複数診療科を一か所で。治療から介護にも
シームレスなケアを提供
高齢者の受診が多い診療科を揃え、介護施設も併設。認知症患者様とご家族様のストレスや負担を軽減します。
- ソフィア横浜クリニック 神奈川県横浜市戸塚区
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- 玉城 貴啓 院長
頼れるドクターが教える治療法vol.083
消化器内科
目次
ピロリ菌は胃の中に生息し、例外を除いて何十年と感染し続ける菌です。不衛生な水や食べ物のほか、保菌者を通して感染します。免疫が未発達な幼児期に感染することがほとんどで、大人になってからの感染はあまりありません。
国内における感染率は年齢が上がるにつれて高くなっており、60歳以上では70%程度が感染している、または過去に感染していたといわれています。井戸水などを生活用水として利用するなど、昔は衛生環境が整備されていなかったことが大きな原因です。一方、10代の感染率は5%程度。現代における主な感染経路は、お箸やスプーンの共有などによる、両親や祖父母から子ども・孫への家庭内感染が中心です。
強い酸性である胃の中は、細菌にとって非常に過酷な環境です。ピロリ菌は胃の中に留まり続けるためにさまざまな物質を作り出し、胃を保護する粘液のバリアーを壊し、胃壁を傷つけます。放置していると、慢性炎症により胃粘膜が薄くなる萎縮性胃炎や、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を引き起こします。さらに10年以上かけて胃の全体に萎縮性胃炎が広がっていくことで、胃がんを発症しやすくなるのです。その他、悪性リンパ腫のひとつである「胃MALT(マルト)リンパ腫」や「特発性血小板減少性紫斑病」を発症することもあります。ピロリ菌に感染しているすべての人がこうした疾患を発症するわけではありませんが、日本人は萎縮性胃炎が進行しやすいことが分かっています。
現在、ピロリ菌が見つかるきっかけは検診がほとんどです。言い換えれば、感染していても無症状で気づかない方が多いということですね。
当院では胃カメラ検査時に萎縮性胃炎が確認できた患者さんには、「迅速ウレアーゼ試験」を行っています。胃の組織の一部を採取し、試薬でピロリ菌の有無を調べる検査です。胃カメラ検査と同時に実施でき、他の検査と比べて簡便かつ短時間で判定結果を得ることができます。
このほかに、採取した組織を用いた「培養法」や、「鏡検法」。内視鏡を用いない検査では、「便中抗原測定法」、「尿素呼気試験」、「抗ピロリ菌抗体法」などがあります。
当院では各検査のメリット・デメリットを踏まえて、迅速ウレアーゼ試験を採用しています。
まずは、検査の受けやすさです。土日にも胃カメラ検査を実施していますし、希望があれば大腸カメラと同時検査も行えるので絶食も1日で済みます。設備面では2020年に発売された最上位機種の内視鏡システムを導入し、消化器内視鏡学会のガイドラインに準拠した洗浄と消毒を実施。安全で精度の高い検査に努めています。
またこれまで16,000件以上の検査に携わってきた私自身の経験も、当院の強みといえますね。胃カメラに苦手意識のある患者さんには、鎮静剤を使用し楽に検査を受けていただくことも可能です。検査は丁寧な操作と観察を心掛けています。結果説明では、80枚前後の画像を患者さんと一緒に確認しながら、胃の状態や今後の対応について詳しくお伝えしています。検査結果をまとめたレポートをお渡ししますので、帰宅後に改めて確認していただくことも可能です。
感染が判明した場合、ピロリ菌の除菌が必要です。2種類の抗生剤と胃薬を1日2回、7日間服用します。2カ月以上経過してから、便中抗原測定法で除菌判定を行います。この一次除菌で不成功だった場合は、抗生剤の種類を変えて二次除菌を実施します。
2015年には、新しい除菌療法の治療薬が登場しました。除菌成功率がそれ以前より格段に向上しており、添付文書上では一次除菌で約92%、二次除菌で約98%です。過去に除菌が不成功だった方は、改めて試されるのが良いと思いますね。
無症状の方でもピロリ菌を除菌する目的は、将来的な胃がん発症リスクを下げることです。例えば50代・60代では、除菌しない人と比べておおむね2分の1まで低下させることが可能です。ただし、リスクがゼロになるわけではないため、除菌後も年に1度は胃カメラ検査を受けたほうが良いでしょう。
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高齢者の受診が多い診療科を揃え、介護施設も併設。認知症患者様とご家族様のストレスや負担を軽減します。
独自開発の「5D注⼊法」により、痩せ型でも豊かな膨らみのある魅力的なバストを提供します。
患者様に合わせて設定した治療のゴールを一緒にめざし、予防からリハビリ、再生医療まで幅広く提供します。