小江戸眼科内科 白内障・緑内障・糖尿病クリニック 庄司 拓平 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れるドクターが教える治療法vol.080

眼科

緑内障・白内障の治療、手術の最前線。個々の患者に最適な選択を
緑内障・白内障の治療、手術の最前線。個々の患者に最適な選択を
小江戸眼科内科 白内障・緑内障・糖尿病クリニック
  • 庄司 拓平 院長
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JR・東武東上線「川越駅」西口から徒歩1分の「小江戸眼科内科 白内障・緑内障・糖尿病クリニック」。同クリニック院長の庄司拓平先生は、日本眼科学会の専門医・指導医。クリニック名の通り、専門領域は「白内障」及び「緑内障」の治療で、埼玉医科大学の客員教授や日本緑内障学会の評議員、日本眼科手術学会の学術委員のほか、日本人で3人しかいない米国緑内障学会の会員としても活躍中だ。緑内障・白内障の治療、手術はどのような進化を遂げているのか。“目の健康長寿”の実現に向けて何が求められるのか。インタビューでは緑内障・白内障の特徴や発症のメカニズム、治療法、同クリニックの強みや力を入れているポイント等について伺った。(取材日 2022年7月21日)

緑内障治療の現在。点眼・レーザー・外科手術から最適な治療法を選択

― 緑内障とはどのような眼病なのでしょうか。

目の網膜と脳をつなぐ“ケーブル”の役割を果たす「視神経」を担う「網膜神経節細胞」が減少し、視野が狭くなる病気です。網膜神経節細胞の数は加齢とともに減少しますが、緑内障の患者さまは、そのスピードが速いのが特徴です。網膜神経節細胞が減っていることは眼底三次元画像解析(OCT)検査によって、また視野の狭まり具合は視野検査によって把握できるのですが、視野の狭窄や欠損が進んでいたとしても、もう片方の目や脳が補ってくれるので本人はなかなか自覚できませんし、生活に支障が出るわけでもありません。そして、中心部分の欠損に気づいたときには、視神経は正常時の5%程度にまで減っており、既に手遅れというケースも少なくありません。ここが緑内障という病気の難しいところであり、緑内障が日本人の中途失明原因のなかで圧倒的一位を占めているのには、こうした背景があるのです。

― 緑内障の治療法について聞かせてください。

緑内障には大きく分けて、隅角(角膜と虹彩の根元が交わる部分)にある房水(眼球の中を循環する液体)の排出路「繊維柱帯」が目詰まりを起こし、眼圧が正常範囲よりも高くなることで発症する「開放隅角緑内障」、基本的なメカニズムは開放隅角緑内障と共通でありながら、眼圧が正常範囲にとどまっている「正常眼圧緑内障」、隅角が狭くなることにより、眼圧が高くなる「閉塞隅角緑内障」という3つのタイプがあります。このうち「閉塞隅角緑内障」に関しては、後ほどお話しする白内障手術を行って、膨張した水晶体を取り除くことで、閉塞した隅角を開放状態に戻し、視神経の減少を抑制するのが一般的です。

― 「開放隅角緑内障」及び「正常眼圧緑内障」に関してはいかがでしょう。

基本的には点眼やレーザー、外科手術等によって眼圧を下げ、視神経の寿命を伸ばすことを目標に治療を進めます。もっとも、この十数年間で緑内障の治療法は飛躍的に進化しており、点眼だけでも約20種類、レーザーで3、4種類、外科手術で10種類ほどの治療法が存在します。当院はほぼ全ての治療法に対応しているのに加え、アーメド緑内障バルブやエクスプレスシャント、iStentなど、最新のデバイスを使った手術に関しても豊富な経験があります。しかし何より大切なのは、患者さまお一人お一人の症状に最適な治療法を選択、提案することです。また、コロナ禍が落ち着いたら、セミナー等の啓発活動を通して、予防医療の充実に力を入れたいと考えています。

高難易度の白内障手術にも対応。患者が希望する“見え方”を実現する

― 白内障とは、どのような眼病なのでしょうか。

目のピント調節の機能を担う「水晶体」という器官が白く濁り、モノが見えづらい、光が乱反射して眩しいといった症状が出る眼病です。けがやアトピー性皮膚炎が原因となって若いうちから発症するケースもありますが、最大の原因は加齢ですね。水晶体細胞は生涯にわたって増え続けるため、70代、80代になると水晶体が濁ったり、硬くなったり、膨らんだりする。これはどうにも避けられない現象です。ただし、白内障は緑内障と違い、手術による根本治療が可能です。白濁した水晶体を人工の眼内レンズと取り換えることで視力の回復が見込めます。白内障手術は日本で行われる手術の中で実施件数が最も多いポピュラーなものですが、当院では従来大病院でしかできなかったような難易度の高い症例にも対応できます。これが私どもの強みだと自負しています。

― 難易度の高い症例とは、具体的にはどのようなケースがありますか。

水晶体の表面にフケのような沈着物が付着して、白内障や緑内障を引き起こす「落屑症候群」は、その一例です。一般的な白内障手術は、水晶体を包んでいる袋(水晶体嚢)を切開した上で、水晶体の中身を超音波によって砕いて吸引し、眼内レンズを挿入します。しかし落屑症候群の患者さまは、水晶体嚢を固定する靭帯が弱くなっているケースが多い。そういった場合、水晶体と網膜の間にある「硝子体」という組織をある程度除去した上で、眼内レンズを強膜(白目)に直接引っ掛けて固定します。この手術には繊細かつ高度な技術が必要とされますが、当院では基本的に日帰りで行っています。

― 白内障手術に関して、特に大切にされているポイントについて聞かせてください。

患者さまがどのような“見え方”を希望されているのかを見極めることです。目の屈折度数や角膜の曲率半径、眼圧等を測定する機器のほか、最新鋭の前眼部三次元画像解析装置によって水晶体の状態を正確に把握するだけでなく、どのような“見え方”で人生を送られてきたのか、生活の中で何に重きを置いているかといったことについて、徹底的なヒアリングを行った上で、最適な眼内レンズを選択し、手術を実施します。患者さまお一人お一人が希望する“見え方”にどこまで近づけられるか。これが私どもの腕の見せ所です。

ドクターからのメッセージ
  • 庄司 拓平 院長

“人生100年時代”が現実のものとなりつつある今日、目の健康寿命を伸ばすことがこれまで以上に重要になっています。緑内障を発症したとしても、早期の段階で発見し、適切な治療を受ければ、失明のリスクを回避できます。まずはお気軽にご相談いただき、安心して検査を受けていただければと思います。

緑内障・白内障の治療、手術の最前線。個々の患者に最適な選択を
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住所
埼玉県川越市脇田本町15−13 東上パールビルヂング 1F
電話番号
049-247-8777
診察領域
糖尿病科、眼科
専門医
眼科専門医
専門外来
緑内障専門外来