い段階で医師の診断を受けることが大切です。クリニック選びのポイントとしては、まずは形成外科を標榜していて、保険診療に積極的を取り組んでいるかどうかをチェックしてください。その上で、術後に出血などのトラブルが発生しても適切に対処できるよう、自宅や職場の近くのクリニックや、土・日・祝日、夜間も診察を行っているクリニックなど、通いやすさを重視して選ぶことをお勧めします。

放置はNG、皮膚腫瘍「粉瘤」の治療法と傷跡を残さない工夫
放置はNG、皮膚腫瘍「粉瘤」の治療法と傷跡を残さない工夫

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住所
東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2F
電話番号
0120-780-194
最寄駅
新宿駅
アクセス
新宿駅南口 徒歩3分
診察領域
形成外科
専門医
形成外科専門医、熱傷専門医